見出し画像

ともくんとれいちゃん

ぼくとれいちゃんは幼なじみ。幼稚園も小学校も中学校も一緒。高校と大学は違うところだったんだけど仕事をし始めてしばらくすると、ぼくとれいちゃんは今度は一緒に仕事をするようになったんだ。可笑しいね。

ぼくとれいちゃんの家はご近所。と言っても隣同士とかではないのだけれど近くなんだ。お互いのお父さんもお母さんも知ってるし小さい頃はよく遊んでいたからね。

そんなふうに一緒に仕事をし始めて楽しかったんだけどお別れの日は突然やってきたんだ。ぼくとれいちゃんは事故でよくわからないうちにいなくなっちゃったんだ。そしたらみんながたくさん泣いた。お父さんもお母さんもおじいちゃんもおばあちゃんも友達も涙が枯れちゃうよっていうくらい泣いてた。

最初ぼくとれいちゃんはみんながなんで泣いているのかわからなかったんだ。その理由がわかったのはお葬式。同じ日にぼくたちはご近所でお葬式をしていたんだ。ぼくの家でもれいちゃんの家でもね。その日は雨の日だったね。遠くからたくさんの人が来てくれて、ぼくとれいちゃんはそこにはいなくなっちゃったけどうんと嬉しかったんだよ。


その時ぼくはれいちゃんと話して決めたことがあるんだ。こんなに僕たちのために泣いてくれる人がたくさんたくさんたくさんいてぼくたちは幸せだねって。だから二人で決めたんだ。僕たちがずっと見守るからねって。ずっとずっと空から見守るからねって。声は届かなくてもずっと見守っている。そう決めたんだ。


ずっとずっと忘れないよ!
この思いがみんなに届きますように。

ぼくとれいちゃんより。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?