見出し画像

第4回「『気候正義』ってなんだろう?私たちのまちでともに考えよう」の開催レポート

ごあいさつ

みなさんこんにちは。
さっぽろ気候変動タウンミーティング」のワークショップコーディネーターとファシリテーターを務めている対話の場づくり屋 SNUG長谷川友子です。
このnoteではタウンミーティングの各回のレポートをお送りします。

「さっぽろ気候変動タウンミーティング」(以下タウンミーティング)とは?

札幌市民や札幌に縁のある市民が集まり、気候変動などの社会課題について学び、考え対話する札幌市環境局主催のワークショップです。
 
このタウンミーティングでは、「対話」を大事にしています。
市民同士、市民とスタッフが安心して自身の思いや考えを話し他者の意見を聴くことができる場づくりを目指し、参加者や地域内の関係性やアイデア、取り組みの変容を目指しています。
 
全6回のプログラムを予定しており、残すところは第6回「リフレクション&パーティ!私たちのまちで集まり対話することの可能性を想像しよう」です。
参加者がタウンミーティングやこのような集まりにどのような可能性を持っているのかを想像し対話するプログラムを予定しています。
 
このタウンミーティングは、気候変動をはじめとする社会課題について様々な視点から捉えることができるよう設計しています。
例えば、第1回では「気候変動と正しい科学の知識」第2回では「気候変動対策と衡平性」をテーマに、第3回目は講師を呼ばずに参加者が対話する「気候変動おしゃべりカフェ」を開催してきました。
今回は第4回目「気候正義」がテーマの回のレポートです。
第5回目のレポートもこのあとアップ予定ですのでぜひお楽しみにしてください。

「さっぽろ気候変動タウンミーティング」を開催する意義とは?

タウンミーティングは、地域(まち)で自分たちで対話する文化をつくるための土壌づくりとして開催しています。
そこでタウンミーティングでは、参加者全員が納得して参加できる対話のあり方を探究しています。
「ファシリテーターや主催が言っているから」という考え方から、「自分たちでもタウンミーティングを変えていくことができる」というように市民が少しずつ学ぶことができる場になればいいなと考えています。

第3回で雪まつりで何かやってみよう!というチームが集まり、気候変動に関する意識調査企画を実施しました。

また、対話をする中でもやもやしたことを集計し公正で持続可能な対話の場づくりを探究しています。

このタウンミーティング ではグラフィックレコーディングを取り入れることで対話の促進、記録をしています。

今回のグラフィッカーは第1回から引き続き、あいであふぁくとりーの「さくちゃん」こと櫻井さんです。

第4回「『気候正義』ってなんだろう?私たちのまちでともに考えよう」

第4回目の概要はこちらです。

開催日時:2024年2月18日(日)14:00-17:00
会場: 札幌エルプラザ2階会議室1・2(北区北8条西3丁目)
講師:宇佐美誠さん(京都大学大学院地球環境学堂 教授)
参加者数:16名

第4回目ではどんなことをしたの?

今回のテーマは「気候正義」。参加者の中にも気候正義という言葉を「初めて聞いた!」という方がたくさんいらっしゃいました。

今回なぜ気候正義をテーマにしたのかについてご説明します。気候変動は地球規模で起きている問題ですが、もちろん地域での行動も必要です。ただあまりにも規模が大きい問題は、どのように捉えてよいのか難しい方もいると思います。

そこでどのように気候変動を考えるのかという考え方の枠組みとして「気候正義」を学ぶことで、これから自分たちのまちでできることやその意義を再確認できれば、という意図がありました。

・集まった私たちを知る時間
「正義」という言葉は普段使い慣れていない方が多いので、「気候正義」を学ぶ前に「私たちが『正義』という言葉に抱いているイメージや感情」を可視化することから学びをスタート。

参加者は率直な意見を付箋に書いてもらい、参加者に読み上げてもらいます。

参加者の「正義」のイメージ。

「アンパンマン」「強い」「権力」「とても実現が難しい」など、多様なイメージが浮かび上がりました。

・講師による学びの時間
さて参加者が持つ「正義」のイメージが共有されたあとは講師による講義の時間です。
今回の講師は京都大学大学院地球環境学堂 教授の宇佐美誠さん。

気候変動の現実、気候正義とは何か、私たちにできることという3つの観点からの講義でした。

・学びを受け止め消化する対話の時間
休憩を挟んでリラックスしたあとは対話の時間です。

今回は、参加者の中から「今回の学びを踏まえた上で今このタウンミーティングの参加者で対話したいこと」を募り、テーマの数だけグループを作成しました。
テーマを出していない参加者は自分の関心に一番近いテーマを選び対話を行います。

参加者から出たテーマはこちら!

・(講義の中で出た言葉)「ソファーに寝そべる男」は私たち?今ある構造に乗っかるしかないけれど、その中にいる現構造に抗うための市民の力や限界とは?
・私たちにできること、無力感をどのように乗り越えるか…?
・再エネ設備の導入促進と地域住民の感情について

対話した内容は全体共有し、ふりかえりの言葉を書いてもらい、第4回「『気候正義』ってなんだろう?私たちのまちでともに考えよう」は無事終了しました。

参加者からはこんな感想がありました。

・「気候正義」という言葉は参加前は聞いたことがない言葉でしたが、周りの人にも伝えたいと思いました。
・今まで様々な方の気候正義について聞いてきたけれど、今回の角度、伝え方は新しかったので楽しかったです。
・正義とは均衡であること、ずっとぼんやりしていたものが見えてきました。でも難しい…
・「環境」とともに「人間」についても考える時間でした。

まだまだ一般的に議論されていない「気候正義」。ですが自分のまちで「気候正義」について考え始めることは、今起きている現状を新たな視点で捉えるきっかけとなりそうです。

フィールドワークと第6回目のさっぽろ気候変動タウンミーティングのお知らせ

・フィールドワークのお知らせ

対話の場を飛び出して現地に赴き学ぶフィールドワークを開催します。

「ゼブゼブしてないZEB Ready!?
心地よさもCO2削減も追求する建築で私たちの未来を想像しよう」

日時:2024年3月9日(土) 14時00分~16時00分
(集合:13:20、解散:17:00頃を予定、集合場所は別途お知らせ)
訪問場所:株式会社竹中工務店 北海道地区FMセンター
参加方法:さっぽろ気候変動タウンミーティングの申込フォームからお申込みください。その際、自由記載の欄にフィールドワークの参加希望であることをご記載ください。

概要
さっぽろ気候変動タウンミーティングでは、全6回のプログラムのほか、気候変動対策を学ぶことができる施設に見学するフィールドワークを実施します。
フィールドワークの行先は、第3回プログラムで参加者同士で対話を行った結果、一番意見の多かったZEB見学となりました。施設見学を快く引き受けていただいた、株式会社竹中工務店北海道地区FMセンターに訪問させていただきます。

・第6回目さっぽろ気候変動タウンミーティングのお知らせ

このタウンミーティングはどの回からの参加も大歓迎。このタウンミーティングには毎回初参加の参加者がいらっしゃいます。
ぜひフィールドワークから、最終回からでも遠慮なくお越しくださいね!

第6回「リフレクション&パーティ!
私たちのまちで集まり対話することの可能性を想像しよう」
開催日時:2024年3月20日(水祝)14:00-16:00
(16時00分~17時00分は交流会を予定しています。)
会場: 札幌エルプラザ2階会議室1・2(北区北8条西3丁目)

全6回のプログラムですが、途中からまたは特定の回だけのご参加も大歓迎です!
お申し込みはこちらから!
 
さて、第4回目のレポートはいかがでしたか?
タウンミーティング参加者ライターによる記事も近々アップ予定ですので、ぜひお楽しみにお待ちくださいね。
 
それでは、フィールドワークや次回のタウンミーティングでお待ちしております!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?