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第3回「気候変動おしゃべりカフェ」の開催レポート

ご挨拶

 みなさんこんにちは。
 「さっぽろ気候変動タウンミーティング」のワークショップコーディネーターとファシリテーターを務めている話し合いの場づくり屋 SNUG代表の長谷川友子です。
 このnoteではタウンミーティングの各回のレポートをお送りします。

「さっぽろ気候変動タウンミーティング」(以下タウンミーティング)とは?


 札幌市民や札幌に縁のある市民が集まり、気候変動などの社会課題について学び、考え対話する札幌市環境局主催のワークショップです。
 このタウンミーティングでは、「対話」を大事にしています。
 市民同士、市民とスタッフが安心して自身の思いや考えを話し他者の意見を聴くことができる場づくりを目指し、参加者や地域内の関係性やアイデア、取り組みの変容を目指しています。

 全6回のプログラムを予定しており、気候変動をはじめとする社会課題について様々な視点から捉えることができるよう設計しています。
 例えば、第1回では「気候変動と正しい科学知識」第2回では「気候変動対策と衡平性」をテーマに開催してきました。

 今後も第4回目では気候正義、第5回目ではスウェーデンの事例をもとにした民主主義のあり方と気候変動対策についてを予定しています。
 そして最後の第6回では今回同様市民対話を予定しており、参加者がタウンミーティングによってどのように変化したかを振り返る予定です。

「さっぽろ気候変動タウンミーティング」を開催する意義とは?

 タウンミーティングは、地域(まち)で自分たちで対話する文化をつくるための土壌づくりとして開催しています。
 そこでタウンミーティングでは、参加者全員が納得して参加できる対話のあり方を探究しています。
 ですから、参加者から出た声によってプログラムも変容していきます。例えば、今回は前回「みんなでやってみよう!」という呼びかけがあったことの「報告タイム」を設けたり、「対話の場でのもやもや」があるということを受けて「もやもや集計タイム」などの時間を新たに設けてみました。

 このタウンミーティング ではグラフィックレコーディングを取り入れることで対話の促進、記録をしています。
 今回のグラフィッカーは第1回から引き続き、あいであふぁくとりーの「さくちゃん」こと櫻井さん!
 さくちゃんは会場内を飛び回って声を拾っています。

第3回「気候変動おしゃべりカフェ」のレポート

第3回目の概要はこちら!

開催日時:2024年1月25日(木)18:00-20:00
会場:bokashi(中央区南2条西1丁目7番地1 二番館ビル)
講師はおらず、市民対話のみのプログラムです。
参加者数:11名

 (開催日は札幌に大寒波が到来。それゆえ公共交通機関などの遅延も相次いでおり、欠席のご連絡も多々ありました…。)

bokashiは木のぬくもり溢れる空間です。
窓から札幌のまちが見えます。

第3回目のテーマ「気候変動おしゃべりカフェ」とは何をしたの?

 「カフェのようにカジュアルな場所で、たくさん対話しよう」という意味を込めてこのタイトルがついています。
 第3回はOST(オープン・スペース・テクノロジー)という参加者全員で対話する手法を取り入れたプログラムを実施しました。
 OSTとは、参加者が解決したい課題や話したい議題を自ら提案し、提案していない参加者は会場を自由に移動することで参加者全体の自主的な対話を促す手法です。

「気候変動おしゃべりカフェ」の流れや様子を紹介します!

・前回のふりかえり
 OSTの前に、第1回、第2回の学びや対話したことをさくちゃんのグラフィックレコーディングを眺めながら振り返りました。

・チャレンジ報告タイム
 前回の対話の中で、参加者から「タウンミーティングや気候変動、ジェンダーなどどんなことでもいいから身近な人に話してみて、『話してみてどうだったか』をタウンミーティングで共有しませんか?」という提案がありました。いわば、「話題にしてみようチャレンジ」です。
 今回はそのチャレンジを実践してみた参加者から報告がありました。

例えば…こんなチャレンジの報告がありました。
・友達にタウンミーティングのことを話してみた参加者
・家族にタウンミーティングや気候変動のことを話してみた参加者
・職場で市民参加する場について会話してみた参加者
・パートナーにタウンミーティングのことを話してみた参加者

 チャレンジしたことによりよい感触を得た参加者もいまいち伝わらなかった参加者もいましたが、何よりも参加者全員が「みんなで実践を持ち寄る」ことの力強さを感じたように見えました。

・メインプログラム!OST(オープン・スペース・テクノロジー)の時間

 さて、メインプログラムのOSTの時間です。
 ファシリテーターからOSTの流れや原則の説明のあと、以下の問いについて参加者がここにいる参加者で話してみたいことを考え提案しました。

問い
「あなたは、私たちのまちやタウンミーティングはどんな場所、姿であってほしいと願っていますか。
そのために、このタウンミーティングで集まった人と話してみたいこと、やってみたいことはどんなことですか。」

今回の分科会のテーマはこちら!
・環境・社会問題と私たちの距離感はどれくらいがいいの?
・社会問題を考える上で自分を好きになるためには…?
・雪まつりのブースで一緒に何かしませんか?
・札幌を住みたいまちランキング1位にするためには?
・フィールドワークで行きたいところは?

 参加者からの提案の数だけ分科会を開き、提案していない人は自分の好奇心や興味をもとに分科会に参加します。
 参加者一人ひとりが自身の好奇心を頼りに分科会に参加したり、別の分科会に移動したりしながら過ごしました。

 移動する人、一つの分科会にとどまる人など参加者の過ごし方は様々。


 そしてOSTの時間のあとはテーマを上げた参加者が対話した内容を全体に共有しました。

 そして、全体でこれから取り組みたいことについて話し合います。
 雪まつりブースでは、参加者有志メンバーによる企画をすることになりました。どんな企画となるかはOSTで出たアイデアを出発点として現在検討中です。

・もやもや集計タイム
 OSTの対話を終え、プログラムの終盤です。
 第2回のタウンミーティングで、参加者から「対話している上でもやもやすることがある」という声があがりました。
 このタウンミーティングは多様な市民が集い対話をするので、対話しながら参加者一人ひとりにいろいろな感情や考え、もやもやすることが生まれます。
 そこで、公正な対話を目指すために「今日のもやもやカード」を配り、匿名で「対話しながらもやもやしたこと」を全員に書いてもらい、カードを全員で眺める時間を過ごしました。

 すぐにもやもやを解決するのではなく、まずは一人ひとりの声を可視化しようという試みです。これは次回以降も続けていこうと考えています。

第4回目のさっぽろ気候変動タウンミーティングのお知らせ

テーマ「気候正義ってなんだろう?私たちのまちでともに考えよう
開催日時:2024年2月18日(日)14:00-17:00
会場: 札幌エルプラザ2階会議室1・2(北区北8条西3丁目)
(次回の会場は札幌駅直結で、エレベーターもあります。)
講師:宇佐美誠さん(京都大学大学院地球環境学堂 教授)

 「気候正義」という言葉は聞いたことがあるでしょうか。
 次回は日本での気候正義の研究の第一人者でもある宇佐美誠さんをお呼びし、私たちのありたい地域やまちの未来について考えます。
 ぜひ一緒に対話のチャレンジを重ねましょう。

 全6回のプログラムですが、このタウンミーティングはどの回からの参加も大歓迎。
 第3回目が初参加の参加者もいらっしゃいました。
 ぜひどなたでもいらしてください!
 お申し込みはこちらから!


 さて、第3回目のレポートはいかがでしたか?
 タウンミーティング参加者ライターによる記事も近々(続々!)アップ予定ですので、ぜひお楽しみにお待ちくださいね。

 それでは、次回のタウンミーティングでお待ちしております!

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