見出し画像

「チ・カ・ホとまちの文化芸術活動(5)」

(5)これからチャレンジしていきたいこと

画像2

酒井:これから、チ・カ・ホやまち会社として、文化芸術をどういうふうに見せてどういう市民、どういう発表をしたいかっていう野望というか、自分の挑戦したいこと、チャレンジしたいことみたいなのを聞いて終わりにしようかな。チ・カ・ホからまちに広がっていくような、新しい企画があるんだよね?

画像3

今村:2018年に立ち上がった札幌駅前通アワードは、1回目はテラス計画が舞台だったんです。今年はチ・カ・ホ開通10周年ということで、チ・カ・ホを舞台に11月くらいには募集開始できるように進めております。

 今年新しく立ち上がる企画としては「パラレルミュージアム」があって、2015年から「さっぽろユキテラス」という雪と光をテーマにしたアートプロジェクトをアカプラでやっていたんですけども、去年コロナの影響で中止になったことをきっかけにシフトチェンジしたものです。

 コロナ以降の展示のあり方とかまちの楽しみ方を考えて、駅前通のビルオーナーさんなどにご協力を得ながら、現実空間と仮想空間がパラレルに存在する企画を組み立てています。

 現実空間では駅前通の仮壁やビルの空きスペースに作品展示するので、チ・カ・ホを通ってまちを回遊しながら作品鑑賞をして、仮想空間ではwebだけでしか見れない作品を掲示して、どちらの世界も平行に楽しめるみたいな仕組みのものを考えていて12月3日から開催です。世の中の状況に合わせて、企画も変化させたりブラッシュアップしていきたいと思っています。

酒井:コロナというものも含めて、バーチャルでの体験と、ある意味ただのパラレルではないパラレル世界を作ろうとしているんだね。では、耕平くんのチャレンジも。

画像4

小西:うちの会社って、札幌「駅前通」まちづくり株式会社なので、チ・カ・ホで何かをしなければならない訳じゃない。僕の受け持っているパフォーマンスの分野だと、sitatte sapporoさんがコロナ禍になる前に、チカチカのようなことをsitatte sapporoさんの接続空間部分、丸美珈琲店さん前のスペースでパフォーマンスをやってもらえないだろうかっていうお話をいただいて、2回ぐらい実験でパフォーマンスをしたことがありました。

 そんな感じで、チ・カ・ホから繋がっているビルとか、駅前通のどこかのビルさんが持っている使い方を模索しているスペースを使って、パフォーマンスで賑わいをつくっていくということをコロナさえなければもっとやっていきたかったなっていう思いはあります。

酒井:そういうのやりたいね、もっとね。

小西:いかにして密をつくるかという感じがパフォーマンスのイベントにはあったので、それが封じられてしまうと、イベントってなんだっけ?って感じなので、まずはいくらかでもコロナが収まって、多少なりとも人が集まれるようになっていかないと厳しいんですけど、段々できるようになっていったらチ・カ・ホでも何かやりたいなとは思っています。

 近隣の方たちと、場所を借りるだけでなくて一緒に手を取り合って、きっとビルごとにこういうのがやりたいんじゃないかという希望があるので、そういうのが逆に活動している人たちへ新しい道を開くかもしれないですし。

 僕らパフォーマーって、その場その場に合わせて、この場所だったらどんなことができるかっていうふうにして、自分から合わせていくことが習慣づいているので、いろんな場所から切り開いていくと、いろんなパフォーマンスも勝手に花開いていく気がするので、やっている側としても企画する側としても面白そうだなって。やれたらいいなって思っています。

酒井:いいね。事業者は当然、そこにビルの価値とか利益みたいなのを考えざるを得ないっていうことではあるけど、でもそこにパフォーマンスとかアートっていうのはある意味、お互いにメリットがあるし、事業者はすぐにお金にならないっていうのは思っているからか少し長い時間をかけて文化をつくっていくっていう、意識のある人と会話をする最初の媒介になるというか。そういう、事業者と対話をする場をどんどんつくっていく可能性がありますね。

小西:バラバラにやるのは難しいかもしれないんですけど、さっき紹介したSAPPORO PERFORMANCE PARTYのある1日に一斉に開催するとかすれば変わってくるのかなと。そういうふうにイベントを使っていきたいなとも思っています。

酒井:ありがとうございます。じゃあキーボー。

画像5

高橋:…僕、管理していないんですよね。なので僕が言うのもおこがましいんですが、どの立場で勝手に挑戦しようとしているんだと…。皆さんに怒られそうなことを踏まえて。PARCって、僕が独立して一番最初の企画で、今も続いている僕にとっても大切な企画なんですけど、「Public Art Research Center」の略なんです。そのリサーチセンターをいずれ外したいなと。

 チ・カ・ホのパブリックアートが毎年生まれる、例えば1日だけのものかもしれないし、1ヶ月間かもしれないし、1年間ずっとどこかに置いてあるかもしれないけど、毎年変わったパブリックアートがチ・カ・ホに生まれるみたいなかたちにしたいなと思って、PARCにアーティストとかレクチャーしに来てくれる人とか、まち会社の人と相談しながらやっています。

 チ・カ・ホのパブリックアートを毎年みんなが楽しみにしてくれるようになるといいなと思っています。またなんか変なのやっているなっていうのでもいいし。そんな気持ちで関わらせていただいています。

酒井:ありがとうございます。開通から10年を迎えて、これからの10年でまちづくり会社がチ・カ・ホという公物をしっかり管理しながら、そこで得たものを財源にそれらを還元・波及していくという具体的な話をいろいろとしてくれたと思います。アーティストの創作活動、表現活動の発表の場でもありながらも、一方ではこの場を通じて中間で支援するような人たちも育ってきているわけですね。500m美術館とは違う何か、発信する才能のある場がチ・カ・ホでもあると思います。もしかしたら「リサーチセンター」が外れる日が来るかもしれないけれど、本質としてリサーチを続けながら挑戦していくことがチ・カ・ホの意義であると思いました。

画像5

★「チ・カ・ホとまちの文化芸術活動」の内容は、こちらのマガジンにまとめてありますのでぜひご覧ください!

画像6


主催|札幌駅前通まちづくり株式会社(札幌駅前通地下広場 指定管理者)
●ホームページ(https://www.sapporoekimae-management.jp/)●Facebook(@sapporoekimaedori
●Instagram(@sapporo.ekimaest

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?