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元道職員SOGIハラ訴訟記者会見③質疑応答(原告・弁護団)2021.6.9 11:00-

会場:札幌弁護士会館5階大会議室AB
原告:佐々木カヲル(社会福祉士)
弁護団(弁護士):加藤丈晴、須田布美子(当日欠席)、犬塚賢護、髙橋友佑、本橋優子

皆さま、本日はお忙しい中、私どもの記者会見にお越しいただきましてありがとうございます。それでは、これから本日提訴致しました元道職員SOGIハラ訴訟について記者会見を行います。本日、司会を務めさせて頂きます弁護士の本橋と申します。よろしくお願い致します。記者会見は、まず弁護団から訴訟についての概要を説明いたします。次に、原告である佐々木カヲルさんから提訴に至った思いをお話ししていただきます。その後、質疑応答の時間を設けております。本日の記者会見は約1時間程度を予定しておりますのでお願い致します。また、佐々木さんのお名前とお顔出しについて可能であるものの、パートナーの方については特定できる情報は全て非公表となっておりますのでご了承ください。また、訴状につきましては、左側の、テーブルの左側の方に置いてありますので、お持ち出ない方は、お手元の方にご用意をお願いします。


司会
それでは質疑応答にうつらさせていただきます。ご質問される方は所属とお名前を言ってからご質問をお願いいたします。それではご質問はございますか。それでは一番早かった、はい。

質問者
今日はありがとうございます。まず、1点うかがいたいのが、現在元道職員ということだったんですが、現在社会福祉士って言うことで、その経歴が変わった経緯というのをうかがわせていただきたいです。

原告
退職の経緯っていうことでいいでしょうか。ちょっとごめんなさい、メモ見ながらで。退職の経緯としては、2018年11月12日に、まず、北海道の人事課、それから職員厚生課、地方職員共済組合、それから、被告にはなっていませんが、北海道職員互助会に対して、いろんな届出を出した後ですね、扶養が認められないということがわかった後に、「同性パートナーを被扶養者として認定し、内縁関係と同等の取扱いをすることについて」っていう要望
書を、届出を出して認定されなかった後に出しました。そのため、要望書を出して結論が変わるかどうか私、待っていたんですけれど、何の音沙汰もなかったので、支援者らとともに「同性パートナーの権利を求める会」というのを設立して、公文書開示請求をしました。その結果、何の検討もされていないということを知って、自分でも愕然として、もう仕事ができる状態、精神状態ではなくなって、そこで退職をしています。

質問者
今も少ししゃべっていただいたのですが、あの当時、道と共同(共済?)組合が扶養手当、道の方は寒冷地手当の増額もですね、同性(異性?)カップルのみに認めるっていうのを言われた、もしくは書類できたんですかね。それを言われたときは、どんなような心境でしたか。

原告
はい。何度、関係部署とやりとりしても、二人の関係性を証明する書類を提出しても、さっきお話しした要望書を提出しても、無視され、差別され続けるということに疲れた。そのことを当然とする組織に、自分が所属し続けることに、困難を感じ、働く気力がなくなりました。以上です。

質問者
今日、提訴に踏み切ったっていうことですけれども、提訴してみてお気持ち、今後の裁判の意気込みなどお願いします。

原告
提訴した今の気持ちとしては、ずいぶん遠回りして、やっと、スタートラインに立てた。というのが正直なところです。裁判にかけての思いというのはさっきお話ししましたけれど、私の周りにいる当事者の多くは、自分たちに与えられるているはずの権利を、最初からあきらめているのではないかなというふうに思っています。でも、私は、私なりの「普通」、「当たり前」を求めて、裁判に望みたいと思っています。よろしいですか。

質問者
はい。最後に、すいません何度も。最後に1点なんですけれども。3月にですね、同性愛者が結婚による法的効果を得られないのは、差別的だっていうことで、全国で初めて違憲判決というのが出ましたけれども、そのことについては、そのニュースを知った時など、どんなふうにお考えになりましたか。また、今回の裁判に対しての求めることなどありましたらお願いします。

原告
はい。画期的な違憲判決がでたなというふうに思ってあのニュースを見ておりました。やはり自分で変えることができない性的指向ということで差別的な扱いを受けるということには、問題を感じますし、そこは私が主張しているとことも共通しているのかなとも思います。裁判に期待することですよね。今後。裁判を通して、さっきもお話ししましたけれど、まず、2つあって、まず社会的に多数の人々、マジョリティと言われている人たちが、普通の生活の中で、当たり前に与えられている権利が、社会的に少数の人々、マイノリティには与えられていない。という事実、それをまず皆さんに知っていただきたい。それから、先ほども申し上げましたが、多様性の尊重、公正な社会のあり方ということはよく話題に出たりしますけれど、そういうことを、みなさまにも一緒に考えていく機会になればいいなと思っています。以上です。

質問者
ありがとうございます。

司会
じゃ、あの緑色のお洋服の方。

質問者
よろしくお願いします。先日の道知事の記者会見で、他の都府県において北海道の取扱いと違った取扱いをしているところはないと、社会経済情勢の変化を見極めつつ適正に対応をしていくというふうに答弁しております。先日、性的指向に取扱いに差がある状態を憲法14条違反という判決が出たばかりですけれども、こういった答弁についてどのように思われますでしょうか。

原告
私もその北海道の鈴木直道知事がお話ししている場面、あの見ました。テレビで。知事の主張は「都道府県において、道の取り扱いと違った取り扱いをしているところはない」と承知していると、あと「国や他府県の取り扱いと社会経済情勢の変化ということも見極めつつ対応していく考え」とお話ししていたところですよね。私が、そもそも訴えているっていうことは人権の問題なんです。人権課題です。それは、北海道人権施策推進基本方針にも、北海道が性的マイノリティの人権っていうことをうたっていますし、私、これ、今日持ってきた、この質問でるかもしれないと思って持ってきたんですけれども、北海道環境生活部くらし安全局道民生活課が発行しているこの冊子「みんなが自分らしく 性の多様性を考える 性的指向・性自認・差別表現」という冊子があるんですけれど、誰もが「自分らしく」生きられる社会へという項目がありまして、そこに「福利厚生制度などを変更する」と明記されている。っていうことを知事はご存知なのかなと、うかがいたいなと思います。あともう一つ、性的マイノリティの問題というのが、人権課題ですっていうのは、なかなかみなさんにわかっていただけないんですけれど、例えていうなら女性の参政権。今は当然にあるものだとされていますけれど、知事がお話しした前例がなくても、社会経済情勢がどうであっても、これは、参政権は平等に与えられるべきだっていうのは、みなさん思われるところじゃないかなと思います。それと同じです。以上です。

質問者
ありがとうございます。もう1点なんですけれども、道ですとか、これは弁護団の先生にもおうかがいしたいんですが、被告側の反論として憲法24条が同性パートナーを想定していないですとか、両性という文言が同性パートナーをその包括するというような解釈に同性パートナーも含まれているんだというふうにならなければ運用を改めることは難しいという反論があるのではないかなと思うんですけれども。そういった反論についてはどのように克服されるか教えていただけますでしょうか。

弁護団
これは弁護団からっていうことでいいですか。今ご質問いただきました憲法24条との関係など、あのすみません、弁護団の加藤丈晴と申します。今ご質問いただきました憲法24条との関係なんですけれども、まず、そもそも、この裁判ではない「結婚の自由をすべての人に」の北海道の裁判の中で私たちが、原告が主張しているのは、あくまで同性間にも憲法24条の保障はおよぶんだということが大前提になりますので、それですから24条が良性としていることを理由にして今回の事実婚の同性パートナーの権利を否定する根拠にするっていうことは当然認められないということになるんですが、それはとりあえず置いておいて。今回の裁判は同性婚に対する問題を、直接そこをテーマにしているわけではなくて、あくまで、結婚、法律婚をしていない異性カップルと法律婚をしていない同性カップル。この二つの間に差異があるんじゃないですか、区別があるんじゃないですか。その区別に合理的な根拠はないんじゃないんですかということを主張している訳ですね。ですから、同性婚を認めるかどうか、認めるべきかどうかというところは直接争点にはしていない。ですから、そこで、もちろんですね。内縁関係を認める前提として、やはり婚姻が認められなければいけないのかと。言ってみれば、ここでいう事実婚というのは婚姻の届出を出すことはできるんだけれども出していない、そういう人たちが事実婚カップルであって、それは必ず異性でなければいけないんだ。そういうようなロジックをひょっとしたら持ち出してくるかもしれません。でも我々は訴状の中でも触れているんですけれども、とにかく届出が出されて受理されるような、というような条件が法律に書かれているんですか。それは書かれていません。あるいは、過去の判例でも、遺族年金のケースなどで、いわゆる近親婚関係にあたってしまう関係の事実婚カップルについて、遺族年金の受給を認めたっていう判例がございますので、ですから、婚姻が、適法に婚姻届けが受理されるということでなければ事実婚関係は認めないという話しにはならないというのが我々の主張でございまして、ですから、もし道がそのような主張をしてきたら、それは違うんじゃないですかというふうに当然反論できるかなというふうに考えております。以上です。

質問者
ありがとうございます。あ、すいません。追加で1つ。裁判、これから時間がかかると思うんですけれども、行政の方は迅速に対応する能力があります。行政に対して求めたいこと、改めて聞きたいんですけれども。おっしゃっていただけませんでしょうか。

原告
先ほどもお話ししましたけれど。人権の課題については、公の機関こそが率先して制度を柔軟に解釈・運用して、古い制度を改正して、民間の理解水準を高める。そういうことが求められると思いますので、今の現状では、民間の方がいろんなサービスを実際私、あのパートナーシップ宣誓をしたことで得られました。でも、公の機関となったときに、全く通用しないっていう状況がありましたので、本来、逆じゃないかというふうに思っています。以上です。

質問者
ありがとうございました。

司会
はい、それでは一番後ろの方。

質問者
ありがとうございます。佐々木さんに1点おうかがいしたいんですが、他の質問とかぶるところもあるんですけれども。当時、異性カップルには与えられている権利というのが、自分たちには与えられなかったっていうところは、率直にどのように感じたかというのを改めておうかがいしてもよろしいですか。

原告
はい。男女の婚姻しているカップル、そして、今回被告になっていて扶養認定を認めてくれなかった部分でいうと、男女の内縁のカップルであっても、所定の様式、書類を提出すれば、簡単に認められる扶養認定が、同性であるということだけでなぜ認められないのか、あえて同性カップル排除するのか、全く理解できない。というところです。

質問者
ありがとうございます。全く理解できないというところなんですけれども。怒りというか、そのなんでなんだろうというその葛藤というか、どちらの方がその当時大きかったですか。

原告
うんとですね。私が、証拠が足りないのか、証明する書類が足りないのかな。そう思って、いろんな書類をつくりました。さっきお話しした要望書をつくったりとかもしました。そういうものがあれば、わかってくれるだろうって思ってやってきた。で、ま、怒りというよりは、まだまだ、どの書類を出したらわかってくれるんだろうっていう思いの方が強かったです。以上です。

質問者
ありがとうございます。そこで、先ほど頭のところでおっしゃった普通に取り扱ってほしいというところに戻るような感じですかね。

原告
そうですね。決められた届出を「普通に」出したわけですから。北海道の職員の給与に関する条例、それから、地方職員共済組合北海道支部被扶養者認定基準というところにですね、届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあるものは、被扶養者として認定できるというふうに書かれているんです。それなのに、なんで、同性だっていう、パートナーが同性であるってことで認定できないっていうふうに判断されたのかっていうところで、性的指向、SOGIによるハラスメント、差別を受けたというふうに思っています。

質問者
ありがとうございます。

司会
それでは他の方いらっしゃいますか。はい、それでは真ん中の。

質問者
1点質問させていただきたいんですけれども、冒頭のところで、今回の訴訟、提訴にあたって、やっとスタートラインに立てたというお言葉があったと思うんですけれども、その前後の文脈の中で、普通に取り扱って欲しいというか、それは、まあ、事実婚状態、加藤さんもおっしゃったように事実婚状態でも、異性カップルであれば、扶養などの手当があるのに、同性カップルというだけでその手当が得られないというのは、ある意味そのハラスメントだったり差別に当たると言うことで、その解消だったりだとか、権利獲得に向けた活動のスタートラインに立てたという認識でよろしいでしょうか。

原告
活動っていうか。うーん。そうですね。今まで本当に書類をいろいろ被告らには出してきたわけですよね。要望も出してきた訳ですよね。そうことをやって、それで結局、社会情勢を見て判断するっていう回答しか得られなくて。で、退職の前に私も、元職場のセクハラ相談を受けたり、法務局の人権相談を受けたり、自治労北海道、組合ですね。にも相談してきました。いろんなところに相談してきました。でも、納得できる答えは結局得られず、孤立感だけがある。そういう状態の中で、やっと弁護団の方に協力していただいて、スタートラインに立てた。というところです。以上です。

質問者
すいません。あのちょっと細かいんですけれども。スタートというのは、つまり何のスタートっていいますか。すいません。

原告
はい。まず、例えば、「普通」に扱われるのが、寒冷地手当の差額とかでいうと、1万円が普通です。みんなそこが当たるのが普通なのに、私は0円です。そこの0円を1万円にするためのスタートです。だから、今、差別されているところから、「普通に」1万円を出してもらう。そこに立つためのスタートラインというふうに考えています。以上です。

質問者
ありがとうございます。それは普通の権利として、普通の、他の人、マジョリティと同様の権利だったり、福祉だったりを得るための、得るためのスタートっていうことなんでしょうか。

原告
そうですね。まー、そいうことになろうかと思いますけれど。事実婚関係と同等だと私は思っています。あの本当に、いったら住民票も同一世帯だし、保険証、パートナーの保険証の世帯主には私の名前がのっているし、共有名義の自宅も持っているし、車も使用者と所有者でパートナーと分けていますし、他の事実、男女の事実婚と認められる人たちよりは、あえてそういう手続をしなければ第三者から認めてもらえないから、そいう手続はいろいろ、諸々、男女の内縁関係よりもしていると思っています。以上です。

質問者
ありがとうございます。

司会
それでは、後ろの緑の方。

質問者
まず、弁護団の方々にお尋ねをしたくてですね。同類の訴訟との関連なんですけれども、例えばその同性婚、内縁関係を巡っては、名古屋で始まった遺族給付金の方も、これまだ控訴審行われている最中です。一方、あの3月ちょうどマリフォーの判決と同じ月には、宇都宮地裁の真岡支部からあがっていた同性間でも不貞行為が成立するかっていう裁判の方で、法的保護の対象にはなるというふうな判例としても残っております。そのへんの類似の訴訟とのつながりというか、影響というところを教えていただきたいです。

弁護団
今、ご指摘いただいきました訴訟との関係なんですけれども、この裁判というのは、いわば、北海道職員ということですから、公的な給付ということにもなるとは思うんですけれども、あのそういった意味では、犯罪被害者給付金の方と比較的性格が近いのかなという風には考えております。一方ですね、宇都宮地裁の真岡支部の地裁判決、最高裁で上告棄却されましたけれども、あちらの方はですね、どちらかというと、こう私人間の関係なんですよね。同性パートナーの片方が不貞行為をした場合に損害賠償請求ができるかという意味では、二人の間でどのような合意をしたのかという実質が問題になって、そこから、いわゆる損害賠償請求というのが請求できるのか。という、そこの法的判断になった訳なんですが、ですから、ちょっとあの権利の性質というか、本訴の性質っていうのが、少し、そことは若干色合いが違うのかなと考えているんですが。ただいずれにしてもですね、元になるところは同じで、先ほど私が申し上げました婚姻届は出していないけれども事実婚関係にある異性カップルと同じような状況にある同性カップルでなぜ違いがあるのか、その違いははたして合理的なのかというところが、一番の問題の所在で、その部分について異なるところはないのではないかなというふうには考えています。ですから、あの犯罪被害者給付金の判決でも、裁判所の方はですね、名古屋地裁は残念ながら同性のパートナーシップについては、その結婚している男女と同一と見なす社会通念がないと、そういう判断をしている訳なんですけれども。そういった社会通念というのは、今もう変わってきているし、そういった、そもそも社会通念を理由にして同性愛者の権利を否定するっていうこと、同性パートナーの権利を否定するっていうのは、はたして合理的なのか。そういった問題については、共通する問題としてですね、私たちも強く主張していきたいという風に思っています。以上です。

質問者
ありがとうございます。あと、その佐々木さんにもお尋ねしたいんですけれども。今回の裁判を佐々木さんは、元道職員SOGIハラ訴訟というふうに読んでおられます。その呼び方をまず、あの選ばれた理由っていうのをお聞かせ願えますでしょうか。

原告
はい。元道職員SOGIハラ訴訟っていう私が勝手につけた名前で、それを弁護団の方がそのまま使っていただいているところなんですけれど。まず、SOGIっていう言葉、みなさんご存知でしょうかっていうところで。性的指向、性自認そういうことを表す概念で、LGBTとかっていうような言い方よりも、異性愛の人も含めた、どういうふうな、なんていうんですかね、どういう、異性を愛するのか、自分自身の性別はどういうふうに考えるのか、という誰にでも当てはまるSOGIっていう言葉を使うことによって、みなさん、当事
者だけじゃなく、みなさんにそのことを考えて欲しい。というところでSOGIということ。それから、差別っていう言葉ってすごく強い言葉になってしまうから、差別という言葉を見ただけで、やっぱり拒否反応を起こしてしまう人がいるのかなと思いまして、ハラスメントっていう言い方の方が、一般的に受け入れやすいかな、自分のこととして考えていただきやすいかなというふうに思って、こういう呼称を使わせていただきました。以上です。

質問者
ありがとうございます。

司会
はい、それでは一番手前の。

質問者
よろしくお願いします。憲法14条でですね、すべての国民は法の下に平等であって、信条や性別などいかなる理由によっても差別されないという規定がございます。今回の、この北海道、そしてあの(共済)組合の対応について、憲法14条の観点から、佐々木さんが改めてどうお考えであるか、お聞かせ願いますでしょうか。

原告
はい。さっきもちょっとお話ししたところかなとは思うんですけれど。性的指向っていう、まあ自分でも、あのコントロールできないところで、憲法の14条のところにその性別とかそういういろいろな言葉があると思うんですけれど、自分でコントロールできない性質のもの、そういうところで差別されるというのは、憲法に反するということになるっていうのが、あの、なんですかね。日本憲法習って、法の下の平等って習いますよね。そのことそのまんまだなっていうか。自分でどうしようもないことなのに、そこで差別されることには問題ないのかなということを問いたいです。はい。

司会
はいでは。

質問者
すいません。ちょっとあの確認だったのですが。先ほど。あの事実婚の同性パートナーが被扶養者と認められるかを争う訴訟は全国で初めてということだったんですが。ということは、あの、同性パートナーの扶養手当支給を求める裁判は全国で初めてって言い換えても大丈夫ですかね。

弁護団
それは問題ないと思います。はい。

質問者
ありがとうございます。すいません。ありがとうございます。

司会
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質問者
今日はありがとうございます。まずあの弁護団にご質問なんですが。今回、その、結婚祝金を出さなかった互助会に関しては被告から外されているということだったと思うのですが。これは何か形式的な理由になるんでしょうか。それとも何か理由がありますでしょうか。

弁護団
あの互助会に関してはですね、これ一般財団法人なんですね。というのは、要するにつまり、民間団体という扱いになってしまうので、そうすると国家賠償法の枠組みから外れてしまうというのと、憲法の直接適用という場面ではなくなってしまうというこの二点があって、別に争えないことはないのですけれども、争点が複雑化してしまい、私たちが直接求めるものがぼけてしまってもいけないかなということで、佐々木さんともお話し合いの上、被告から外すことにいたしました。

質問者
ありがとうございます。続けて佐々木さんになんですけれども。提訴の報道、先日からマスコミでされていると思うのですが、同様の悩みを抱えた方っていうのは、おそらく道庁内にもまだいらっしゃるんじゃないのかなと思うんですけれども。同僚からこれまでに相談されたりとか、あるいは、今回の報道を受けて何か声かけがあったりとか、そういったことは今までありましたでしょうか。

原告
道職員の元同僚だとか、先輩後輩からっていうのは、特段の連絡はありません。こういったことで相談を受けたことがあるかっていうことですけれど。そもそも、そういうことが相談できないのが普通だと思います。私も、そのことで相談したのは、本当にこの届出を出すっていう時に、職場の人から証明を出してもらえないか、内縁関係にあるっていうことを、そういうことを上司に相談したっていうことしかないです。以上です。

質問者
ありがとうございます。あの道と(共済)組合からですね、認定しないという理由にされた、道側のつけた理由についてなんですけれども。先程、人権課題だっていうのを随分強調されていらっしゃると思うのですが。中でも、その理由の中では、「公金の支出には道民の理解が必要だ」と。そういうふうに言われたことが一番心に引っかかっている部分だという理解をしてよろしいでしょうか。

原告
そうですね。私、退職届には、退職の理由をはっきり書きました。その中の二つをお話ししたいと思いますけど。北海道及び地方職員共済組合北海道支部が同性パートナーを被扶養者として認定せず、また、北海道職員互助会による結婚祝金も支給されないこと。それが一つ。それから、北海道人権施策(推進)基本方針で性的マイノリティの人権について明記しているにもかかわらず、「公金の支出には、職員間の公平性の確保と道民の理解が必要」と人事課より説明があり、性的指向によるセクシュアル・ハラスメントを受けたと感じたこと。これらにより、北海道職員であり続けることに困難を感じ、労働意欲が低下したため。というふうに書きました。で、その「職員間の公平性の確保」っていうところと、あの「公金の支出には」ですね。というところと「道民の理解が必要」ってところがやっぱり一番、さっきおっしゃっていただいたところで、すごく大きくて。私とパートナーを「普通」に扱わないことが、他の職員にとっては公平になるというのを言われたわけですよね。じゃ、私の、私にとっての公平性、私の公平性はどこへいっちゃったんだろう。それを当然のこととして説明を受けた。あとは道民の理解が必要っていうところで、先程来お話ししているとおり、北海道自体も施策を持っている訳ですから、性的マイノリティは人権課題だっていうことの。ですから、なんだろう。そういう、なんでしたっけ。ごめんなさい。もう1回、最後のところ。いいですか。うん。そういう部分で、そうですね、「道民の理解が必要」って言われることに納得が全くいかない。ですね。すいません。ちょっとあがりました。

質問者
お仕事やめられてから、提訴まで2年あまりあったと思うのですけれども、約2年ぐらいですね。あったと思うのですが、やっぱり、そこの言葉がずっとこう心に引っかかっていたというか。そういう感じでしょうか。

原告
そうですね。それは本当に大きいかなと思います。

質問者
ありがとうございます。ちょっと弁護団に一つだけ確認なんですが。あの今回その14条違反の違憲だと主張をされているのですが、あの確認なのです。あの法令違憲だということではなくて、道と(共済)組合が、そのような、同性パートナーは入らないのだという解釈をすることが、いわゆる適用違憲だという主張ということでよろしいでしょうか。

弁護団
あの先ほど申し上げたように、地方公務員法も、あの地方公務員共済法も、あるいは道の給与条例の方も、いわゆるその事実婚関係、内縁関係について、同性パートナーを除くと書いてあるとか。あるいは、届出を出すことができる事実婚関係に限るとか。そういう記載はない訳ですね。ないということは、要するに、解釈で同性パートナーを含めることが当然できるはずなんですが、それにも関わらず、あえてそれを含める解釈をしていないという、解釈をしないことによってその扶養認定を不認定とした。ということが違憲だという主張をしていることになりますので、法令違憲か適用違憲かということであれば、適用違憲という形になるかと思います。

質問者
ありがとうございます。

司会
他にご質問の方。真ん中の方。2列目の方。

質問者
よろしくお願いします。各社さん、提訴へということで報道されていると思うんですけれども、その中のこう反論、反論といいますか、一般の意見としてですね。その、佐々木さん自身も以前おっしゃっていたと思うんですけれども、それに対してこう手当が欲しいんじゃないかというような、そういうコメントもない訳ではないという。その部分に対してですね。どのように受けとめられているか。手当が当たらないということはですね、経済的な損失があるということではあると思うんですけれども、その事実についてもどのように受けとめられているか。また、その手当を受けられるですとか、そういったことについてですね、それはその、お金っていう部分以上にどういう意味合いっていうものをお感じになっているか。そのあたりをお聞きしたいです。

原告
はい。えっと、報道されて、ネットとかでも見ていたら、同性のカップルにそういう扶養手当とかお金出したら、ルームシェアの人にも出すの。みたいなこととか書かれているのを、私、見ました。で、私とパートナーは別にルームシェアしている訳ではなくて、実際に支払わなければいけないパートナーと私、その時点では、パートナーの分の国民健康保険、共済に入れてもらえなかったので、国民健康保険に入ってもらうしかないからその保険料を出したりだとか、そういうこときちっと、やってくださいって言われたことはやっている。それなのに、手当自体は、手当は出してもらえない、普通に世帯主と世帯員としてちゃんと義務は果たしているのに、手当っていうのは権利かなと思うんですけれど。権利は、義務は課せられるのに権利は保障されない。というふうに思っていますんで。お金欲しいっていうことで今回提訴しているというよりは、本当に、さっきから言っているけれど、男女の内縁関係では認められるものを、どうしてあえてそういう記載がないのに、同性であるということだけで排除されるのか。そこ、そこを問いたいという意味合いです。以上です。

質問者
ありがとうございます。

司会
他にご質問の方いらっしゃいますか。他にご質問の方はいらっしゃいませんね。はい、それでは、他にご質問の方もいらっしゃらないようですので、質疑応答は終了いたいます。

それでは、本日の記者会見はここで終了いたします。みなさまありがとうございました。

*質問者の所属と氏名にかかる部分は削除しています



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