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私たちはなぜ急いでいるのだろう?

インドで得た問いかけ

Why are you rushing?

アシュタンガヨガ総本山のシャラ(スタジオ)のあるインドのマイソールに滞在して2週間。シャラート先生が繰り返し言う言葉で一番耳に残っているフレーズです。

Why are you rushing?(なぜ急いでいるんだ?)

カウントと一緒に動くクラスで、先生のカウントより先に動いたり、自分の練習スポットに走ったり、待ち時間のときに「まだかな?」と立ち上がってみたりする練習生たちに、
「なぜ急いでいるんだ?」と、シャラート先生が注意する場面を多く目にしています。

またインド人の友人たちと車でお寺に行った時のこと。
2人が30分遅れて待ち合わせ場所にやってきました。
待っていた人が、「Why are you late?(なんで遅れたの?)」と聞いたら、「Why are you rushing?(なんで急いでるの?)」と返ってきて、なんて面白い!と思ったのです。
先に来ていた人たちで30分楽しい時間を過ごせたし、目的地に向かうことだけが大事なことではない。
確かに急ぐ必要なんてどこにもないよなと思ったのです。

”早くやること”は絶対価値なのだろうか

朝起きて急いで顔を洗って、急いでご飯を食べて、会社にも急いで出勤、「仕事が早い!」は褒め言葉。
動画は2倍速で見る、インプットの時間はながらでできるものを取り入れて、とにかくいろんなことを早くやることに価値がある。
この感じ、身に覚えのある方はいらっしゃいませんか?

インドでは完全にゆったりしていますが、私も(日本にいたときよりはスローになったとはいえ)普段の生活は結構急いで動いています。
仕事を詰め込んで、急いで用事をこなして、たとえば歯磨きするときは、”ながら”でできる家事を探しているし、手が塞がっているときは足でできることを探します(笑)。

なぜ私たちはそんなに急いでいるんだろう?

次の予定があるから
>その予定は、急いで心を無くしてまで入れる必要のある予定なのだろうか?

人に迷惑がかかるから
>無理なく自分のペースで何かをやって迷惑がかかったとして、”その方の時間を無駄にしない責任”は自分にあるのだろうか?
(ちょっと過激な問いに感じるでしょうか?笑
例えば私自身は待たされても、自分の時間は自分で満たすものだと考えているので特に迷惑だとは捉えません。なので常に本は持ち歩いています:) これはカナダでの生活から学んだことです。
またマイソールのシャラでは、待つことも練習だと教えられています。)

早くしないと終わらないから
>そもそもそれらは全部絶対にやる必要のあることなのだろうか?

時間が無駄になる、タイムイズマネーだから?
>たくさんのことを急いでできれば、金額が増えるのだろうか?

中には健康に関わることとか、手続き上のルールで急がなくてはならない緊急事態はあります。
ただ日常の中で無意識に急いでいることに意識的になって、「なぜ急ぐ必要があるのか?」を問うことには価値があるのではと私は考えています。

健康的で健全なスピード感で生きる

マインドフルネスな在り方は、必ずしもヨガや座禅をしなくても、普段の生き方で実践ができると改めて感じます。
いつもただゆっくり動けばいいというわけではありません。
家の断捨離と同じで、自分の生活ルーティーンを、健全なスピードで取り入れられる内容に整理整頓することは大事だなと感じます。
人それぞれ健康的なペースで、今この瞬間に意識的・自律的に存在することができたのなら、より豊かに生きる時間を重ねられそうですね。

今日もご自身のペースで、気持ちのいい1日をお過ごしください!


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※こちらの記事はVeda Tokyoを通して2024/1/7に配信されたエッセイ(タイトル: Free Breathing with Sound vol.12 インドで得た問いかけ)です。

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