マガジンのカバー画像

ヨガと日々の暮らしの気づきのエッセイ

20
バンクーバーでのヨガの学びや生活、文化などに触れ、感じたこと、気づきなどをお届けします。呼吸をするようにあるがままの自然な気持ちを綴っていきます。
運営しているクリエイター

記事一覧

理由なく心が沈んでしまったときの対処法

日本は暑い暑い夏ですね。危険な程の暑さの野外と、上着が必要な程の寒い室内との寒暖差で、なんだか調子が悪いという方も多くいらっしゃると思います。 この時期多く寄せられる、「理由は特にないのだけど、急に気分が落ち込んだり、一瞬不安に襲われて嫌な感覚を味わうことがあります」というご相談について少し考えてみました。 ストレスがあることは大前提仕事、人間関係、家族やお金のことなど私たちは数多くのストレス要因に囲まれています。思い当たる理由があることだけがストレスになるわけではありませ

アシュタンガヨガ10DAYS集中講座を開催します!

「アシュタンガヨガをもっと勉強したい」 「ポーズの細かい解説を聞きたい」 「ハーフレッドクラスに参加できるようになりたい」 そんなお声にお応えして、”アシュタンガヨガ10DAYS集中講座”を開催することにいたしました。 アシュタンガヨガをもっと好きになっていただける10日間になれば嬉しいです。 ■アシュタンガヨガ10DAYS集中講座詳細講座の内容に含まれるもの ・講座のライブ参加10日分 ・全講座のアーカイブ動画(視聴期限なし) ・ハーフレッドクラスアーカイブ動画(視聴期

他の人が何を考えているのかなんて本当に分からない

悩みのタネとして最も多いと言っても過言ではない人間関係。 その中でも「あの人は私のことをこう思っているはず」とか「こんな態度を取られたから、きっとあの人は私のことを嫌いだろう」とか、他人の考えを推し量って悩んだことのある方も少なくないのではないでしょうか。 マットが臭くて帰っただけだったヨガを教え始めたばかりの頃、生徒さんが練習の途中に急に帰ってしまったことがありました。 私の頭の中で、グルグル思考が巡ります。 『すごい不満そうな顔して何も言わずに行っちゃった。絶対怒ってた

その「サイアク」は本当に最悪?

急須に茶葉を入れていて、少しこぼれてしまった時に咄嗟に「サイアク〜」と口から漏れたことがありました。 また別の日、履いていたサンダルのマジックテープが剥がれて、一瞬サンダルが脱げてしまった時も「サイアク〜」と頭の中で言っていたんですね。 いつもならあまり気にしないのですが、その時考えてしまったのです。これってそんなに”最も悪い”事態だろうか?と。 もし人生のこの瞬間を切り取って、タイトルがつくとしたら『最悪』なんだろうな。それって嫌だな、と思ったのです。 言葉は私たちの生き

自分の頑張りを低く見積もらない

Definitely don't underestimate all that you're going through. (あなたが今乗り越えようとしているすべての頑張りを低く見積もらないようにね) ヨガの師であり友人のFionaからもらった言葉にハッとしたことがありました。 「今まで経験したことと比べればなんともない。 みんなやっていること、自分だけ特別ではない。 やるべきことを淡々とやればいいだけ。」 引っ越しや新しい仕事が始まった時期に、とんでもなく忙しく過ごしな

仕事中の緊張した身体と心をゆるめるヒント

先日生徒さんから、ヨガの意識をマット外の日常生活の中にどのように取り入れられるか?と言うとても大事なご質問をいただきました。 日常生活、特に仕事場などのパブリックスペースで、 無駄な身体と心の力みを手放し、本来の自分の力を引き出す”気づき”の仕掛けを3つ紹介できればと思います。 ①カウント呼吸すでに深呼吸を取り入れていらっしゃるということですが、1つだけエッセンスを加えられるとしたら、心の中でカウントを取ることかなと思います。 鼻から5カウントで吸う、鼻もしくは口から8カ

どう頑張っても答えが出ない、そんなときに取り入れたい考え方

曖昧で、不確実で、想定外の事態が立て続き、疲労困憊。 こんな状況に身に覚えのある方、もしくは「今まさにそうだ」という方も、いらっしゃるかもしれませんね。 出ない答えを無理やり出しにいかない先日Negative Capability(ネガティブ・ケイパビリティ)という言葉に出会いました。詩人のジョン・キーツ氏(1795 - 1821)が、不確実なものや未解決のものを受容する能力を記述した言葉で、その後精神科医ウィルフレッド・ビオン氏により世に広められたのだそうです。 ネガテ

相手の機嫌に巻き込まれない人間関係のプラクティス

4月もあっという間に中旬になりましたね。新しい職場や学校、新しいスケジュールでの動き方に少しずつ慣れてきた頃でしょうか。真新しい環境に馴染むのに心も身体も頭もフル回転の方も多いかと思います。 新しい環境が苦手→人間関係に疲れてしまうから?!私自身も昔は、新しい環境も新しい人間関係も大の苦手でした。(今も多少そういう節はあります) まだよく知らない人の話に合わせようとしたり、粗相をして相手を不機嫌にさせてしまうのではないかと心配したり、頭の中は大忙し。 人間関係への気遣いだけ

いいことも悪いことも半分、半分

人と人が肩書きや立場や人種や言葉の違いなどいろんなこと全部を通り越して、ただ魂同士で繋がる瞬間がある。そこにはただ圧倒的な愛の渦があって、命が生き合うことをただただ祝福するようなエネルギーが流れる。それを腹の底から知ったのは、大学の時中国の奥地でボランティア活動をしていた時でした。 ヨガの修行のためインドに滞在している間、幸運なことにまたそんな出会いがありました。偶然にもそれはバレンタインズデーの2/14。めいさんに、大親友のご夫妻に花束を届けてほしいとお遣いをお願いしてい

私たちはなぜ急いでいるのだろう?

インドで得た問いかけ Why are you rushing? アシュタンガヨガ総本山のシャラ(スタジオ)のあるインドのマイソールに滞在して2週間。シャラート先生が繰り返し言う言葉で一番耳に残っているフレーズです。 Why are you rushing?(なぜ急いでいるんだ?) カウントと一緒に動くクラスで、先生のカウントより先に動いたり、自分の練習スポットに走ったり、待ち時間のときに「まだかな?」と立ち上がってみたりする練習生たちに、 「なぜ急いでいるんだ?」と、

ヨガを伝える仕事に導いてくれたもの

ヨガを伝える仕事に就かせていただくきっかけになった出来事について、今日はシェアができればと思っています。 大きな怪我を経験して カナダに来たばかりの頃、歩行中に車に轢かれるという交通事故に遭いました。顔面を骨折して、肩や膝も損傷する大きな事故でした。8年ほど経った今でも後遺症はあるのですが、アシュタンガヨガが体と心の回復に大きな手助けをしてくれたのです。 アシュタンガヨガには、2時間体を激しく動かして、”難しい”ポーズをとるもの、というイメージがある方もいらっしゃると思う

ヨガの練習は誰のもの?

ヨガの怪我は”いい”痛み? 先日イギリスからカナダに引っ越してきた生徒さんから相談を受けました。 週6回アシュタンガヨガのレッドクラス*を開催しているスタジオで、2年ほど練習を続けたら腰と足首に深刻な怪我を負ってしまったとのこと。 「身体が柔らかいから、(ポーズが取れると思われて)どんどんポーズ数が増えていって。ヨガは絶対に身体にいいことしかないから、痛くてもそれは”いい痛み”であって、受け入れるべきものだと思っていた。先生は私の身体にいいことしか言わないと思っていたから、

ヨガのダメな練習とは

ポーズが取れなくてイライラしたり、”完璧”なポーズをとっている人を見て劣等感を感じたり、思うように体が動かなくなったことで練習が嫌になってしまう方はいらっしゃいませんか? 私の練習はダメな練習? 先日生徒さんから、「私のBad Practice(ダメな練習)を受け入れてくれてありがとう」という話を受けたことがありました。 「なかなか昔のように体も動かないし、他の人たちのように美しくて完璧なポーズも取れないから所々モディファイ(アレンジ)した形だし、きっと周りはアシュタンガ

自分とおしゃべりする方法

前回のエッセイで自分との心との向き合い方のツールの一つとして、ガンダーラモニタリングシート(エクセル)を使っていたことを紹介させていただきました。 今回はもう少しカジュアルに取り入れられる、私が普段使いしている方法についてシェアしたいと思います。 How Are You? バンクーバーに移住して初めの頃、カフェやスーパーやあらゆるところで、”How are you?”と聞かれることに「えぇ〜見ず知らずの人が、私がどんな調子か聞いてくれるの?!」と感激した思い出があります