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企業広報バイブル #19 貴方のコミュニケーションマップ

🎵日米のリーディングカンパニーで企業広報を統括して気付けば28年。IT系、インターネット系、不動産、エンターテインメント企業、広告代理店、流通業界トップ企業広報アドバイザーまで色々。かなりの私見も交えて色々書いてみようと思い立ちました、、、🎵

仕事をしていると様々な人と関わり合う。そして、様々な人に支えられ、助けられて生きる。本当に人間は一人では生きていけないと痛感する。さて、今日は、ここら辺のお話。

特に広報という仕事は人と人の間に入り、情報という目には見えない大切なものを動かしていく仕事。自身だけの力ではどうしようもないことも多い。以前、記者さんとの会食では仕事、売り込みはしない、と書いたが、もっと大事な話があるのだ。お互いの周辺の人たちの話を良くする。仲良しの同期の記者さんはどの業界の担当をしているのか?可愛がってもらっている先輩記者さんは誰なのか?私の方は、今までのキャリアや関わってきた業界の事、今でも仲良くしている元同僚のこと、社長のキャリアや今でもお付き合いある方々、にも話に及ぶ。お互いそれぞれのコミュニケーションマップを持っているので確認作業。

それがいざという時にどんな力を発揮するのかをわかっているから。
一人の人間が知り合える人の数など、そんなに多くはない。記者さんや広報のように、他の人たちより様々な人に巡り会うことに時間を割く職種であってもだ。
でも、知りたい情報や知り合いたい人にたどり着くために、自分が直接知っている必要はないのだ。「あ、あの人が仲良しだって言っていたな。紹介してもらおう!」ということ。

以前、ある大手日系企業で大きな事件があった。そして、その会社の広報はメディアからの問い合わせ電話を一切、示し合わせたように取らなかった。勤務時間外であったため、デスクの電話は無理。いつもなら電話を受けてくれる広報部長の携帯も、、ずっと留守電である(情報収集と対応協議中、時間稼ぎ中だったはず)。

私は、「今週は忙しかったので飯でも奢るよ」という社長のお誘いを受け、表参道でイタリアンを食べていた。道々のタクシーの中でアイツの所、アンナことになって大変だな、などと話は出ていた。私の携帯が鳴った。「あれ?XX記者から」(私)「どした?今はウチの担当じゃないよなあ、どこの業界担当だっけ?あ、、」(社長)

「こんな時間にすいません。ご無沙汰しております。今、XX業界を担当しています。XXの件でどうしてもXX社の社長とお話したいんです。。広報は逃げまくっていて捕まりません。どこのメディアも捕まえられません。御社の社長、元同僚で今も非常に親しいお付き合いありますよね。万が一、お繋ぎいただけたらと思い、、あの、この時間から社長にご連絡してお願いいただくとか、可能でしょうか?」

ということである。「その弊社の社長、今、目の前でピザ食べてます。折り返しでいいですか?」

結論はどうなったかというと、社長からその会社社長の個人携帯へ連絡し、「逃げまくるのは印象悪いから、一度話はしないか?悪い奴じゃない。勝手に書いたりしないよ。」ということで、話がまとまった。

私は直ぐに記者さんに折り返し、「お話できないことが多いけど、一度お電話くださいとのことです。ご本人の許可がとれました、個人携帯の番号をお教えします」

あの人のコミュニケーションマップ、この人のコミュニケーションマップ、そして、私とあの人、この人はお友達。みーんな繋がってる、ということだ。
他の人のコミュニケーションマップも、たまに本人に会ってアップデートしつつ、私のコミュニケーションマップも、私を含めた皆さんのイザという時のために、メンテナンスとアップデートをかける、これが、とても重要なことである。



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