企業広報バイブル #14 広報に必要なスキルって

🎵日米のリーディングカンパニーで企業広報を統括して気付けば28年。IT系、インターネット系、不動産、エンターテインメント企業、広告代理店、流通業界トップ企業広報アドバイザーまで色々。かなりの私見も交えて色々書いてみようと思い立ちました、、、🎵

何年も広報をやっていると、あなたは広報が転職なのね、合っているのね、と言って頂いたりする。そうなのか、いや、他のことも興味あるけど、、たまたま、ここに引っかかって長年過ぎた、とも思ったりする。広報に必要なスキルはなんですか？と前向きな若者にすっごく真剣に直球で聞かれることも多い。

ううむ。「無口な人は向かないよね」とか、「明るく社交的な人が向いているよね」とか言われる。が、必要スキルって実はあってないものだと思う。
記者さんだって無口な人もいるし、暗い性格の人もいます。。。いる、、

「おしゃれな人がいいですよね」、ううむ。でも、広報って実は縁の下の力持ち的な仕事が多くて、表に立つのは社長です。社長に囲み取材でカメラとマイクが向けられている時、地べたを這いつくばる感じで足元にしゃがんで（カメラに引っかからないように）必死にメモを取っていたりします。大昔、白Tにジーンズの社長より目立つ真っ白なスーツでロングヘア靡かせて登場していた広報さんもいましたが（爆笑）。

だいたい、意図せず、会社の企業秘密に触れることも多い仕事。発表前の情報なんて、ジャンジャン入ってくる仕事。お喋りで口が軽いのは困りもの。いるらしい、秘密を抱えると黙ってはいられない性格の人。そりゃ困る。

誠実な人であれば、誰でも向いていると思う。
会社の最後の砦的な時もあるから、正義感と誠実さで乗り切れる仕事だと思います。ファイナンスやリーガルのような特殊知識は必要ないし、真摯に学び、人の話が聞けて、と一般的な「良い人」なら、バッチリです！素直さがあればなお良しかな。

意外と強くなきゃやってられない時だってあります。意図しない記事が出た時、誰だって会社に行くの嫌ですし。社長には呼び出されてお小言言われるし、社内を歩いていても、関係部署の知らない人にまで口々に「あんな記事がでちゃってさあ、困っちゃうよ、本当に！」とメチャクチャ迷惑な顔を向けられる時だってある。泣かれたり、、だってある。
いやあ、そんな時は広報だって困ってます！！

特殊能力は必要ないのですが、往々にして、人と人の間に入り調整事項が多い仕事。神経質で、落ち込みやすい人は辛いかもしれない。よって、広報の職業病は胃潰瘍とうつ病なんて酷いことを言った人もいました。チョクチョク、胃が痛むシーンも多いのは確かです。話したことを誤解されたり、こっちの気持ちが理解されなかったり、おかしいな、と思うと相手の’保身’という厄介なことでぐちゃぐちゃにされることもある。

気にせず、といっても無理だとは思いますが、ぱーっとお酒でも飲んで忘れましょ、美味しいものでも頬張ってリセットしましょ、世の中思い通りになんてならないのが通常運転ですから。広報だけじゃないから。

よく部下に言ってました。思う存分愚痴は聞くから、明日はリセットしようよ、と。「部長みたいに幸せな性格じゃありませんよーーーー」と言われたけど（ショック）。

なんですか、取り止めなくなってきましたが、要は、広報に必要スキル、なんてありません！どの職種でもそうだと思いますが、仕事が楽しめたら、好きな瞬間があったら、それは貴方の天職かもしれない。向く向かないは自身が決めることだと思います。ファイトです！人生！