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世界を観察する

月一回、オンラインのデッサン教室に参加している。

実は子供の頃から絵を描くことが好きで、チラシの裏側が白いやつを見つけてはよく絵を描いていたし、学校の図工の時間も好きだった。

しかし、褒められたいとか上手く描きたいとか、余計なことを考えるようになって、いつしか絵を描くことが楽しくなくなってしまった。

最近になってレッスンを受けようと思ったきっかけは、単に絵が上手になりたいというわけではなく、趣味でやってる刺繍のためだった。
デッサンの基礎を学べば、刺繍の図案の幅も広がるかなと思ったのだ。

今は忙しくて、あまり刺繍をする時間がなくて残念なのだが、デッサンのレッスンは楽しくて続けている。

上手い下手は抜きで、描くことが純粋に楽しいと思えたのは小学生以来かもしれない。


「よく描こうとするのではなく
よく見ようとする姿勢が大事です。」

絵の先生が言ったこの言葉がとても
印象に残っている。

絵とは世界を捉える行為であり、
目で見て観察し、形をつかむ行為。

普段、何気なく見ているものも、
よく見ると、沢山の発見がある。
例えば、りんごなら、一口に赤色といっても
濃淡があるし、白い部分もある。
形も完全な丸ではなく
ちょっとひしゃげていたり傾いていたりする。


さまざまなモチーフを描くうちに
いかに自分が先入観に囚われて
世界を観ていたか
を思い知った。

これは絵に限ったことではなくて、
人との関わりも同じだと思う。

相手を大して知りもしないのに、
思い込みを持ってしまう。

特に現代はSNSの発達によって
他人の生活の華やかな所ばかり見せられる。

それはその人の全てではないのに、
その人も悩んだり苦しんだりしているのに、
いつも楽しそうに見えてしまう。

それは
りんごの赤い部分ばかり見てるのと
同じなのかもしれない。



りんごの影までちゃんと観察し、
りんごの味をちゃんと想像できる。
そんな人間になりたいと思う。

絵がわたしに教えてくれたことだ。

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