中西沙織

愛知県在住フリーランスの編集者・ライター。野山に出ること、コーヒーを淹れること、おいし…

中西沙織

愛知県在住フリーランスの編集者・ライター。野山に出ること、コーヒーを淹れること、おいしいものを想像することが好きです。

マガジン

  • 日本ミツバチ

    日本ミツバチの養蜂について勉強中です。巣箱を置かせてもらえる場所(愛知県豊川市近辺を希望)を絶賛募集中!

  • 野あそび隊がゆく!

    自然の中で遊び、ごはんを作って食べる。 我が家の週末のお楽しみ「野あそび」を、エッセイにしました。 野あそびを始めたきっかけ、川遊びやお手軽バーナー料理など我が家流の楽しみ方、トホホな失敗エピソードも。 最近、外で遊んでないな、という人。 アウトドアには憧れるけど、なかなか行けないんだよね、という人。 読めばあなたも、野あそび隊のメンバーです。

  • ほとりプレス

    「ほとりworks」制作のリトルプレスより。 「自然が身近にある暮らし」をテーマに、取材・執筆した文章をまとめました。 移ろう季節の中で、自然とともに歩み、暮らしを営む。 そんな“ほとり”に生きる人々の日常を描きます。

最近の記事

二ホンミツバチの養蜂見学(愛知県新城市)

養蜂場を見学させてもらえるということで、愛知県新城市の中村さんを訪ねたのは6月の終わり。20年ほど前、名古屋の友人から分けてもらった二ホンミツバチを新城の自宅へ大切に持ち帰り、飼育し続けているという養蜂名人だ。 本業は製材所を営まれており、材料調達や巣箱づくりはお手のもの。東三河各地には、中村さんを「養蜂の師匠」と慕うお弟子さんが何人もおり、以前は巣箱づくりのワークショップも開催していたそう。 敷地内を案内してもらうと、倉庫脇、庭の一角、通路の途中などに巣箱が点々と設置さ

    • 二ホンミツバチの未知なる世界にときめいた

      二ホンミツバチは日本在来の野生種。これは夫婦で沼りそうな予感…? 「かわいくて、ずっと見てられる」―趣味で二ホンミツバチの養蜂を始めたその人は、巣箱にライブカメラを設置し、ミツバチを眺めるのが癒しの時間。さらに「二ホンミツバチの蜂蜜は貴重だから、売ればちょっとしたお小遣いにもなるよ」とも。 そういえば、前々からうちの夫(環境学習講師)も「二ホンミツバチを飼ってみたい」と言っていたっけ。 ライターの仕事で、セイヨウミツバチの養蜂は過去に何度か取材したことがあるけれど、野生種

      • 夫が突然、庭に池を掘り始めました

        田んぼに水が引かれるころになると、夫と息子がそわそわし始める。 「夕方から、雨が降りそうだよ」 「晩ごはん食べたら、行ってみるか」 わざわざ雨の夜を見計らって、何の相談かといえば、カエル探しである。水生生物、なかでも無類のカエル好きな二人にとって、もはや恒例行事だ。 小雨の中、草むらをかき分け、カエル探しに夢中の息子と娘。 この季節、田んぼで見つかるのは、おなじみのアマガエルや、今や純絶滅危惧種に指定されているトノサマガエル、きれいな緑色のシュレーゲルアオガエル、イボイボ

        • 野草たちの息づかいが聞こえる 善師野の庭 -後編-

          「”雑草”と呼ばれる、庭や道ばたの草花だって、 一つひとつにちゃんと物語がある」。 愛知県犬山市の善師野(ぜんじの)に暮らす半谷 美野子(はんや みやこ)さんは、そんな野草に魅せられた一人です。 イタドリジャムにスギナ塩、薬草で仕込む常備薬など、 季節の野草を取り入れた暮らしを訪ねました。 テーブルに並べられたのは、爽やかなカキドオシとレモンのハーブティーに、甘酸っぱいクズの花の酵素ジュース、抹茶のような風味のスギナ塩パウダー、和ハーブバター&べジクリームチーズ。仕上げに、

        二ホンミツバチの養蜂見学(愛知県新城市)

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        • 日本ミツバチ
          2本
        • 野あそび隊がゆく!
          5本
        • ほとりプレス
          3本

        記事

          野草たちの息づかいが聞こえる 善師野の庭 -前編-

          「”雑草”と呼ばれる、庭や道ばたの草花だって、 一つひとつにちゃんと物語がある」。 愛知県犬山市の善師野(ぜんじの)に暮らす半谷 美野子(はんや みやこ)さんは、そんな野草に魅せられた一人です。 イタドリジャムにスギナ塩、薬草で仕込む常備薬など、 季節の野草を取り入れた暮らしを訪ねました。 草を食べるという行為には、人間の本能を目覚めさせる力があるのかもしれない。 足元にじっくりと目を凝らし、柔らかな若葉の感触を確かめ、香りを嗅ぎ、摘み取り、味わう。生きるための営みにおいて

          野草たちの息づかいが聞こえる 善師野の庭 -前編-

          野草摘みは一日にしてならず

          春はとにかく忙しい。 近所の土手に、つくしがぴょこんと顔を出せば、よもぎ、イタドリ、ユキノシタ……。次々出てくる、おいしい野草たち。やわらかな若芽の時期はほんのひととき。うかうかしてはいられない。 タラの芽やフキノトウといった、本格的な山菜となるとハードルが高いけれど、身近な草花にも、食用できるものは意外に多い。目に留まった植物を図鑑で調べ、何年か観察を続けるうち「そろそろあの場所に出そうだな」というのが、おぼろげに把握できるようになった。 よもぎ入りの蒸しパン。ふかふ

          野草摘みは一日にしてならず

          おいしい妄想もふくらむ。「自分だけの秘密基地」を見つけよう

          出かける前の準備が楽しいのは、いくつになっても変わらない。 週末の冒険に向け、子どもが寝静まると、毎晩リビングから物音が聞こえるようになった。見ると、例のスタンレーのランチボックスとともに、コーヒードリッパー、キャンプ用のマグカップなどが、テーブルに所狭しと並んでいる。パッキング好きの夫が、ああでもない、こうでもないと、何度も荷物を詰め変えてはシミュレーションしているのだ。 私はというと、おいしいと評判のレトルトカレーや、コーヒー豆を買い込んだ。キッチンからは、アウトドア

          おいしい妄想もふくらむ。「自分だけの秘密基地」を見つけよう

          冒険のはじまり -憧れのワンバーナーは、冬眠夫の目覚めとともに-

          「新しい趣味を発表します」 夕飯どき、夫がひょんなことを口にした。 「景色のいい場所にドライブして、コーヒーでも淹れてみようかと……」「いいねぇ! バーナーでお湯沸かしてさ。子どもはココアとホットミルク。ついでにカレー温めてごはんも食べちゃおうっ」 言い終わらないうちに、私は前のめりで提案に乗っかった。“ワンバーナーで淹れるコーヒー”というものに、ひそかに憧れていたのだ。 ワンバーナーは夫が長年愛用しているが、普段ファミリーキャンプで使うのはツーバーナー。私自身、ワンバ

          冒険のはじまり -憧れのワンバーナーは、冬眠夫の目覚めとともに-

          初夏の実りを待ちわびて。母の梅シロップ

          梅の木が、今年も実をつけ始めました。 わが家の庭づくりは、今の場所に引っ越してから始めたので、年数にしたら5年ほど。まだまだ発展途上です。 唯一、住み始める前からあったのが、この梅の木。実ものは「なり年」「裏年」が交互にやってくる、なんてよく言いますよね。本当に、驚くほどたくさん実をつけたり、さっぱりだったり、気まぐれです。 冬が終わる頃、庭にぽつぽつと咲き始めた花を眺めては「今年の実はどうかねぇ」という会話が、もはや家族の恒例となっています。 梅の木の向こう側には、

          初夏の実りを待ちわびて。母の梅シロップ

          夜の森、秘められた誘惑

          森に一瞬、甘い香りが立ちこめた。 その主は、テイカカズラという。 木々や岩をよじ登るつる性の植物で、毒を持つ。 初夏に咲く花は、夜が近づくにつれ、強く匂いを放ち 白い花びらが、仄かに発光して見える。 暗闇に舞う蛾を、誘い寄せるためのものだ。 したたかで、どこか秘密めいた野生の姿は むせるような甘さとともに、いつまでも心を捉えた。 Photo こんどうみか 「ほとりプレスvol.1 -ほとりの景色-」より

          夜の森、秘められた誘惑

          思い立ったらすぐできる、週末の小さな冒険「野あそび隊がゆく!」

          雑木林の空き地、水遊びにもってこいの河原、穏やかな湖のほとり。 お気に入りの椅子を置けば、そこは自分だけの秘密基地。 遊んでおなかがすいたら、バーナーでごはんを温め、おやつにはコーヒーを淹れる。いつもの読書や昼寝だって、ここでは少し特別になる。 思い立ったら週末すぐ行ける、わが家の小さな冒険を「野あそび」と名づけました。 車のトランクに、バーナーと食料、タモ、虫かご、読みかけの本を詰め込んで、まだ見ぬ野・山・川へいざ出発! 【夫】ファミリーキャンプ、ボーイスカウト、

          思い立ったらすぐできる、週末の小さな冒険「野あそび隊がゆく!」

          編集者・ライターとして「今までと、これから」

          はじめまして、中西沙織と申します。愛知県豊川市で編集者・ライターをしています。街のトレンドを懸命に追いかけていた頃が嘘のように、もっぱら野山で見つける野いちごや山菜にときめく日々です。「自然が身近にある、この町とともに暮らしていきたい」との思いから、ローカル事業のブランディングや広告制作を行う「ほとりworks」を運営しています。 家庭では、カエルのために庭に池を掘る夫(環境学習講師)、チーズをこよなく愛する娘(双子・姉)、父をガサガサの師とあおぐ息子(双子・弟)の4人暮ら

          編集者・ライターとして「今までと、これから」