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大好きなあの人は今日もまた旅にでる。

1年めいっぱい働いて旅にでる。

世界は広いし知らない景色はたくさんある。
人生に幕を引くまでに見ておきたいんだ。

それが彼の口癖。

急に行き先を変更したくなったら資金調達のため途中3か月帰国して、
高収入の仕事を淡々とこなしてまたどこかに消えてゆく。


数年前、忘れられない思い出があるような話を聞いたとこがある。
たしか虚無感を覚えるほどの別れ。

一緒にいるときに目が合うとジッとこちらを見て微笑むけど、私の瞳の奥の奥を無関心そうに眺めているだけなような気がした。

見つめ合ったまま2秒間の沈黙。
腕を伸ばし中指で彼の前髪に触れると彼はハッとしたように小さく身をそらす。

思い出したかのように「びっくりした」ってつぶやきながら抱き寄せる。

「一緒にいると落ち着く」
「そうだね」

彼の鼻先が私の鼻先をかすめくちびるを重ねた。


「おやすみ、またね」

「うん、おやすみ。また」

「あ、出発前にまた連絡ちょうだい」

「わかった」


そのやり取りから1週間後に届いたLINE。

「今、バリの奥地にある村にいる」
笑顔で小舟にのってピースしてる写真も添付されてきた。



2018年のとある日のできごと。




こんにちは。ご覧いただき本当にありがとうございます。口からの言葉より思考して書いては消してをしながらも本当に伝えたい言葉を表現したいなって思っている女です。もしご興味がでたらサポートお願い致します!今後のnote執筆やセラピスト活動に役立たせていただきます。