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読書録『子育ては"科学の知恵"でラクになる』

「ママは悪くない! 子育ては"科学の知恵"でラクになる」という本(漫画)を読みました。

Kindle Unlimitedで読めるので気軽に読み始めたのですが、これが勉強になる内容でしたので、知ったおかげで心が楽になった内容をシェアしていきたいと思います。

NHKスペシャルで取材した内容をまとめた本で、登場する専門家が霊長類研究所の教授だったり、獣医学部の教授だったりと、
その時点でスケールの大きい話が出てきそうで面白そう!という感じです。

①子育てママは、エストロゲンの影響で孤独を感じやすい

エストロゲンは女性の卵巣の中で分泌される物質で、妊娠中に分泌量がどんどん増えていきます。
が、出産すると急激に減少します。
すると、脳の神経細胞の働き方が変わり、強い不安や孤独を感じやすくなるのです。(p.24)

家で子どもと二人きりだと、誰とも会話できなくて辛いと聞いたことがあるので、それで孤独を感じるのかと思っていたのですが、

そもそもホルモンの働きで孤独を感じやすいとは知らなくて驚きました。

私は元々一人の時間が好きなので、家で誰とも話せなくても大丈夫じゃない?と思っていたのですが、
この話を知って、意識的に人と話す機会を作るようにしています。

落ち込んでからだとむしろ人に声をかけられなくなるタイプなので、予防を意識しました。

コロナの影響もあってオンラインで話すことが主流になったので、子育てのように外に出づらい状況でも友達に声をかけやすいです。

②人間は周りと共同で養育するようになっている

ホルモンの影響で孤独を感じることから繋がりますが、人間は周りを頼って共同で養育するようにできているそうです。

本書では、薪を拾ってくる間に乳児を預かったり、他の子にお乳をあげたりする、アフリカのバカ族の生活スタイルが紹介されていました。

乳母という存在の認識はあるものの、他の人のお乳をもらうっていうのはなかなか斬新に感じて、
それだけ、自分の思い込みが強いことが自覚されます。

生まれて間もないわが子を他人に任せるのは動物の中でも人間だけ。
仲間と共同で養育するという、独自の子育て術を編み出したことで、人間は次々と子どもを産み、育てられるようになったと考えられるのです。(p.29)

今も母親たちの体には共同養育の本能が刷り込まれているけど、核家族率が8割にも上る現代の日本は、程遠い育児環境にあるとのこと。

本能レベルで、一人で育てるようにできていないのだから、周りをどんどん頼りましょう、と本に書いてあり、励まされました。

私も核家族かつ両親はどちらも遠方なので、共同で養育することからは程遠い育児環境。

頼れる存在が住む地域にいることを認識するために、子どもセンターに行ったり、産後ケアなどの仕組みを頼ったりしています。

今後も自分だけで育児を背負わないことを意識して、
ファミサポやベビーシッターを利用したり、合同で面倒を見れる友達関係を作ったりしていこうと思っています。

ちなみに共同で養育することで、育児を経験していない人も育児に触れることになり、それがやがて母になる大切な準備になっているそう。

子育てって大変そう・・・と思うだけでなく、どう大変なのか、これなら大変だけどやれそう、など理解が深まることは、非常に重要ですよね。

③オキシトシンには愛情を深める作用があるけれども、攻撃性が高まる作用もある

オキシトシンは脳下垂体から分泌されて、出産時に子宮を収縮させて出産を促したり、産後の授乳時に乳腺を収縮させてお乳を出します。
脳にも直接働きかけて、わが子やパートナーへの愛情を深める働きがあります。(中略)
オキシトシンには愛情を深めるだけではなく、同時に母親の攻撃性も高める作用もあったのです。(p.92~94)

オキシトシンにより、他の人を敵とみなすようになる件は私の大好きな育児記録本『パパは脳研究者』にも書いてあり、出産前から気をつけようと思っていました。

(気をつけるといっても、気をつけても攻撃性が高まってしまうのは仕方ないので、仕方ないと思うように気をつける、という意味)

授乳中オキシトシンが出るので、授乳しながら夫と話していてイラっときたときは、「疲れたからちょっと授乳に集中する」と言って会話をやめるようにしたり、
授乳後に別室に移動して10分くらい横たわったりして、鎮めるようにしています。

複数人育児されている場合だとこんな余裕ないんだろうな・・・と思いながらも、もし余裕ある方がいたら是非試してみてください。

あと授乳中に宅配が来るのが嫌で仕方がなくて、そんな自分が嫌だな・・・と自己嫌悪に陥っていたのですが、
それもオキシトシンの作用で、宅配が敵と認定されていらだつのかも。と思うと、仕方ないのかーとわかり、自分を許せるようになりました。

➃男女では泣き声に対する耐性が違う

父親に育児の意欲はあっても、反応速度や気づく細やかさが違うので、結局母親が世話してしまう・・・そしてそれが不満・・・というのは結構聞く話かと思います。

けれど男女で反応が違うのは仕方ないことで、男性よりも女性の方が、子どもの泣き声を聴いたときの脳の反応が強いそうです。

子どもの泣き声に対するお父さんとお母さんの反応が違うということは、自然なこと。
母親の方が、どうしても子どもの声に対する反応が速いので、母親は、その反応の速さと反応の仕方をお父さんにも求めてしまう。
でも、お父さんにはそれが出来ないので、それが母親のイライラの原因になってしまうことがあると考えられる。(p.126)

我が家でも、「こんな泣き声の中よく寝れるなぁ」とか、「こんなに泣いてるのによく家事続けられるなぁ」と思ったりもするのですが、

そもそものつくりが違うんだ、と思うと理解できるようになります。

私は泣き声が「気になってしまう」、夫は「気にならない」という特性をお互い理解した上で

「私は気になるから抱っこお願い」と言ったり、
休みたいときは私が別の部屋に行って音楽を聞いたりして、泣き声が気にならない環境に移るようにしています。


以上です。


科学的な理解が進むことで
「こう思ってしまう私がいけないんだ」とか「気の持ちようで乗り切らないと」と思うのは止めて、

人間のつくりとして仕方ないことだから、理解した上で対処する」と思えるようになります。

気持ちが楽になるので、気になった方は是非読んでみてください。

ありがとうございました!

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