見出し画像

ケアされている自分を感じること。〜マドレボニータのオンライン産後セルフケア教室に参加して Vol.1〜

産後ケア。
頭では大切さをわかっているつもりだったのに、今自分が産後真っ只中にいるのに、自分がケアされるべき存在だという認識が薄かったことに驚く。今回は、このことに気づけただけでも大収穫だ。

マドレボニータのオンライン産後セルフケア教室への参加を決めた。
マドレボニータとは、スペイン語で「美しい母」。母となった女性が産後の養生やリハビリをして、本来持っている力を発揮できるよう身体と心のケアに取り組むNPO法人だ。鳥取にはマドレの産後ケア教室がないので、今回オンラインで受講できるということで飛びついた。

早速、第1回目のクラスに参加した。インストラクターのかおりんと、参加者7名。このメンバーとこれから1ヶ月の間、週1回zoomで75分間一緒に過ごす。参加者は妊婦さんが1人、あとは産後2〜6ヶ月の方で、初産婦と経産婦は半々。北海道から東京、愛知、鳥取…と日本各地の妊産褥婦さんと同じ時間を共有できる。

かおりんの進行のもと、肩・首・足とストレッチをしながら自己紹介をしていく。初回なのでストレッチも軽めとのことだが、身体の硬い私はグウと声が出る。1時間弱のストレッチと筋トレが終わる頃には、ストーブも切るほどポッポと顔がほてっていた。

いざ自分が出産を経験し、産後の身体の融通のきかなさを実感している。夜、添い乳をしながら変な体勢で寝てしまうせいか、2週間前から首が痛い。運転中、車線変更すると顔がゆがむほど、肩も首もバキバキで重だるい。そんな身体が、心地よく伸びていく。一人だとなかなかストレッチも続かないので、敢えてこういう時間を作る大事さを感じる。また、画面上に自分の姿が映るので、自分の姿勢や表情が見られるのもいい。ストレッチしながら全国のコロナや雪の様子をリアルタイムに聞けるのも楽しかった。

途中で、3ヶ月の我が子がギャンギャン泣き出した。恐れていた事態。でも、オンラインだからミュートにできホッとする。泣き声でかおりんの声さえ聞こえないので、見様見真似でストレッチを続けたが、集中力は散漫だった。そして、人前で子どもがギャン泣きすると「なんとか泣き止ませねば」と焦ってしまう自分に気づく。その点オンラインは気楽でいいが、リアルな場だったらこういう場面でかおりんはどういう声かけをしてくれたのかなと少し気になった。

そして、最後は対話の時間。今回は「私にとってのセルフケアとは」というテーマで2人組になって話す。その中で、ペアの方が

「自分のためにお茶を入れて、お皿にのせた良いおやつを味わって食べること。普段は、3歳の上の子に見つからないように、台所で立ったまま隠れて食べることが多いから」

と言っていて、とても驚いた。そして、そういう一見些細に感じることもセルフケアなのだと気づく。

では私は? と考える。
夜子どもをお風呂に入れた後の時間が、いつも戦場だ。髪も顔も何もつけずに授乳して寝かせているうちに自分もうとうとしてしまい、夜中に冷え切った身体と冷たい髪の毛、カサカサの肌にげんなりする日が続いた。だから、風呂上りにすぐ顔にパックをすることにした。パックしながら授乳をすれば肌に化粧水が浸透していくのを感じてホッとする。翌日、もちっとした頬に触れる度、ちょっと嬉しくなる。あまり意識していなかったけれど、これこそセルフケアなのかもしれない。

首が痛いから、ストレッチをやらなければ。肌も、カサカサだからなんとかせねば。そんな風に目の前のことに対応する自分はいたけれど、そういうことが、自分をケアしていることだと認識していなかった。そして、自分が今まさにケアされ得るべき産後真っ只中にいるという事実さえ忘れていた。

産後ケアって、ケアしている・されている自分を感じることが第一歩なのかなと思った。来週の第2回目が楽しみだ。


この記事が参加している募集