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草食む瞑想

新年度で皆が少し新鮮な日を迎えているようだが、私の生活は変わらず普通の日だ。子どもが生まれてから、月出生日が私の中で大きなウェイトを占めている。そこを境に、レベルが1つアップして(ファンファーレ)、育児が次のステージに進む。今5ヶ月で、もうすぐ6ヶ月。1ヶ月でこの時期の子どもはものすごく変わる。

今日は朝ゴミを捨てた足で、子どもと一緒に少しだけ散歩した。最近、心が落ち着かず、すぐにイライラしたり悲しくなったりして感情をうまくコントロールできない。産後のホルモンの影響もまだあるのだろうか。マインドフルになる時間を作った方が良いと夫に言われたのを思い出し、草の上に座る。子どもも、最近覚えたお座りで草の上に座らせてみる。今日はあまりお気に入りでない服を着せているので、汚れてもいいか。そんな算段をしてから、子どもと二人お尻で草を踏む。草のひんやりした感触をズボン越しに感じる。

目を瞑る。風が右から左へ肌を触っていく。皮膚に日差しがあたりぼんやり暖かい。夏の刺すような日差しと違い、遠慮がちに遠くから光だけ当てるような優しい日差しだ。草の匂いがする。ふと目を開けると、子どもは一生懸命草を掴んでいる。そしてその草を口へ。口角のあたりに、すでに少し黒ずんだ草が少し付いている。慌てて口から草を離し、付着した草も手で除ける。この子は、清潔かどうかとか、服が汚れるとか、そういうことは全く考えていない。目の前にあるものを一心不乱に掴み、口に入れたり手で遊んだり握り潰したりしている。スーパーマインドフルだ。

子育て支援センターに行く理由ってなんだろうと誰かに聞いたら、子どもが動き出したらおもちゃとか欲しがるから、と答えていた。なるほどなと思ったけれど、この自然こそ最高のおもちゃなではないかなと思った。私にとっては同じに見えるこの緑の野草たち、野花たちを、存分に遊び相手にして戯れたらいい。

まだ肌寒いが、日向ぼっこに良い季節になってきた。こんなに気持ちの良い季節は本当に一瞬だ。愛おしいほど、五感で感じたい。寒くて暗くて冷たい冬がようやく終わり、初めての春。