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ロールモデルは本の中

先日、書店に行った時にふと思った
「たまには自分の興味優先で本を選んでみようかな」

というのもここ数年の本を選ぶ基準は
「タメになりそう」「実践できそう」。
子育て、ライフハック、コーチング、ウェルビーイング、チームビルディングなどなど。
カタカナ多い!(笑)

もちろんそれも自分で選んだものだし、読んで参考になってる。
でも、損得ではなく直感で興味を持った本を感覚的に選ぼうと、この日はふとそういう気になったのでした。

書店を2周ほどして手に取った本は林真理子さんの新書。
ここ数年の林真理子さんの近況報告エッセイでした。
その日からちょこちょこ読み進めている。

エッセイ大好き女子だった私

私は子どもの頃から「趣味 読書」
絵本に始まり、物語、漫画、小説といつでもなにかしら本を読んでいる子どもでした。

そんな私が特に活字の面白さにハマったのがさくらももこさんのエッセイ。
ちびまる子ちゃんはアニメから始まり、初めて買った漫画本もまるちゃん。その作者の本だから絶対面白い!という子供なりの確信があり、そもそも当時さくらももこさんのエッセイはめちゃくちゃ流行っていたのだが、とにかく読み漁って新刊が出れば母と書店に行って買って読んだ。

「もものかんづめ」「たいのおかしら」「さるのこしかけ」はタイトルから物体としての桃缶や鯛や猿は連想するけど、何が書いてあるのか全く想像できない、そのシュールさと言うか、不思議なのに不気味じゃない。
読者に本を手に取らせてしまうさくらももこさんのセンスにびっくりした。「あのころ」「まるこだった」「ももこの話」はちびまる子ちゃんのアナザーストーリー的で、ファン心をくすぐられた。
「そういうふうにできている」はさくらさん自身の妊娠・出産のお話で、特に妊娠中の便秘の話はいつまでも忘れられず、自分の妊娠期にももう一度買って読んだほど。

エッセイの良さは、筆者が自分の想いや考えをあけっぴろげに書いてくれることだと思う。
物語やハウツー本に比べると内面的。気楽に書いている感じがする。
日記に近いけど、読み手は確実に意識している。
そうすると、誰かに向けた手紙なのかもしれない。
(まさに 私が今書こうとしているnoteと一緒だ。)

人に興味はあるけれど内省的でコミュニケーション下手な10代の私にはエッセイがひっそりと私に送られた手紙のようで、読む時間がたまらなく楽しかった。

野心家に憧れた20代

20代になり、会社員になった私がハマったのは林真理子さんや勝間和代さん。

林真理子さんは小説よりもエッセイをよく読んだ。
「野心のすすめ」を読んだ時には林さんの体験を語りながら「こうやって這い上がっていくのよ」という生き様を見せつけられたようだった。
当時、林さんの出身地である山梨県に住んでいたので親近感も沸いた。

勝間和代さんは経済学者のイメージが強かったけれど、家事の時短術の本も出し始めた頃で自分の生活と直結することも多く参考にしていた。
本で教えてくれるのはハウツー・テクニックなのだけど、その土台となる勝間さんの思考がユニークで、時に極端に感じる事もあるけど書籍でも自由に勝間節を展開している様子が清々しくて魅了された。

ふたりとも、まだ男性が権力を持つ社会で、自分の意思を明確に持って女性としての生き方を切り開いてきた人たち。という印象だった。
時には強烈すぎる言葉やキャラクターで嫌われることもあるけど、それでも目的に向かってグングン進んでいる。失敗したって這い上がる!
仕事でも成功するし、やりたい事もやる。結婚も出産も子育てもやってみせるわ!という欲張りな野心。
そんな姿がカッコよくて、社会人ひよっこの私はたまらなく魅了された。

年上の話を聞きたい

小さなころから年上の人と話すのが好きだった。
幼少期は年上のお姉ちゃんに無条件に可愛がって構ってもらえるのが嬉しかったし、学生になってからも2,3歳年上の先輩、自分より少し人生経験がある人の話を聞く事が好きだった。

臆病な私は、自分が新しい事を始める時、挑戦する時に不安でたまらない。
だからあらかじめ経験者の成功体験や失敗例を聞く事で備える事が出来る。安心。
そして、自分が経験した時に先輩から聞いた話と自分の体験を比較して分析するのも楽しかった。
(ストリングスファインダーでは収集心、内省、共感性、が上位なのも納得)

だけど、だんだんと社会人になると年上の話を気軽に聞く機会も減っていく。
年中無休、社員もシフト制で飲み会が少ない(予定しにくい)職種だったこともあるし、職場の先輩にも相談したり仕事の事は聞けるけれど、同じ仕事をしているからこそ聞きにくいこともある。話しにくいこともある。

だから私は本を読んでいた。
本の中では、人生の先輩たちがせきららに自分の体験や価値観をさらけ出してくれる。
筆者の体験した事のスケールは自分よりずっと大きいけれど、起点となる感情は一緒。
嬉しい、悔しい、楽しい、褒められたい、などなど。
めっちゃすごいあの人も、同じ人間なんだ。
当たり前の事なんだけど、それがわかるとじゃあ私も同じようにやってみよう、とチャレンジに繋がるのでした。

ロールモデルは本の中
身近にいないなら本で出会う。

読書は好きな時に好きな場所でできるし、飲み会より効率的じゃない?
と、お酒が得意ではない私は思ったりもするのでした。
(飲み会もならではの良さがあるけどね。)

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