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嵐の年越しキャンプで、2024が幕を開けた。

家族3人で年越しキャンプに行ってきた。
餅つきをして、年越し蕎麦を打ち、ピザを作って石窯で焼いた。この上ない非日常体験。昨年見た空で一番雲が濃いのではないかと思うほどの曇り空なのに、雨は降らないという不思議な天気だった。

餅つき
きなことあんこ
手打ちそば
牛タンピザ

夜になると、空の様子が変わった。いつも行くキャンプ場には、お客さんが集まって焚火を囲めるティピーバーがある。ソフトドリンクもお酒も飲めて、お菓子も食べれるティピーバーがコリスも大好きだ。他のお客さんやスタッフと話ながら、焚火で温まって寝るのが気持ちいい。

23時過ぎ、年越しまで粘りたいコリスを眠気と寒気が襲う。足元が寒いと言う。「テントで寝ようか」とふたりでテントへ向かう。

ホットカーペットを入れているがめちゃくちゃ寒い。寝袋を広げて肩からかぶる。コーンスープを飲んで温まって寝ようと、お湯を沸かしていれたばかりのスープを、「少し冷めるまで待つ」と言い残して、チェアに座ったコリスは寝てしまった。

寝床を作り、コリスを抱えて移動させる。寝床が底冷えしているので、私も一緒に布団に入ってコリスとひっつく。風と雨でテントが揺れる。竜巻来ないかな……と心配になるくらいの強風が吹き荒れる。雨が降っては止みを繰り返す。雨が降るとテントのなかは、大きな音がする。コリスは熟睡しているので、怖がらずにすんだ。

雨が止むのを待ってトイレに出た。ふっと夜空を見上げると満点の星空。オリオン座がくっきりと見えた。
「こんな嵐の日にも、星はきれいに光っているんだな」
あまりに激しい天気に、大変な時にキャンプに来てしまった……
と後悔しそうになったが、星空を見て希望が持てた。

しかも年越し、2023年最後の日。きれいな星を見ることができてよかった。
晴れやかな気分になった。

そして、事件は起きた。

ゴソゴソ、ブツクサ、ブツクサ。物音と人の声で目が覚めた。
夜中にティピーバーからテントに戻ってきた夫が、テントが風で吹っ飛ぶ、起きてこい、押さえろと言っている。

コリスと寝始めた時からずっと吹いている風、時々降る雨にびっくりした夫が慌てている。寝るな、起きろ、なにかしろ……と言ってくる。

今テントの外に出たら逆に危ない。またメガネが吹っ飛ぶではないか。
入り口を開けて外に出る方が危ないから、落ち着いて寝ようと伝える。
こんな時に寝れるもんか!と言う夫。
こんな時だからこそ寝よう!と言うわたし。

新年早々、真っ向対立……笑

この意見の不一致も多様性というのなら、悪くはないのではないか。ふたりで、どうしよどうしよ!となるのでもなく、ふたりで寝てよう!とやり過ごすのでもなく。

何度も「よくこんな時に寝れるな!」と起こしてくる。コリスも目を覚まし怖いと泣き出してしまったので、早くコリスと一緒に寝るためにも、「起きて来いコール」をおさめるしかない。

起きてテントの入り口の前にチェアを置いて座り、しばらくの間、強風で揺れるテントをじーっと見つめて過ごした。起きてきたことで気が済んだのか、ブツクサ言いながら横になった夫は、すぐに寝息を立てて寝た。
なんだ、寝れるじゃないか。

起きてなにかをして欲しかったのではなく、起きて現状を見てほしい、どれくらい怖いかという気持ちを共有したかったのだ。テントに寝転びながら、それはわかってる…と思っていたが、起きてその場に居ることが必要だった。

こんなにひどい新年の幕開けあるんだ……と、笑えるくらいにテントの外も中も嵐が吹きすさんでいた。

2024も順風満帆にはいかないようだ。
こうして書くことで、数時間前の嵐のような出来事を、やっと笑えるようになった。

ということで、今年もブツクサと書いていきたいと思います。


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