サッカーとコリスのこと
日曜日は娘コリスの2度目のサッカー大会だった。
去年6月に学校の校門前でサッカー教室のチラシをもらったところから、コリスとサッカーの物語は始まっている。
ついに一人でサッカーへ行くコリス
続くかな、辞めるかな、どうかな、と思いながら見守っていたら一年経っていた。
サッカー教室のグラウンドへの見送りの距離がだんだん短くなり、
先週はなんと、家から一人で行くのでついてこなくていいと言われた。
ついにこの日が来た。
寂しくて嬉しい気持ちと向き合いながら、
「いってらっしゃい、車に気をつけるんだよ」
と玄関でバイバイした。
こんな日が本当にやってくるんだな。
コリスを信じて夕飯でも作ろうと思ったが、コリスのリュックに入れた学校用のGPSから通知を追っていた。グラウンドに着いた通知を見てホッとした。
これからこんな日々が当たり前になっていくんだな。
こうして親から離れ、外の世界へ外の世界へと羽ばたいていくんだろう。
6月15日木曜日、コリスが一人でサッカーに行った日。
せっかくそんな日に立ち会えたから記しておこう。
サイヤ人のように働いている時の私なら、こんな日に気づけなかったかもしれない。いや、それでも気づいたと思う。一人っこのコリスの成長を心に焼きつけておきたい。
帰りは遅いし、もう夜だしお迎えに行った。
理由をつけてお迎えに行けることが嬉しかった。
コリスに一人でサッカーへ行ってみてどうだった?と聞いてみた。
「誰もいなくてこわかった。次は途中までママと行こうかな」
なんかちょっと嬉しかった。
コリス、サッカー大会へ出場する
日曜のサッカー大会に向けて、
土曜の朝、起きるとクッキーを作りたいとコリスが言った。
「え、なんで?」
サッカー大会に向けてなんでクッキーつくるの?疑問に思うままコリスに聞いた。
「みんなに配るから」
試合の合間にお腹が空いた時のために軽食を持参する。前回の試合時にはみんなお菓子を持ってきていた、小さなお菓子パーティーが催されていた。コリスはそれが楽しかったようだ。今回はみんなにクッキーをつくっていきたいと考えたのだ。
サッカー大会に向けてせっせとクッキーをつくる。
パンダクッキーのレシピを見てクッキーをつくる。
土曜朝、クッキーの生地をこねて冷蔵庫で寝かせるところまでやってようやくわたしの休日がはじまった。作業のほとんどをコリスが自分でやってくれたが、バターと砂糖をクリーム状に混ぜる作業ではバターが固いままでやったので、ミキサーでバターが壁に体に床にと飛び散り大変だった。
ちょっと出かけて、夕飯づくりと一緒にクッキーの形をつくりオーブンで焼いた。
クッキーが冷えたころ夜寝る前にチョコを溶かしてクッキーに顔を描く。
「もう22時過ぎてるよ、明日試合だよ、早く寝ようよ〜」
コリスに伝えるが、クッキーを仕上げるまでは寝れないと気合いが入っている。
明日はサッカー大会なのか、それともクッキーが大事な日なのか。
朝を迎えたが顔を書いたチョコが固まっていない。
日中の暑さの中ではチョコで書いた顔がベロベロに溶けて大変なことになるだろう。コリスはあっさりとサッカー大会にクッキーを持っていくことを諦めた。
ハハっ。潔い。
そしてサッカー大会。
チームが決勝トーナメントに進出し2位となった。
コリスはサッカーするときもピョーンピョーンと楽しそうに走っているように見える。激しい競り合いとかとは縁遠い。でも今回、競り合いの場面にちょっと足を踏み入れて転倒。膝っこぞうをすりむき、涙を流して保険の先生のところへ。
そのまま試合を見学…
このまま今日は棄権するのかと思ったが、一度私たちの元へ戻り痛かったと一通り泣いた後、また選手のテントへと戻っていった。
その後、コリスたちのチームは決勝トーナメントに上がり2試合に出場した。
結果は2位。決勝戦で負けた。
決勝ではボールや人からいつも距離をとっているコリスがこれまで見たこともないくらいの接近戦を見せてくれた。
その場面に感動した。
あとで聞くと人と当たるのが怖かったと言っていた。
コリスから、闘争心や点を入れたい、勝ちたい、負けたくないとか、そんな気持ちを感じないが、彼女は確実にチームの一員として役割を果たそうとしている。
ボールが動く方に走り、空いたスペースを見つけてそこに走り手をあげる。
試合でのキックは弱いしボールが跳ばないので、仲間からのパスは積極的にはもらえていないが、いつもいいところにいる。
いろんな想いを抱えて試合が終わった。
コリスもいろんな想いが生まれたんじゃないか。
コリスはサッカーが好きだという。
いろんな好きがあっていい。
いろんなサッカーの楽しみ方があっていい。
今晩コリスとサッカーの話をしよう。
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