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リテンションモデル時代における本当に必要なもの

近年、急激に拡がったサービスの形式と言えば、NetflixやAmazonプライムの様に月単位または年単位で定期的に料金を支払うサブスクリプション型のビジネスモデルです。

企業側の視点で説明をすると、これらは単一のコンテンツやサービスを売り切るのではなく、登録することによって利用し続けてもらうことに特徴があります。

サービスを利用し続けてもらうためには、定期的に顧客の利用価値を保ちながら日々アップデートを続けることが大切です。

このビジネスモデルは、横文字が並ぶデジタルに特有な形式に思われがちですが、「買ってもらったあともお客様を大切にし続ける」という意味においては、昔ながらの商売と何ら変わりのない本質的なサービスを提供し続けています。

現代社会はデジタルの力を利用することで、その本質的なサービスを漏れなく、そしてより効率よく、最大のスケールで提供できるようになったに過ぎません。

そして、このビジネスモデルは「リテンションモデル」とも呼ばれます。顧客をサービスに定着(retention)させ、顧客の生活になくてはならない存在になることを目指すのです。

僕も音楽を聴くときにはSpotifyを長年愛用しています。学生の頃はアナログレコードやCDを買い切って所有していましたが、友人のすすめでSpotifyを利用してみたところ楽曲の多さとUIの美しさに魅了され、かれこれ7~8年くらいプレミアムユーザーとして利用し続けています。

使い始めた当時よりも楽曲は増え続けています。当時は邦楽のラインナップが乏しかったのですが、ここ数年で相当充実してくれており、そこまで困ることもなくなってきました。

また、Spotifyはユーザーの好みに合わせたプレイリストが作成され、トップページにレコメンドが表示されます。

そして年末には自分が年内に聴いていた曲がランキング形式でラッピングされ、動画とともにプレイリストとして聴くことができるようになります。

こういった体験を通じてサービスを利用していると、Spotifyのない生活というのは考えられなくなってしまいます。家賃と同じで当たり前のように固定費として支払っているのです。

こうして我々のサービスの利用形式は「所有」から「継続利用」に切り替わっていきます。これがリテンションモデルです。

日本の企業もこのモデルを本気で意識して実装することができれば、より高い成果を少ないコストで実行できるようになるはずです。労働人口が減少し続ける現代において必須の考え方だと言えます。

しかし、このモデルにもひとつ注意しなければならない点があります。それは企業側ではなく、仕事を終えて消費者として利用する時の使い方です。

リテンションモデルのサービスは主に使い放題であるケースが多く、制限なく利用できるコンテンツは非常に魅力的だと思います。

だからこそ、気軽に登録をして複数のサブスクリプションを使い続けている人も多いでしょう。

そうして便利に使い続けるサービスが増えていった時、どのサービスも全てがなくてはならないものに思えてくるはずです。快適なサービスは不可逆的であり、一度体験をすると元に戻ることは非常に難しいものでもあります。

契約しているサブスクを全て計算したら予想以上に大きな金額になってしまったという経験は、多くの人が身に覚えがあるのではないでしょうか。

僕にとって「音楽」はなくてはならないものなのでSpotifyはこれからも利用し続けますが、例えば「映画」や「ドラマ」は時々観るものなので、Netflixは今も契約をしていません。

リテンションモデル時代の大切な考え方は、自分にとって本当に「なくてはならないものは何か」をしっかりと見極めることだと思います。

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