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痩せるとこうなる|脂肪の役割を知る

過去に胃の摘出手術をしたことで、1カ月程度で体重が10kg以上減ってしまったことがあります。55kgくらいあった体重が41kgまでどんどん落ちていったのです。

何も食べられなかったので当たり前のことではあるのですが、それでも毎日体重計に乗る度にまるでカウントダウンの様に減っていく体重メモリは何だか薄気味悪いものではありました。

その後、数年にわたる「食のリハビリ」を通して今は48kg前後を行き来するくらいの体重に戻っています。

そのおかげもあって今でもスリムな体系を維持できており、知人からは「シュッとしてますね」とか「全然太らないんですね」とか、どちらかというとポジティブにお褒めの言葉を頂くことが多いです。(もちろん胃を摘出していることは秘密にしている)

そういう時は悪い気はしないながらも、痩せるのも結構いろいろと大変なものなんだけどな、という複雑な気持ちを抱きます。

まず、お尻や背中の脂肪が少ないので固いイスに座ると身体が痛くてしんどくなります。これはまさに体重が減ってから気づいたことで、脂肪があったからこそ私たちは「座る」ということを容易にできていたのだと気づいたのです。

結果的に僕は柔らかいクッションにばかり座りたがる贅沢な人になっていきます。

また、脂肪が果たしてくれているもっと大切な役割にも気づくことになります。

極端な寒がりになったのです。

友人とドライブに行った時のことです。冬の時期に出かけたこともあり、冷え切った車内はなかなか暖かくなってくれません。

しかし脂肪が極端に少ない僕は友人に比べて「寒い」と感じる体感温度のボーダーラインが高く、執拗に「もっと暖房の温度上げてよい?」と友人にお願いすることになってしまいました。

周囲の人との体感温度が近いことは円滑な人間関係にとって大切なことなのです。

また、体系が変わってしまったことで持っていた洋服のサイズが全てあわなくなり、丸ごと買い替える必要も出てきていました。プライベートだけでなく、仕事に関わる服も同様に買い替えなければなりません。

その他にも、脂肪だけではなく筋肉も極端に減っているので、強風に吹かれた時に踏ん張りが効かなかったり、銭湯のジャグジーのジェットバスで流されそうになってしまったり、とにかく急激な変化によってできなくなったことがまだまだたくさんありました。

急に痩せると人は案外困るものなのです。

職場に飲み食いが大好きで年中ダイエットを意識している様な若い部下がいます。

彼からはよく「太らない体質が羨ましいです」と言われるのですが「脂肪や筋肉にも大切な役割があるんだぞ」と心のなかでつぶやきながら「気にせず飲み食いすればいいじゃないか」と答えています。

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