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淘汰

「あーどうもぅ。N本ですぅ。包さん、只今、お時間宜しいですかぁ。」
 編集のN本君が、洋三に対して先生と言わず、単にさん付けで呼ぶようになって、もう随分になる。こちらの気の無いはぁと言う答えなど意に介さず、彼は続ける。
「永らく連載を続けて来ました業界紙のポエムなんですがぁ、」
此奴、絶対に読んで無いな。あれは断じてポエムなんかでは無い。コントのつもりだ。
「残念なんですが、今月号で一旦打ち切りになります。スポンサーさんの御意向で、来月から別の連載が始まる事になりましてー。」
「えっ!どう言う事でそんな。」
「まぁあれっす。今時、文字だけでは弱いと言われちゃったんすよー。ほんとすいません。来月からは四コマらしんすけど。あっ!ちょっと電車来ちゃったんで、すいません。又、連絡しま……。」
唯、唯一のレギュラーの仕事が今、あっけなく終わった。これが最終回とは。何とも。

 読者の皆様へ、永らくの御愛読、誠に有難う御座いました。来月からは四コマ漫画が始まります。


〈掲載…2019年2月4日 週刊粧業〉

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