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「下流老人」からの衝撃

今日一日で、全く別の筋から、この1冊の本が勧められた。
一つは、Twitter。
著者の藤田さんと、ZOZOの田端さんの議論がヒートアップしてたところから。藤田さんと田端さん、Twitterの議論では、どっちも全く折れなかったけれど、どっちが正しいんだろう?素朴な疑問だった。

もう一つは、大学の講義、「ビジョン・ロードマップ」講座。社会現象として、「下流老人」が多く生まれているからこそ、人生の長期ビジョンと準備が必要だという。

この本、本屋でもよく見かけたが、特に興味を持つことなく通り過ぎていた。でもこんないっぺんに目の前に現れたら、読むっきゃないと思って、大学の図書館に駆け込んだ。


・・・うーーーん。強烈だった。

「下流老人」とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」だそうだ。

取り上げられている具体的なケースは、ぞっとするようなものばかりだった。そしてすべての下流老人が「想定外」といい、まさか自分がそうなるとは思っていなかったというのだ。かつては経営者だったり、エリート銀行員だった人たちが、持っていた大金の貯蓄も、大きな病気や事故によって、あっという間になくなってしまうというのだ。

そんなの、私もいつ起きるかわからんやん。

貧困は、本人の怠惰や甘えではなく、社会的構造の問題として発生しているという。

昨今、生活保護の不正受給というニュースもよく耳にする。また、一生懸命働いている低所得者よりも、生活保護のほうがたくさんもらえる、という話も耳にする。だから、正直なところ、「生活保護、もっと厳しくしたらいいやん」くらいのことを思っていた。

でも、この本を読んで、それがとんだ的外れだったことに気づく。
知らない、って、怖い。
私が気づけていない世の中の問題は、山のようにある。
つい、自分のいる生活環境が、世の普通のような感覚に陥ってしまうけれど、そうではない。夫婦二人で、元気に共働きしている今が標準ではない。

私は「誰もが自分らしく働ける社会にしたい」とか言ってるけど、その「誰も」って、一体どこからどこまで想像して、言ってるんだ。世の中のことをこんなに知らなくて、社会をよくしようだなんて、おこがましい。
恥ずかしくなった。

スマホで常にいろんな情報に触れているようで、改めて、自分がフォローしている情報源を見てみると、かなり偏ってるなと思った。

これから半年間、図書館に通える。
少なくともその間、できるだけたくさん本を読もう。
学問に触れよう。
自分の狭い視野が、少しでも広がるように。

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