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【F1】大阪のF1誘致について考える  前編


大阪がF1を誘致するようです

1/23(火)、突如としてこのような記事が流れた。

・・・は?

それがこの記事を見た自分の第一声だった。
そりゃそうだろう。
モータースポーツを盛り上げる意思も無ければ、
誘致を成功させるための勝算も無いどころか、
具体的な計画もないのに、その自信はどこから来るのか?
これほど舐めた表明もない。

それは他のモータースポーツファンも同様であり、
大体が大阪のF1誘致に否定的な意見であった。

だが一方でこういう意見も出た。

正直私はガッカリしてますよ

普段日本のレースを上から目線で
「新規を追い出す閉鎖的な村社会」と罵ってきたF1ファンが、
大阪に対して閉鎖的ムーブしてるんですもの

成功するか失敗するか、旗振り役がどんな人で思惑はどうか…などは置いておいて
新しい動きが生まれることは良いことじゃないの?

Xからのツイートより

なるほどそういう意見もあるだろう。
確かに大阪のF1誘致により日本のモータースポーツが発展すれば、
これほど良い事は無いだろう。

となると今回の大阪誘致は良い事なのか?
という事で今回は大阪のF1誘致について考えてみたいと思う。


大阪のF1誘致は”新たな扉”になるのか?

・一応大人な対応はしたものの…

さて、大阪のF1誘致について考える前に、
先ほどのツイートにどうしても言わなければいけない事がある。
また、荒れた言葉になってしまう事をご了承いただきたい。

旗振り役がどんな人で思惑はどうか…などは置いておいて”…だあ?

それが一番重要な事だろうが!
言うだけなら幼稚園児でも出来るぞ!良い事なんぞ一つもない。
それどころか何もねえんだからな、現状は!


・いわくつきの旗振り役 溝畑 宏

まず、今回ののF1誘致を表明した
大阪観光局理事長 溝畑 宏氏もかなりいわくつきの人物である。

溝畑氏はかつてJリーグ・大分トリニータ代表取締役に就任しており、
2008年にはナビスコカップ(現・Jリーグカップ)優勝も果たした。それは本人も会見で雄弁に語っている。

だが問題なのはここからだ。
大分トリニータは翌2009年経営破綻の危機に陥る。
経営実態にそぐわない人件費の増大や多額の移籍金の発生する選手獲得を濫発した事、
及びそれに伴う負債を隠ぺいするため粉飾決算紛いの会計操作が原因だ。
これを受けて溝畑氏は2009年末に代表を引責辞任している。
もっともこの事実については会見では一言も語ってはいない


そういう人間が今回大阪にF1を誘致すると言ってるのである。
しかもよく見せようとする癖、未だに治ってないようだ

…ちなみにこれは政治色強くて簡単な余談だけにしておくが、
溝畑氏は国際ハイウェイ財団の特別講演でトンネル着工の為に協力するとも発言している。
トンネルぐらいで?と思った方、トンネル着工にリンクを貼って置く。
wikiが出るだけだが、色々とアレである。


・情熱なんてない あるのは欲望だけだ!

さて、大阪がF1を誘致する理由、つまり思惑だが、
記事でこう語られている。


MICE(会議などの国際イベント)の誘致に絡め、溝畑理事長は
レースだけでなくさまざまなイベントが併催されるF-1が、
欧米豪のラグジュアリー層(富裕層)の長期滞在など、
大阪観光に寄与すると強調。
民設民営でしっかりと事業体を組んでいけば誘致は可能とした。


溝畑宏理事長は会見で
「F1だけでなく、総合エンターテインメントとして
飲食などと組み合わせることで持続可能なスキーム(計画)
となる。
その成功事例がラスベガスにもある」と熱弁。

①ORICON Newsより抜粋
②SmartFLASHより抜粋

…ほんと、どうしようもねえ奴ほどカタカナ語使いたがるよなあ。

まあこれを見てもらえれば分かるがざっくり言えば、
F1を誘致する事で大阪の訪日外国人を増やしたいのが目的で、
ぶっちゃけ訪日外国人、特に欧米豪の富裕層が大阪にカネを落としてほしいのが本音

モータースポーツの発展とか全く関係なく、あくまで金儲けの手段に過ぎない
ただ、それでF1誘致の選択は違う気がする。
しかもリスクに関しては民設民営=企業丸投げと暗に言ってるので、
美味しいとこどりしようとする気満々。

そもそも昨年の訪日外国人旅行者を見てみると、
年間消費額だと友好国の台湾が一番多く、
一人当たりの平均消費額なら爆買いでおなじみ中国が一番だし、
訪日外客数なら一番多いのは韓国

・・・・・・あ・・・・・・

この話はここまでにしておきましょうか;


・大阪につきまとっている二つの問題

これまではF1誘致についての懸念点を述べたが、
そもそもの話、F1誘致をする以前に解決すべき問題を大阪は抱えている、それも二つ。
それは”IR(統合型リゾート)”と”EXPO2025 大阪・関西万博”にほかならない。
特に大阪万博についてはもう来年には開催されるため、
建設を始めていくが、その費用なんと1112億7000万円
F1開催する新規サーキット組なら10年分程度。
鈴鹿サーキットなら40年弱に相当する。
それを半年程度の開催イベントに使うのだ。

そして大阪万博が終わればその跡地にIRを建設する予定だろう。
ちなみにIRの完成予定は2030年
…大阪なのか、リバティメディアなのかは分からないが、
これは果たして偶然なのか…。


成功は限りなく0に近いが・・・

というわけでここまで色々話してきたわけだが、
どこをどう見ても大阪のF1誘致にメリットがないどころか、
大損害を被る未来しか見えない。

冒頭のあるツイートの答えを言わせてもらえれば、
F1誘致は”成功か失敗か”ではなく”このままでは失敗確実”であり、
”旗振り役がどんな人で思惑はどうか…などは置いておいて”なんて、
悠長に構えていたら、
取り返しのつかない事になる”の一言。

それでも、大阪がF1を誘致する事をやめなければ、
実現する可能性はあるのかと言えば現状は限りなく0に近いだろう。
そもそもが何も決まってない、にもかかわらず懸念点はたくさんあるのだから。

それでもはっきり無いとは言えないのは、
IRの完成予定は2030年という事と、OOの契約は2029年までという事が妙に引っかかってしまったからである。


                      (後編に続く)





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