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#12 インド人の優しさ(Ash)

インドマイソールのグルジから、スピリチュアリティ―とは優しさだ。と教えてもらった時に、ヨガのフレームワーク(概要・森の全体像)を探していた私にとって複雑なパズルの最後のピースがはまったような気持ちいい風が吹きました。

ヨガのスピリチュアリティ―が何かの本題に行く前に、私がインド人の友人から学んだインド流優しさについてお話させてください。インド・ヒンディズムにおける独特な優しさの概念をよく理解していないと、グルジが言わんとしたヨガのスピリチュアリティ―のニュアンスが伝わらないと思うからです。

世界のどこの文化で育った人でも、我々は小さい頃から他人に優しくしてあげなさい。と教えられて育ちます。優しい人に育ってほしい。と子供を持った人がよく口にする願いです。でもこれって、同じ事を言っているようで、それぞれの地域の文化や宗教によって少しずつニュアンスが異なるんです。

では、優しさって何なのでしょうか?

私は京都の南禅寺の近くで生まれ育ち、知恩院というお寺が運営している幼稚園が初めての家の外での教育機関でした。別に仏教徒の家に生まれたわけではないのですが、たまたま地理的・環境的に仏教に触れる機会が多い幼少期だったこともあり、仏教の考え方が私の人格のコアになっています。余談ですが、その後、中学校からはプロテスタントの学校で教育を受ける事になります。ちなみに、多国籍な環境にずっと身をおいてきたため、宗教の話は大好きですが、私個人の話をすれば、人生通して無宗教者です。笑。いつか、ヨガと宗教の違いを私がどう理解しているかもご紹介したいと思います。

私はずっと、自分が人からしてほしいと思う事を他人にしてあげなさい。と言われて育ちました。それが、私の優しい人の定義でした。他人を自分のように大切にする事ができる人。現代世界では主流の考え方ではないでしょうか?

私には、大人になってできたインド人の大好きな親友が二人いるのですが、そのAshwini(♀)とVenu(♂)と仲良くなって教えてもらったインド流最大級の優しさって、自分を大切にする事なんです。今流行りのマインドフルネスのヨガの先生やスピリチュアルな人がいう、自分に優しくできないと他人に優しくできない、自分を大切にしてない人は人からも大切にされない。なんて生ぬるい自分への優しさじゃないですよ。インドの優しさは、もう斜め上を行き過ぎていて、誤解されてもしょうがないレベルで優しくて、私の天地がひっくり返った考え方の一つでした。

インド人は「ジンダギ(人生)」について話すのが大好きで、どの歌・映画・会話を聞いていても、ヒンディー語がわからなくても、多分、外国人が最初にPick upする言葉の一つじゃないかな、と思う位、いつも、ジンダギについて話をしています。インドのバンガロールに「Infnitea」という老舗のお洒落カフェがあるのですが、いつもバンガロールに行くと、大好きなハッピーガールのAshwini(Ash)とそこでガールズトークをするのですが、最後はなぜかいつもジンダギトークに。笑

その頃の私の座右の銘はSharing is Caringだったので、自分のプレゼンの時によくその言葉を使っていたんです。その事をAshwiniにつっこまれた時、Ash曰く。(私の日記、バガヴァッド・ギーターみたいになってきましたね。笑)

Ash:人生において(ジンダギ)、自分がご機嫌であることが一番大事なのよ。幸せは伝染するし、人は幸せな時、意地悪な事を考えないものよ。それだけで、十分、他人に対して、動物に対して、地球に対して、宇宙に対して優しいと思わない?それ以外何もしなくていいのよ。Caring is doing nothingよ!

TKK:え?でもさ。自分が大好きなものは好きな人にも分けてあげたいって思うじゃない?

Ash:じゃぁさ、TAKAKOがダイエットしてるときに、私がパニール(チーズ)とギ―(バターの上澄み液)たっぷりのカレーと、ビリヤニ(具だくさんの炊き込みご飯)と、ジャグリ(砂糖漬けにされた油であげた小麦粉の塊)を大量に作って、TAKAKOが東京から来たから私の大好物をたくさん用意したわよ。さぁ召し上がれ!って言ったら、どうよ?

TKK:うーん。嬉しいけど、ちょっと迷惑・・・

Ash:でしょ。その時点で、小さなストレスが発生するのよ。だから、私はビリヤニを今日用意してないわよ。それより、ハッピーな私と時間を過ごすと、出張中でもTAKAKOは寂しくないし、ハッピーでしょ?だから、私はTAKAKOと会う前、パニールカレーとビリヤニとジャグリ、全部、一人で食べたわよ。おかげ様で、私は今、超Good Moodよ。私の優しさよ。(ウィンク)

なんか、キツネにつままれたような彼女の優しさなのですが、これはあながち嘘ではなく、本当に頭がよくていつもポジティブでいつもニコニコしてお洒落なユーモアを連発する彼女と一緒にいると、本当に楽しくて幸せなので、そういう意味で私は彼女からたくさんの物をもらっていて、それが彼女の優しさなんだと言われると、こんな優しい親友、そうそういないわよね。ありがと。って言うしかないですよね。私の大好物のビリヤニをご馳走してくれない親友だったとしても!

大好きなビリヤニなんて、大好きなAshと過ごすTea Timeに比べたら、比べ物にならない位、どうでもいい事です。

とにかく自分を大切にして、いつもポジティブで、いつもニコニコして、いつもハッピーでご機嫌でいる事。人はハッピーなムードの時、他人に対して意地悪な事も考えなくなるし、疑心暗鬼にも陥らないし、言葉に棘がなくなるし、ネガティブなオーラを発散させないし。他人を幸せ(+)にする事はできないかもしれないけれど、最悪、悪い気分にはさせないし(+/- 0)、意地悪で人を嫌な気分にする人(-)がたくさんいるこの世で、悪い気分にさせない(+/- 0)って、それだけで、十分優しいんです。運がよければ、一緒にいる人にその幸せって伝染するし(+)。

Caring is doing nothing!

インド人Ashから教わった優しさです。

明日は、Venuの優しさをご紹介して、インド流優しさの概念をご紹介した後、いよいよヨガのスピリチュアリティ―に関して私が理解している事をお話したいと思います。

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