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【仕事紹介】経理の役割を書いてみた

 日々経理の仕事を行うにあたって、そもそも、経理が求められている使命や役割はなんなのか、を書いてみたいと思います。日々の業務をただの作業で終わらせないように意識したいです。
(これは私の考えるものなので、会社や人それぞれ変わってくると思いますが参考になれば幸いです。)

経理の使命

経営計画達成のためのナビゲーションシステム
「お金」という視点で会社の実態を表現させる仕事

役割1)必要な情報を収集し、集計すること

 必要な情報は、例えば、請求書や納品書など取引先から受領するものや、在庫の棚卸結果や売上の集計資料など社内で管理している資料などです。これらを収集し、決められた方法に従って集計します。
 月次の財務諸表(BS、PL)を作成する段階です。

役割2)集計結果をもとに、現状を把握すること

 集計が完了すると、月次の財務諸表が完成します。この財務諸表を複数の観点で確認し、現在の会社の現状を把握します。複数の観点は、例えば、前月との比較、予算との比較、他社との比較です。比較することで、良い悪いの判断が可能となります。

役割3)現状を報告・共有し、課題を発見すること

 会社の現状が良いのか悪いのかがわかれば、具体的にどこが良いのか、どこが悪いのかを見つけます。見つけた点が課題になるはずです。
 例えば、前月より現預金が減っている、予算より売上が低い、他社と比較して利益率が低い、など、どこを改善すれば、会社が目指すところに到達するかを見つけます。

役割4)発見した課題を解決する方法を見つけること

 発見した課題について、どうすれば解決できるかを考えます。解決方法は、1つではないはずですし、自分ひとりでは考えつかないことが普通です。なので、他部署を巻き込んで考え、いろんな案を出すことが大切です。この時、その解決方法を実行することでどの数字がどのくらい改善するのかを把握しておくことが大切です。その解決方法を実行する意味があるかどうかを判断する基準を持ち、客観的にOK/NGを判断できる状態を目指します。

役割5)見つけた解決方法を実行すること、また、進捗を確認すること

 解決方法を実行するのは経理ではないことが多いと思います。そのため、経理は以下のような役割を担うことが多いです。
 ①解決方法を実行することでどの数字が改善するのかを把握しておくこと
 ②該当の数字を定期的に確認し、順調なのか、不調なのかを判定すること
 ③実行している部署や担当者に共有して、状況を確認すること

 ⇒特に、不調な場合に、実行できていないのか、実行したけど結果が伴わなかったのかを切り分ける必要があります。

 解決方法が見つかって、「これで行きましょう!」となっても、担当部門に任せっきりでは、いつの間にか忘れられている、ということがあります。  
 経理としては、『やらない担当者が悪いから関係ない』と切り捨てするのではなく、できる限り伴走することが求められていると思います。もちろん、改善が見られない場合は別の方法を検討して、数字改善に努めます。

役割を全うするために意識すること

正確で適切な経理処理が必要
 「その処理に根拠はあるか」を常に問いながら処理することが大事だと考えています。根拠となるものは、証憑(契約書や請求書)、国税庁のタックスアンサー、中小企業の会計に関する指針などになります。根拠をもとに処理をした場合、説明を求められた時に、具体的に説明することが可能です。

中小企業の会計に関する指針
https://www.nichizeiren.or.jp/taxaccount/sme_support/guide/

 これに対して、根拠をもたず処理をしている場合は、説明を求められた時に、具体的に説明することができません。

 よくあるのが、「前任者がやっていたから」「前月と同じ仕訳をした」という理由です。「今まで問題になっていなかったから大丈夫だろう」と思いがちですが、本来は修正が必要なのに放置されているだけということがしばしば起こります。そして、そういうことはあなたが担当になっているときに顕在化してきたりします。問題が顕在化した時に、対応しなければいけないのは、今現在処理しているあなたです。あなたが確認して、考えて、今後の対応策を講じる必要があります。なので、処理をした根拠が何なのかを確認して、処理する癖をつけるようにしましょう。

 また、根拠なく処理されている仕訳について、すぐに内容を確認しきれない場合もあると思います。そんな時は、まず共有しておきましょう。「修正が必要と考えられますが、確認・対応に時間がかかる」ということを共有しておくことで「認識できている」ことを伝えることができますし、時間を確保することもできます。共有する相手は、その内容に応じて判断しましょう。直属の上長だけでよいのか、税理士にも伝える内容なのか、関係部署にも伝える内容なのか。

最後に

 私自身、上記のことを意識し始めて、経理業務への向き合い方が変わりました。『軸』を持てた感覚です。自信をもって発言できたり、行動できたり、自分の動きが変わったと思います。
 もし、経理業務をやっている意味が見えない方がいましたら、自分の役割が何なのかを考えてみてはいかがでしょうか?
 少しでも業務の参考になれば幸いです。

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