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どう伝えている?子どもへの褒め方、叱り方


褒め方と聞くと、「すごい!」「さすが〇〇だね」「天才なんじゃない」などすぐ出てきますよね。

一方叱り方というと、「ダメって言ってるでしょ!」「何度言ったらわかるの」「どうして約束が守れないの」などという事が多いと思います。

正直私も、ふとした瞬間に使ってしまいがちですが、今回1000人以上の子ども達の運動指導をしてきて感じた思いと、個人的に大事にしている伝え方を記載していきます。


自分でできる子に育つ褒め方について


子どもをよく褒めるときに使うフレーズはどんなものがあるでしょう。
「すごい」「よくできたね」「なんでもできるね」
上記のような言葉はとても使いやすいですね。

子どもの時にもっと親に褒められたかったなど思っている方も多くいると思います。

しかし、褒め方によっては子どもに不安を与えたり、モチベーションを下げたり、プレッシャーを与える原因になります。

なんで「すごい」などの子どもを褒める言葉でネガティブな結果につながるのでしょうか。

褒めることが悪いわけではありません。認めてあげることも大切です。
大事にしてほしいことは、褒める種類にあります。

3種類の褒め方

大きく分けて褒め方には3種類あります。

  1. おざなり褒め(具体性にかける褒め方、表面的な褒め方)

  2. 人中心褒め(性格、特徴、といった表面上の褒め方)

  3. プロセス褒め(努力、試行錯誤した手順を中心に褒める)

例えば、牛乳をこぼさずに入れた子どもに「すごい、すごい」というだけなのがおざなり褒め、「お利口さんだね」というのが人中心褒め、「こぼさないようにコップを持ち上げて入れたんだね」というのがプロセス褒めになります。

”おざなり褒め”と”人中心褒め”がNGの4つの理由

  1. ほめられ依存症になる(ほめられないと自信がもてず、外部からの承認でしか自分の価値を見いだせなくなります)

  2. 興味を失う(ほめられるためだけに行動するようになり、せっかく楽しいと思っていたことにも意義を感じなくなってしまう)

  3. チャレンジ精神が低下する(周囲からの評価が下がることを恐れ、失敗を避けるためにチャレンジすることを躊躇するようになります)

  4. モチベーションが低下する(子どもは頑張らなくても良いと思うようになり、努力をして何かを成し遂げることの必要性を感じなくなる)

ほめられないと動けない、周囲の目が気になる、そんな子どもが大人になった時に挑戦する心を持つのは難しくなると思います。
実際、私もこう書いているものの承認欲求はかなり強く、困っていることもありますが・・・

褒める時の3つのポイント

  1. もっと具体的に褒める(すごいねと言われても具体的な理由なしには自分の優れているところ、また努力が必要なところがわかりにくいものです)

  2. 成果よりもプロセスを褒める(能力や性格を讃えるのではなく、取り組んでいる過程での努力や挑戦した姿勢、やり方を工夫した点などに言及し、励ましてあげることです)

  3. もっと質問する(子ども自身がどう感じたか、どう思ったかということであり、親やコーチがどう思うかはそれほど重要ではありません)

素直に褒める時も大事なので、「すごい!」を使っていけないわけではないと思いますが、私の中では、具体的に褒める指導はいつも心がけています。

また、私が指導中でアドバイスをする際にネガティブな言葉を使わずに意識して使っている言葉が「もっと○○するともっと良くなる」と伝えます。

例えば、逆上がりができない子に対して「今の逆上がりは、腕に力が入っていてとても良かったから、もっと足の振り上げを元気にできればもっと逆上がりが上手になるよ」などと伝えて指導をしています。

罰を与える叱り方がNGな4つの理由


  1. より攻撃的反発的な態度を生み出す(自分に罰を与える相手に対して怒りを覚える)

  2. 力を使った問題解決が正当化される(暴力や、圧力で問題が解決できるというメッセージを子どもに送っている)

  3. 親子関係にヒビがはいる(子どもは親に対して心を閉ざし、親子のつながりに傷がつくリスクがある)

  4. 罰を与えても反省を促さない(罰を受けないためにどう逃れるかということに意識が集中し、自分の行動のどこに問題があるかを考えない)

上記の理由とは別に、暴力を振るわれている子は、友達同士でも力加減がわからず問題になっているシーンを少なからず見かけます。

ダメなことはダメで話をするべきですが、伝え方は具体的にするべきことと、感情的にならず伝えられると良いですね。

褒美と罰の罠

褒美(物をあげるなど)や罰(物を取り上げるなど)を与えることは、子どもの行動を上からコントロールする方法であるという点で似通ってます。

この2つの落とし穴は、どちらも与え続けなければならない点にあると思います。

私も小さい頃親から「運動会の徒競走で1番になったらおもちゃ買ってあげる」と言われた記憶があります。

今考えてみれば、何のために頑張ろうとしたんだろう?おもちゃのため?と感じます。

他の例では「トイレでうんちできたらグミあげる」という親がいました。
この言葉から子どもが感じることは、グミをもらえるからトイレでうんちをするのであって、生きていく上で自分に必要だからトイレでうんちをするわけではなくなってしまいます。

私自身我が子に伝えるときにものすごく気をつけています。
何かしたら何かあげるは先出しせずに、子どもが頑張る本当の理由に目を向けようと考えて伝えています。

上手な叱り方

叱ることは、褒めるよりも難しいですね。
個人的に大事にしたいことは、「ダメ!」からではなく、子どもが何をしたかったのか、何を言いたかったのかを理解し、ありのままの子どもを受け入れた上で、手を差し伸べるべきだと思います。

真っ先に叱られてしまうと、それ以上子どもは何も話せなくなってしまいますよね。大人も同じかもしれませんが、まずは、相手の考えをしっかり聞き理解することに徹することがとても大事になってくると思います。

まとめ

褒めるも叱るも難しいですね。
しかし、どちらの伝え方に関しても、プロセスが重要だということです。

その子がたどり着いた過程を知ることが褒め上手、叱り上手になるだけでなく、子どもの自己肯定感を高めてくれる大きな材料になると思います。

私も現在も運動の指導に没頭していますが、正解はないです。

一人一人個性があり、伝え方一つで子どもの成長は変わると思って会話しています。

私のモットーは、”褒める指導”と”今よりもっとできる指導”です。

この二つを考えて指導してきた中で、思ったことと、1冊の本を元に書いてみました。
もしよければ参考までにURL添付しておきます

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