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そのシステムが社内で活用されない4つの理由

私の会社は「CRM/SFA」と呼ばれる営業・マーケティングを支援するシステムの導入や運用のお手伝いをメインの事業としているのですが、そこでよく遭遇する問題が「せっかくシステムを入れたけれど使ってない」「システムを活用しきれていない」というものです。


こういった問題は、通常業務に組み込まれてしまう勤怠管理などの「人事系システム」や経費管理などの「会計系システム」に発生することは比較的少なく、「営業・マーケティング・自動化・データ分析」といった、プラスアルファでなにかしたいというようなシステムにおいて比較的多く発生しています。


つまり「そのシステムがあれば便利ではあるが、なくても業務は回る」というシステムが、そういった状態に陥りやすいです。

こういう課題にはある程度パターンがありまして、システムを社内に導入するまでに事前にチェックしておくべきとも言えますし、すでに入れちゃったのであれば、これらの課題に取り組まないと、金のかかる使わないシステムだけが存在するという、残念な状態になります。

今日は、そこらへんをまとめたいと思います。



パターン1 組織内に情報が共有されていない

代表的なパターンとしてあるのが、こういった営業・分析システムに情報が入っても、その情報が組織内に届いていないというケースです。

システム内に入った情報(営業活動情報や顧客情報)をある程度加工して見やすくしチーム内に共有がされると

「あー、いま営業はこうなってんのね」
とか
「この顧客っていまどういう状況?」

といった疑問が自然と湧くことになり「このシステム入れててよかったね」という状態になります。

ここでよくある間違いが、「情報が正確に入っていないから責任者に共有できない」という懸念です。鶏と卵理論じゃないですが、ちゃんとデータを入れてから共有しようというのは、気持ちは分かるのですが大抵はうまくいきません。

コツとしては「不完全なデータでもいいからチーム全体で共有し、不完全なデータを基に議論をスタートさせる」です。

たとえば「昨日の営業活動結果を自動的に一覧にして、朝のミーティングで使う」みたいにすると良いです。

最初はちゃんと入ってないじゃないかとか、これってデータがおかしいんじゃないかとか出てきますが、しばらくすると自然とデータはきれいになっていきます。


パターン2 社内の相談窓口がない

中小企業に多いのですが、社長とかのトップダウンでかっこいい分析システムを入れたのは良いけれど、詳しい人が社内に誰もおらず、使い方がわからなくても聞く相手がいない、みたいなパターンです。

中小企業の場合「少人数で多種多様な業務を回してます」みたいな場合も多いので、こういった習得に時間のかかるシステムに人を割くのは結構しんどかったりします。

この問題を解決するための特効薬ってあまりなくて、基本的には

①社内専任の担当者を指名し、システム運用の習得に一定の時間を割く
②運用相談窓口を外部に委託する

の二択しかありません。

逆に言えば、それをする金銭的・人的余裕がないのならこういったシステムをいれるタイミングにない・環境が整っていないとも言えるので、いったんシステムを解約しても良いんじゃないかと思います。



パターン3 上司が使わない

「なくても実は困らないけれど、あれば業務がもっと便利になるよ系」のシステムは、とにかくみんなが使い始めるまでがしんどいんですが、失敗する典型的なパターンとして、管理職や部門の責任者がめんどくさがって使わないというケースです。

営業部長とかが「あれってめんどくさいよなー。俺、営業結果を全然いれてねーよ」なんて言い出したもんなら、部下たちは「部長がそういうことなら、俺らもやんなくてもいいよな」となって、誰もやりません。

この手のシステムは上位の役職者ほど率先して使うというのがすごい重要です。そのためには導入前にできれば経営陣からマネージャーを対象に「率先垂範で利用せよ」と指示を出してもらいたいところです。

大事なのは率先垂範です。



パターン4 やりたいことが不明確

こういった「活用すれば便利」システムの場合、導入するきっかけとなった解決すべき課題が大抵はあるはずなんですが、その課題が不明確だとうまく行かないケースが多いです。

私が扱ってる営業支援システムの場合「営業の生産性上げたい」「売上増やしたい」みたいな漠然とした目的意識だと、結局「で、どうすんだっけ?」みたいな感じになります。

できればシステムを入れる際に解決すべき明確な課題を3つほど上げて、その課題をどうやって解決するのか、システムをどのように活用すべきなのかを明確にしてすすめると、全体的にうまくいきやすいです。


まとめ

以上、代表的な4つの原因を挙げましたが、細かいこといえばもっとあるんですが、まぁだいたいこの4つでうまくいかないケースの8割くらいはカバーできている気がします。

こういう類のシステムって導入してうまくいくまでが結構しんどいんですが、しっかりと使いこなすと「世界が変わるぜ」くらい仕事が楽になるので、みなさん頑張って欲しいです。


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