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コロナワクチンをめぐる米国下院司法委員会公聴会と21世紀の法創造


https://www.youtube.com/live/KXmyEpmjp_8?si=OcUCyOkNNFPylZsn


英語はあまり得意ではないのでわからない部分が多かったが、話の流れはおおよそ掴めた。要するにワクチン問題は、法的にも政治的にも、リスクとベネフィットのバランスの問題で、いずれがより説得力を持つかの争いである。このワクチン問題の法的・政治的な決着において、医学的・自然科学的な知見は、重要ではあるがあくまで一つの評価要素にすぎない。

 話は少し飛ぶが、人類社会において、およそ法的・政治的な判断を左右する最終的な力は、法共同体のコモンセンスである(集合的無意識を含む)。今回の”パンデミック”をめぐる各種のバトル、その最終決着は、実のところすでについているのだが、その決着が、共同体に生きる人々の生活レベルに定着するためには一定のプロセスが必要で、その適切な調整に失敗すると、それら生活やいのちへのダメージを招来することになる。なので、人々をすでに基本的な方向が定まっている未来に向けてソフトランディングさせるために、彼らの意識を誘導していくことが必要になる。今、世界で行われているのは、実はそういうことで、これから人々が向かっていく未来を、人々に対して何らかの形で表象表現し、彼らの意識に明確な像を結ぶようにみせてゆくことで、このソフトランディングを確保しようとするもので、治安維持的・軍事的な作戦(緊急事態下の統治行為)を含めて、壮大なオペレーションが敢行されているように思う。

 この司法委員会公聴会は、下院を制する共和党が議長である。公聴会に呼ばれたのは、バイデン政権下でワクチンを推進してきた2人(そのうちの一人はすでに司法取引が完了している思しき人物)、他方は、ワクチンに懐疑的な2人。見ていると、なぜか、ワクチン推進派が雄弁に語り、懐疑派を圧倒。どーなることかと思っていたら、徐々に懐疑派が盛り返し、当初の不利をひっくり返したと思ったら、最後の30分ぐらいから、証人であるワクチン被害弁護士と共和党議員の独断場で怒涛の展開となり、推進派は意気消沈。何かあまりにも劇場的で、できすぎているなあ、と思っていたら、ピントきた。これは聴衆に見せるための演劇であると。ここで展開されたことは、大筋、近い未来に世界の法的・政治的な舞台で起こる展開であろうと思う。つまり最後は懐疑派が勝利することになる。では何のために、こんな演劇を聴衆に見せているのか。この司法委員会公聴会は見せ物としての意味しかなく、法的・政治的には意味のない茶番だということか?実はそうではない。これは新しい法と政治のかたちを、彼らなりに(無意識のうちに?)表現したものかもしれない。

 時間がないので今日は詳論しないが、これからの時代の法廷は、透明性のある空間において、衆目が見る所で(リアルとインターネット)、権利と義務と責任をめぐる様々な議論が闘わされるその演劇的空間としての性質を増してゆくであろう。そして、この演劇性を通じて、人類が長年にわたる制定法の歴史の過程において、とりわけ近代以降に失っていった法のスピリチュアリティーを取り戻し、回復してゆくプロセスに入ったように感じられる。ちなみに近代市民法学・歴史法学の父であるサヴィニーの高弟でもあったグリム兄弟のドイツ法古事学・法の詩学は一種の法の象徴学ともいうべきもので、近代が忘却した、法と言語と物語(演劇)が一体的に顕現する(広義の)法廷の姿を生き生きと伝えている。ドイツ近代労働法学の形成においても決定的な役割を果たしたギールケは、グリムを「法学の地平に輝く星」と評している。https://www.jstage.jst.go.jp/.../0/1982_0_103/_pdf/-char/ja

 スピリチュアリティーと言えば懐疑的になる方も多いと思うが、精神性といえばより通りが良いであろうか(モンテスキューの”法の精神”は皆んなが知っている)。既存のスピリチュアル集団は、ローマカソリックを中心にその影響力を急速に低下させているが、スピリチュアリティーに対する人々のニーズが一定であるとすれば、そして既存宗教組織がこれを充足させることができないとすれば、別の新たな組織がこの機能を担う必要が生じる。

 法廷は、失った演劇性を再び取り戻し、人々は精神的なカタルシスをもって、フェアネスの感覚を回復、成熟させてゆく。そして、一連のプロセスは、全てデジタルアーカイブされ、いつでも検索と再構成が可能な形で、一定水準まで法的判断を行うAIのデータベースとなり、この法廷という演劇空間を司どる裁判長の裁判プロデュースの基礎資料となる。

 リスクとベネフット、両者を天秤にかける、という今回のパンデミック劇場は、法の観点から言えば、正義がグラデーションを持つことが世界の人々に意識されてゆくプロセスでもある。正義のグラデーションの只中で、人々の真剣な語りが行われ、それを見る人々との共同的な演劇空間の中から、それこそ泥の池からハスが咲くように裁判上の和解が果たされ、あるいは裁判長の判決が法廷に響き渡る。かくして新たな法創造がなされれる。今回の下院公聴会は、そのプロトタイプになっているように思う

 僕自身は、米国の法学に対して、その政治的性格によるバイアスに長年懐疑の眼差しを向けてきたが、法の演劇性という理路を通じて、再評価できるかもしれないと感じ始めている。

https://www.youtube.com/live/KXmyEpmjp_8?si=OcUCyOkNNFPylZsn

<以下、DeepLにより機械翻訳>

下院司法委員会行政国家・規制改革・反トラスト小委員会は、2024年6月26日(水)午前10時(米国東部時間)より公聴会を開催する。公聴会「科学に従え?Oversight of the Biden Covid-19 Administrative State Response "と題した公聴会では、ファイザー社のCOVID-19ワクチンの承認とブースターの認可のために、バイデン政権が食品医薬品局(FDA)に圧力をかけて「手抜き」をし、当局の基準を引き下げたことを発見した小委員会の監督について議論する。この承認によって、バイデン政権は、ワクチンが健康な若いアメリカ人の間に傷害を引き起こすという懸念にもかかわらず、ワクチンの接種を義務づけることができたのである。議会は、特にワクチンの承認プロセスに関して、行政機関に説明責任を持たせるために行政国家の改革に取り組む必要がある。

証言者

フィリップ・クラウス博士(医学博士、FDAワクチン研究・審査局元副局長)-証言

アーロン・シリ、ワクチン訴訟専門家-証言

ジョーダン・ヴォーン医学博士(バーミンガム、微小血管研究財団創設者兼会長)-証言

アンドリュー・トビアス・パヴィアMD、FAAP、FACP、FIDSA、FSHEA、小児感染症・地理医学部門チーフ、ジョージ・アンド・エスター・グロス・ユタ大学医学部小児科学長-証言



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