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小学校算数を夢のある物語につなげる方法 ~難しそうな単元だってこの通り!~
「学校で学ぶことって、なんだか現実の世界から遠いよな~」と思ったことがある方も多いと思います。私も息子たちの教科書を眺めながら、自分たちが小学生だった時とさほど変わらない教科書の展開に驚きました。学校で学ぶ算数や理科が、現実世界の状況と結びつけられないという問題は、日本以外の国でも長い間取り上げられています。今年から新学習指導要領に変わり、教科書も大幅に変更になったので「そのあたりはどうなったのかな?」とわくわくしながら算数の教科書を開いてみたのですが、う~ん、残念ながらあまり変わっていないかも?という印象です。TIMSSの国際調査でも、子どもたちが「学ぶことに意義を感じられない」と答えている事実があるのに、あまり反映されていないのでしょうか。なんだか残念です。
それでも子どもたちは育っていきます。教科書が変わるのを待っていては間に合わないので、ご家庭でできることをやってみるのは大いにお勧めです。なんたって親子で学べて楽しい! 今回は小学校4年生の「データの分類と整理」の単元を、どうやってわくわくして、現実で使えそうな物語の中で学ぶのかをご紹介します。私の教室で学年を超えて行ったのですが、取り組んだ子どもたちは「先生、あとでまた続きやってもいい?」「楽しかった~!」と大変な盛り上がりでした。作戦成功♪ 教科書では、例えば「けがの種類とけがをした場所」のデータなどが取り上げられていました。これはこれで現実的ではあるのかもしれませんが...
小学校4年生の「データの分類と整理」という単元は、新学習指導要領に加わった新しい領域の「データの活用」に含まれるものです。どんな単元を学習する時にも重要なことは、私と息子たちであっても、教室で学ぶ子どもたちも、とにかくひきこむこと。このエンゲージメントの獲得は学習を進める上でとても大事だというのは、大人だってもちろん気づいていますよね! 学習科学という研究領域でも裏付けられていることです。
と、こんなことを、一緒に学習科学を学ぶお父さん、お母さんや、教室の保護者の方にも話すのですが「でも具体的にはどうすれば?」と思う方も多いでしょう。ここは、ずばり「その単元につながっている、自分自身がわくわくすることを思い浮かべる」が正解です。そういう視点で見ると、「データの分類と整理」という単元はある意味なんてなんでもあり! わくわくしがいがあるってもんです。お子さんが関心があるもの、そしてお父さんお母さんもわくわくするものを探せばいいのです。
とはいえ、適当に!というわけにはいきません。少しコツが要ります。
①単元の目標を確認する
公開されている学習指導要領で単元の目標を確認することができます。
また、お子さんが使っている教科書会社のサイトを見ると、年間指導
計画案などが公開されています。こちらを見ると、単元の目標だけで
なく、いつごろ何を学習するのかもわかります。
例えば東京書籍の算数はこちら↓
https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/text/shou_current/keikaku/sansu.htm
②わくわくすることを思い浮かべる
目標も確認できたので、あとはそれにつながるわくわくすることを
ありったけ思い浮かべてみます。お子さんの好きなことなどもぜひ
入れてみましょう。
今回は、②については、コロナ禍でなかなか出かけられない子どもたちと
地球儀を眺めながら学習しようと決めて「外国の街」「旅行」と結びつけることにしました。私自身もわくわくします!
この単元の目標の1つ「データやその分析結果を活用する」にかなうような
楽しいストーリーを考えます。例えば「子どもたちが旅行会社の社員になり
データを活用してお客さんにぴったりの旅行先を提案する」なんて楽しそう
ですよね。今回はこの物語に決定。
データは、本来の目標が損なわれないように少し丸めたり省略したりする必要はありますが(実験データなどは、丸めたり省略することはお勧めできません)、世界の街のデータと地球儀を見せると、子どもたちはもうそれだけで目がきらきら! 実際に子どもたちと盛り上がったオリジナルのデータもご紹介してみます。ただ、丸めたり省略していることをご了承の上、ご家庭内でのみご利用頂ければと思います。国名は調べてみてくださいね。
こんなざっくりしたデータですが、旅行会社の社員さんになった子どもたちは、どのようにお客さんに勧めるのか、それはもう一生懸命に考えてくれました。データとにらめっこしながら。イメージしやすいように地球儀の他にも、小学館の「世界の国々」なども広げておきます。
準備ができたら、私がお客さんになって旅行会社ごっこ!?をするのですが、いつもの私なのに「お客さん」になったとたん緊張する子どもたちもかわいいです。このデータには2つの要素があることをいち早く見抜いていた子どもたちは、
「飛行時間は長くても気になりませんか?」
なんて聞いてくれるんです。
データの意味をしっかり理解できていますよね。
こうやって色んな要望のお客さんを想定して、子どもたちは上手に接客してくれました。最後はGoogle Earthで目的地に行って、海の中にドボン! 海の中も見れるのですよね~ 楽しい旅になりました。
実は、子どもたちの今回の一連の接客は、プログラミングのフローチャート
として整理することもできます。算数から社会、時差や季節の意味も考えたら理科にも、そしてプログラミングにもつながっていきますよね。
「何のために勉強するの?」と言わせないためにも、ぜひ一緒にわくわくする物語を見つけて下さいね。
〇算数・数学塾
https://sansusugaku.wixsite.com/home
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