【算数オリジナル問題】あまりもの、ワルモノになって逆襲する。
みたび、剰余についての問題を作りました。わり算は、一つの式から一気に複数の関係が現れる複雑な計算のようで、それだけで問題になります。前の問題↓
今回はまたけいろが異なり、より複雑になりました。レベル58くらいです。
【問題】あまりの逆襲。
正直、ほぼ算数ではなくなっている感じはしているのですが、理解を深めるためのパズルとしての問題です。(1)では答えが無いと悩み、(2)では迷わず間違えてほしい。
解法(1)つべこべ言わずに調べるのが吉
スポーツとかゲームの動画を眺めても自分ではできるようにはなりませんので、これも絵画みたいなものだと思ってください。
【考え方①】
「120÷A=BあまりC、C÷B=DあまりE」について、Aが小さくてBが大きくなる場合から調べていくと、以下の事実を通過できます。
D>0より、C>B。また、A>Cより、A>C>B>1。120=A×B+Cより、Aは120の平方根よりは大きいため、11以上。
【考え方②】
120=A×B+Cより、A、Bともに120の約数ではない。Aが大きい方から調べると、
Bが約数ででなくなるのは、120÷17=7あまり1が初めて。よって、Aは17以下。
以上より、Aは11以上17以下。結局調べる。
120÷11=10あまり10、10÷10=1あまり0→不適。
120÷12=10あまり0、0÷10=0あまり0→不適。
120÷13=9あまり7、7÷9=0あまり7→不適。
120÷14=8あまり8、8÷8=1あまり0→不適。
120÷15=8あまり0、0÷8=0あまり0→不適。
120÷16=7あまり8、8÷7=1あまり1→適する。
120÷17=7あまり1、1÷7=0あまり1→不適。
よって、A=16、B=7、C=8、D=1、E=1。
【考え方③】
問題の状況を「120円をB人でA円ずつ分けるとC円余り、そのC円をまたB人で分けるとE円余る」と言い換えると、結局AまたはBが120を割り切れる数だとあまりが出ないことが簡単に理解でき、初手で3通りに絞れます。
解法(2)四の五の言ってないで調べよ
条件の確認。
25÷A=BあまりC、551÷C=Dあまり5
(1)よりも分かっている情報が多くて簡単そうです。ポイントはズバリ、Cの範囲です。
551=C×D+5より、C×D=546と分かります。また、25>A>Cです。
546=2×3×7×13より、Cとして考えられるのは、1、2、3、6、7、13、14、21の8つ。
…しかし全部が答えではありません。551÷C=Dあまり5より、C>5です。よって、C=6、7、13、14、21の5つ。
…これも正解ではありません。25÷A=BあまりCにおいて、Cの最大値は、A=13のときC=12です。よって、C≦12より、C=6、7。
と、小難しいことを書きましたが、そもそも25>Aなので、Aを1から24まで調べてもすぐさま絞れます。ただしC=6だけ見つけて終わりにせぬように注意。
※ちなみにCの解が2通りなのに対して、Aの解は3通りあります。
【余説】正確な調査こそパワー
100÷1から100÷100まで書いてみて気づいたことを問題にしました。今まで聞いたことがなかったのですが、「あまりは、わられる数の半分より小さくなる」ということに気づいたので、ピックアップしました。
こんなことをいちいち覚えても使えませんから、中学入試であればとにかく手を動かしてほしいものです。
2024年3月3日
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