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にわとりをください。

全ては一通の手紙から始まる。

にわとりをください。
おねがいです。おねがいです。
できればひよこで3わくらい。


そんなわけでもうすぐうちにひよこが生まれる予定。


5月に、卵からひよこをかえしたという大家さんのうちで、かわいいひよこを眺めさせてもらう。
それからというもの、息子の中には憧れがあったもよう。
いいなぁ、と家族一同思ったものの何となく過ぎた日々の中で
にわとりをください、の直球の手紙は効いた。

7月末に、おもむろに息子から渡された折りたたまれた白い紙。開くと紙いっぱいに大きく書かれたたどたどしい文字。
にわとりをください、のメッセージは、約2ヶ月間かけて息子の中で育まれ、発信された。
一番下に小さく、申し訳なさそうに書かれた「できればひよこで3わくらい」の具体的なリクエストにも思わず笑ってしまう。

この家で、3わのにわとりと一緒に暮らす。

想像してしまったらもはや戻れない。

にわとりのいる生活をしてみたい。
と、夫が本気モードに突入。

庭にある小屋をにわとり小屋にしても良い、という許可を大家さんにいただいて
孵卵器を借りてくる。
つてで、有精卵の卵を譲ってもらう。
隣のお宅にも、にわとり飼います、の許可をとりつける。
そんなこんなで、あっという間に部屋の片隅に孵卵器と卵がセットされ、21日間を待つことに。
さあこれで卵からひよこが生まれるのだ。

自動回転式の孵卵器にセットされた卵
温度湿度も自動管理されるスグレモノ


わたしの小さい頃に、同じように父がひよこをかえしてくれた。家の横にはにわとり小屋があり、たまに畑に放たれるにわとり達は、草をついばみ庭をヨチヨチ歩いていた。
思えば同じことをなぞろうとしている。

生まれたてのひよこを包むときのふわふわした感じ。
ぐんぐん大きくなり、怖くもある鳥の目線。
思ったより小さくて、たまにしか産まない卵を小屋に取りに行ったこと。

にわとり生活をエンジョイできたかわからないが、それでも、うにちはにわとりがいた、という記憶が強烈に残っている。

うちのにわとりは、最後はどこかに引き取ってもらったのだと思うが
今回は、山村留学が終わる前には鶏肉としていただく前提だ。

卵からかえしたひよこを育てる。
にわとりになったら、産んだ卵をいただきながら、畑の草や虫も食べてもらう。
最後はお肉としていただく。

1〜2年の間に体験できる、なんとも濃い食育。
庭付きの家での暮らしがこんなことになるなんて、想像もしていなかったが、望めばかなう環境がここにあった。

夫は初めてのにわとりとの暮らし。
「ニワトリとの暮らし」
という本を借りてきて、熟読し
子供たちと孵卵器を囲んで目を輝かせている。

孵化予定となる21日目は、もう明日。

庭の一角の小屋の周りに柵を建て、にわとりのスペースを確保する予定とのことで、今日は珍しく草取りにいそしんでいた。

にわとり小屋になる予定の小屋はこちら。
周りに柵を立てネットを張る

わがやの新たなチャレンジが始まろうとしている。

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