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4月山村留学旅立ち#3【苫小牧の夜道で出会ったもの】


さて、フェリー編からのつづきです。

※これまでの記事は以下からどうぞ


苫小牧の港に20時に着き、車で苫小牧へ走り出た一家。

わー!着いたよ北海道!!と、家族一同テンションが上がる。
冬タイヤ装備での車で乗り込んだものの、道には雪はなく意外と普通。
この日は苫小牧に一泊することになっていたので、市街地にむけて走る。

とにかく道が広い。
そして暗い。

道に広がる草むら。
「鹿注意」の看板もいたるところにあった。

「本当に鹿出たらどうする?」
鹿が当たったら車へこむって聞いたことある。
「鹿ってひいちゃったらどうするんだろうねぇ。結構大きいよねぇ。」
などと、運転者の夫と鹿談義をしながら車を走らせる。

と、

おもむろに前方暗闇に光る6つの目を発見する。

「で、出たっ!」 「シカだ―!!!」

道ばたの草むらで
こちらを見ながら草をはむ鹿が3頭。

いきなりの出会いにビビる。

ほんまにおった鹿!!

鹿注意の看板は、リアル注意喚起だった。

娘は鹿を見たが、反対側に座ってた息子は見逃したらしく、鹿?どこ?どこに?と、ついていけてない。

「さっきおってんで。」と説明するも、見れなかったことにお怒り気味。
「道端に目が光っててん。またおったら教えたげる。」
と言い聞かせる。

地図で今日の目的地を確認。
暗いのと、前方に誰も走っておらず若干不安になる。
一応、道はあっているらしい。

道合ってるよ、といいながら、
ふと前方に目をやると

「うわ、また鹿いたーー!!」

またもや、鹿2匹が草むらからこちらを見ていた。

今度も見逃した息子と、今回は通り過ぎる直前で気づいたために娘も見逃したもよう。
2人で「どこどこどこ?」となっている。

さっき3匹とこの2匹、いきなり5匹も鹿に遭遇?
調べてみると、苫小牧市は鹿の事故件数が道内ナンバー1とのこと。
ほんとうにビビる。

鹿を引いてしまうと、警察を呼ぶことになるらしい。
動けなくなった鹿は野生にもどれず、殺処分になるらしい。
ドアがあかなくなったりと結構な修理になるが、修理に保険適応ができない場合もあるらしい。
などネットで鹿についての知識を詰め込む。

ワイルドだ。

われわれの住むことになる、「中札内」は、鹿事故件数上位には上がっていないらしいことを確認。

よかった。と胸をなでおろしつつ、
でも熊は出るらしいのであまり安心はできないなと思う。

ワイルドだ。北海道。

実際に来てみると、実感がわいてくる。
ここは、われわれが暮らしてきた便利な都会とは別の世界である。
大きな自然があり、そこに人間が間借りして暮らしている。
だから、そこには動物が当たり前に暮らしている。
闇と恐れがちゃんとあり、人間の力の小ささも実感できる世界。
都会では忘れがちなそんな体感を子供たちにもさせたくてここに来たのだった。

20時20分にお目当ての回転すし屋さんに滑り込み入店、
20時半ラストオーダーで、かなり駆け足でお寿司を食べる。
北海道の回転すしはクオリティが高い。
ここで旅行クーポンを使い果たす。

セイコーマートでメロンアイスを買って、お宿へ。
猫OKにしてもらった宿で、船旅でつかれきった猫をケア。
万能猫用おやつ「ちゅーる」で機嫌を直してもらって、4人と1匹で団らんする。
翌日はいよいよ引っ越し荷物運び入れの日。
まるで観光気分でまだ移住の実感はわかないけれど、なんだか楽しい。
船旅と鹿遭遇で、もうかなり濃い体験をさせてもらっている。
これからさらにいろいろあるのだと思うと、楽しみでしかない。

周りの環境を変えることで、人は成長していく
見えていない道であるこの道を選んでよかったと思う。

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