居酒屋のバイト

　学生バイトの代表といえば居酒屋などの飲食店バイトかなと
　私もそういえば学生の頃にたった4～5ヵ月だけ居酒屋してた
　入店のときに採用してくれたかっこいい店長が3日で異動した
　新しい店長がちょっとヤンキースな感じでパワハラの毎日へ

　「陽太！女の子（のバイト）と話してないで販促して来い！」

　とか言われてチラシ持って居酒屋の制服のまま駅まで出陣で
　チラシ撒いても撒いても虚しき山・・・駅構内で配り続ける
　それでたまにお姉さんとかの“今度行くね！”とかに救われte'
　大体同性の男らというのは私に目もくれず受け取り去るのみ

　受け取ったチラシ丸めて目の前で捨てる中年男性も居た記憶
　そのときはショッキングだったんだけど今では気持ちわかる　
　店にお客さんが入り出す頃にまた戻って今度はホールの仕事
　それで仕事上がりのサラリーマンらが宴会宴会で盛り上がる

　「陽太！おまえまた注文間違えただろっ！？」

　入りたての頃に注文を受けてハンディの入力ミスが多かった
　それでよく怒られていたが怒られ役が定着し他人のミスまで
　いやそれ私じゃなくてBさんのハンディの入力ですと指摘でも
　終いには尻に蹴りを入れられるようになり完全にパワハラだ

　また酔っ払いのお客さんから絡まれてとりあえず先輩を呼ぶ
　深夜に来る客はなぜか陽気で有難いお客さんが多いがこわい
　サイトシーイングな外国人観光客はとりあえずマナーわるい
　優しい先輩もいたが何であの人たばこ勧めてきたんだろう？

　「陽太！宴会用のたこ焼きの在庫がねぇどうしたらいい？」　　
　
　・・・知らねーよ！と思いつつも代替品の在庫を探し出す私
　おまえ頭いいなぁーっ！と言われニコニコしてる傍で揚げる
　・・・が！一度に大量に冷凍食品を揚げると温度下がるのだ
　優しい先輩が出てきてそういうことを教えてくれた記憶ある

　「おぃ陽太！パチンコ行くぞー！」

　医者の息子だとかなんだとか本当か知らないけど変な先輩が
　パチンコ台の脇でジーッと彼が打つのを見ながら何か話して
　当時流行っていたEminemの爆音の中マジェスタを私が運転し
　Nujabesなんか聴いてんの？と笑われたがその後の記憶がない　

　嗚呼その先輩も共に飯食った愚痴ってくるエヴァ大の先輩も
　気づけばバックれてお店から居なくなりバイト男子が減った
　理由は上述を読めばわかるのだろうが私も辞めようと考えた
　夏休み帰省せずにレ〇パレス借りてまでしてよく続けていた

　出勤して最初にするのはお通しを50個前後つくることだった
　基本ホールで働いてたが愛想が今思えばわるかったのだろう
　ドリンカーと調理補助にまわされてファジーネーブル・・・
　今思えば安くて薄いカクテルだがリキュール覚えてつくった
　　
　「すみません留年しそうなんで辞めます」

　ある日挨拶いつもパワハラしていた店長が急に（´・ω・｀）
　店の縁の下の力持ちの優しい先輩は卒業したら社員になれと
　たった数か月しか居なかったのに隣の店のバイトの人たちも
　明け方のCoco'sで20人くらいのお別れパーティをしてくれた

　濃い濃い4～5ヵ月のバイトだったような気がする
　しかしあの人たちは今どうしているのだろうか？
　そのバイト辞めてから私は立ち直りガリ勉になる
　大学編入試を控えていた9か月前くらいの秋だった

　今は居酒屋バイトは時代が違い人気がないのかも
　でも（2000）年代はまだまだ学生バイトの典型で
　酒たばこなんやら覚えてしまうような話であって
　忙しかったし何やらいろいろあった気がするなぁ

　いろいろ世話をし世話をされて暮らしてたのだな
　いろいろ世話をされ世話をし生きていたのだなぁ　
　　　

　了，30min．

※本記事の著作権は陽太に帰属します．

陽太｜自然哲学とその独自の易学を専門とする在野研究者
yohta.yingyang(at)gmail.com