【理想の三線探偵団11】完結編 〜手作り三線・自作三線できました〜
これまで、10回に渡って「理想の三線(ただし、安価で)」というものを追い求めて来たわけですが、この年末、年の瀬になっていよいよ完成しました。
2棹同時に作っていたので、兄弟作品です。
この三線、手作りの自作品で、かなり整形にも塗装にも時間がかかってしまいましたが、なんとか形になりました。
木材はそれほどよいものではありません。あしからず。
ただし、形状のほうはけっこうこだわっていて、昔づくりの「細めの棹」を意識しています。
そのせいで、昨今の作例にないほど、軽めで細めに仕上がっています。
糸巻きも自作。ちょっと硬めの木を根気よく削り出しました。
天の処理は、2タイプに分けました。今風の丸い落とし方と、昔ながらの山形の落とし方の二種類です。
ティーガーは、家紋をあしらった紫の布で作りました。紐を緑と黄色にして、エヴァカラーで演出してみました。
紐の処理は、今風のぐるぐる巻タイプで。最近こういうのが流行していますね。
猿尾はどうしようか迷ったのですが、左大文字製作の楽器ではおなじみの自作音緖タイプにしました。
このタイプは本州の三味線で使われるものとおなじ弦のくくり方をするのですが、取り付け、取り外しが素早くできるのでこちらを採用。いわゆる三味線方式です。
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三線づくりは、理想的形状を削り出すのも大事なのですが、今回は人工うるしを手塗りしたので、かなり塗装の醍醐味を味わうことができました。
めちゃんこ日数がかかります!!
吹付け塗装だと早いのかもしれませんが、「手塗り」と「研ぎ」を繰り返して製作したので、ぶっちゃけ塗装だけで1ヶ月半くらいかかっていると思います。
もうちょっと磨きをかけることもできますが、まあ、このくらいで勘弁しといてやろう、という「よしもと新喜劇」みたいなことになっています。
エッジをきちんと立てるように塗ったり研いだりしています。
今回は本当に、うるし系塗料の塗り方の奥深さを勉強させていただきました。
一度最初から最後まで作ってみると、三線という楽器の面白さがわかります。(いつか皮張りもやってみたいですが、今回胴は購入しました)
というわけで、理想の楽器探しも、ひとまずこれで終了。好みの太さ、好みの重さを考えながら、木の段階から絞り込んでいるので、演奏感はバッチリです。
これから弾き込みながら各部の調整をしてゆきます。(部当てはすでに終えていますが、上コマの弦高調整やら、下コマを変えたり、やりたいことはいろいろあります。
実は、写真ではまったくわからない箇所ですが、棹の中央部もちゃんとわずかに凹ませています。
でもトゥーイが手塗りなので、もしかするとどこかでビビリが出る可能性もあるので、そのあたりもシビアにみてゆくつもりです。
さて、オチのお値段。胴が5000円弱、棹やらその他の部材は廃材や中古なので2000円くらい。あとは100均も活用しています。
1棹8000円もかかっていないのではないかな。手間はそのかわり、アホほどかかりましたが(^^;;;
(おしまい)