笑ってはいけない三線づくり24時! 〜棹がおっきくなっちゃった〜


 ででーん!アウトー!

でおなじみ、けして笑ってはいけない三線づくりのお時間です。

 前回は「めちゃんこ短い棹」が転がり出てきたので、それを好き勝手に修正するというお話でしたが、いよいよ今回は、寸法を伸ばします(笑)

 ウクレレサイズの棹を、ふつうサイズにでっかくするという

掟破り

の手法です。笑ってはいけないし、まねしてもダメですよ(^^

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 昔作った、こーんな棹を加工中です。この棹、ウクレレサイズの短い棹なので、逆に「伸ばし」ます。

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 まずは6センチくらいずつ、ぶった切って、それから縦方向に切り込みを入れてカットします。この6センチの部分で力学的に「張力をもたせる」わけです。

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↑こんな感じで加工します。三味線弾きにはおなじみの形状ですね。

もちろん、三味線の場合はここからまだ先が突き出していて、さらに力学的に強くなっていますが、加工がめちゃくちゃ難しくなるので、これくらいでOK。

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 こんな感じで継ぎました。上の棹と下の棹は、継ぎ方が全然違います。

 元の棹の形状や、木目などを勘案してそれぞれ継ぎ方を変えています。

 力学的に強いのは下のほうです。

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 上の棹は本州の三味線方式で継いでいます。下の棹は、寸足らずの箇所を足して継ぎました。

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 なんだかすごいことになっていますが、お約束どおり、「笑ってはいけない」ということで!(苦笑)

 接着剤は「木工用ボンド」で大丈夫です。木工ボンドはしっかり接着すると、木材の箇所よりも強くなるので、たとえば、木工ボンドで継いだ棒をお折ろうとしても、ちゃんとついている場合は「ボンドの箇所ではないところ」が折れるほどです。

 しかし、そこまでの精度で木材を加工して、その上で密着して付けるということはなかなかできません。その場合でもたっぷり木工ボンドを付けて貼り合わせるだけでOKです。

 ここでは、「ざっくり」ですが、あとで強度を出す施工をしてゆく予定です。

 ただ、木工ボンドは湿気にあまり強くないので、完成した楽器を雨に打たれながら弾いたりすると、接着部分が剥がれる恐れもあります。(そんなことめったにしないけど)

 それが怖い人は、耐水性が高い、「タイトボンド」とか「ゴリラボンド」などの海外製の接着剤で付けてください。国産のいわゆる木工用ボンドは基材が水なので、水分で(溶けて)戻ってしまうタイプです。

 ただ、最終的にうるしでコーティングしますから、ほとんど剥離や劣化の恐れはありません。

 まあ、あまり堅苦しく考えず、「三線づくりの練習」くらいの気持ちで、好きなように加工してゆきましょう!

 というわけで、次回は、「接着のキモ」をお伝えします。他の木工などでも使えるヒントをお届け!


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