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「月次決算加速へのこだわりが生んだBill Oneビジネスカード」創業から続く”七人八脚”を体現したプロジェクト

「プロダクトローンチから1年でARR1億円を達成すれば成功」といわれるSaaS業界の中で、ローンチ1年でARR3億円、3年目でARR37億円を達成したBill One。2023年5月には法人カードサービスの提供を発表しました。

法人カードの提供を発表した時点ですでに200社への導入が決定しており、Bill Oneの決済領域への参入は話題を呼びました。

「今回のプロジェクトはSansanのカルチャーを体現している」と語るのは、Bill OneビジネスカードのPdM(プロダクトマネジャー)である角南。角南にプロジェクトの裏側を聞きました。

角南 美琴(すなみ みこと)
Sansan株式会社 ビジネス開発室

2008年、創業期のSansanに10人目の社員として入社。営業、人事、カスタマーサクセスなどを経験した後、2016年以降は営業DXサービス「Sansan」をはじめとする複数プロダクトのPdMを歴任。仮説・検証を繰り返しながら新たなプロダクトの創出や、価値のアップデートに向き合っている。


何度も立ち返った“月次決算を加速する”という提供価値

—なぜBill Oneは法人カードの提供に至ったのでしょうか

当社の経理マネジャーへのヒアリングがきっかけです。
ビジネス開発室では、Bill Oneのプロダクトメッセージである「月次決算の加速」を実現するために定期的に当社の経理担当者へのヒアリングを行っているのですが、その際に経理のマネジャーから「実は法人カードの証憑回収や利用明細との照合がすごく大変。Bill Oneに連携できたらいいのに」という声が挙がったんです。

詳しく話を聞いてみると、当社では社員が法人カードを利用する場合、カードの利用申請者に対して個別連絡を行ってカード番号を共有、利用後にカード番号等が記載されている連絡を削除してもらう運用をしていました。

またそれ以外にも、法人カード利用時の証憑(請求書や領収書)を回収するという業務があり、漏れなく回収するために、各クレジットカード会社から届く利用明細と、社員から提出された証憑を一件ずつ紐付けて確認を行っていました。

当たり前ですが、証憑は社員それぞれのタイミングで提出するので、利用明細に書かれている決済順に並んでいるわけではありません。積み重なっている証憑の中から見つけ出すのは大変ですし、証憑が提出されていない場合はリマインドの作業も発生します。
私は利用する側だったので、裏側でこんなに大変な業務が発生しているとは知らず、この課題をなんとか解決したいと思いました。


―経理実務の経験はないとのことでしたが、どんなことに拘って開発を進めましたか

新しいプロダクトや機能をつくる際に意識していることが二つあるのですが、その一つがユーザーとなる人の業務を徹底的に理解することです。

私は経理の実務経験がないので、経理担当者の横に張り付いて業務一連の流れを見せてもらいました。そもそもどのような業務があるのか、どのくらい時間をかけているのか、どう工夫しながら進めているのかなど目の前で発生するすべてのプロセスに興味を持ち、理解をしようと意識しました。

もう一つは、プロダクトの価値にこだわることです。
業務の解像度が上がるほど、課題はたくさん見えてきます。しかし、何にこだわるのか=何を解決したいのかによって、打ち手は大きく異なると思っています。

一般的に法人カードは、利用してから管理画面に決済情報が反映されるまでに数日かかりますが、Bill Oneビジネスカードでは利用後に即時反映されます。反映後は自動で証憑の提出依頼の通知が届くようにし、さらに一定期間証憑の提出がない場合はリマインドが送られるように設計しました。
利用直後に証憑を回収できるようにすることで、経理処理までのリードタイムを短縮し、結果としてBill Oneが追求している月次決算の加速を実現できると考えたからです。

実際にBill Oneビジネスカードを利用いただいている企業の多くは、決済の翌日には証憑が提出されています。以前の業務と比較して、経理担当者の負担が少なくなり、かつ、素早い証憑回収ができる体験をつくることができたと思っています。

開発をしていくなかで迷うシーンはたくさんありますが、判断の拠り所にプロダクトの価値を置くことを意識しています。

「このサービスに早く出会いたかった」の言葉で報われた

―このプロジェクトが進むなかで印象に残っていることは何ですか

「七人八脚」を体現できたことですね。
私はSansanに10人目の社員として参画していますが、部署を超えて全員が一致団結して向き合う「七人八脚」というカルチャーは、当時から大切にされています。

Bill Oneビジネスカードは、今でこそニュースなどでも話題にしていただいていますが、実際には「決済サービスなんて本当にできるのか」という声が社内でも挙がっていました。それだけこれまでとは領域も異なる難しいチャレンジだったんです。

エンジニアやデザイナー、セールスやマーケタ―など、さまざまな部署に所属する200名近い社員がこのBill Oneビジネスカードに携わっていますが、一人ひとりが自分事化して目の前の高いハードルにチャレンジをしてくれました。
本当に嬉しかったですし、何かを実現する時の団結力こそSansanが持つカルチャーであり、強みだなと改めて感じた瞬間でしたね。

―提供開始前にも関わらず導入企業は200社と反響がありましたが、どんな気持ちでしたか

まだどの企業も導入していないサービスに対して、「これならきっと課題を解決できる」と価値を信じていただけたのは大変ありがたかったです。

ただ、私自身本当に嬉しかったのは実際に使っていただいたユーザー企業からいただいた声でした。

経理担当者の負担を少しでも減らし、月次決算を早くするという体験を届けたい。そんな想いで向き合ってきたので、利用した方から「このサービスに早く出会いたかった」という言葉をいただいた時は、今までの取り組みが報われた気持ちになりました。

新規事業は正解がないので不安になる日もありましたが、本当の意味でやって良かったと思えたのはこの言葉をいただけたときでした。

Sansanだからこそ生み出せる価値を届け続ける

―これからの抱負について教えてください

創業期のSansanに入社してもう15年近く経ちますが、私はこの会社が解決しようとしている課題にとても共感しています。
Sansanはビジョンとして「ビジネスインフラになる」を掲げていますが、私たちが届ける価値がビジネス活動をする上で当たり前の存在になりたいと思っています。

これまでSansanで複数の新規事業の立ち上げに携わることがあり、実際の業務をしているメンバーに話を聞く機会も多かったのですが、今ある環境の中で最大限の試行錯誤をして業務改善をしている人ばかりでした。それはとても素晴らしいことだと思っています。

一方で、普段その業務に携わっていない人間だからこそ生まれる抜本的なアイデアもあると思っています。私はその新しい視点から課題解決できるソリューションを生み出し、新しい当たり前をつくっていきたい

入社して15年間さまざまなチャレンジをしてきましたが、Bill Oneビジネスカードに携わったことは改めてSansanのカルチャーや強みを再認識できる機会にもなりました。これからもSansanだからこそ生み出せる価値を届けていきたいです。

【もっと「Bill One」を知りたい方へ】
他にもBill Oneに関わるメンバーのnote記事を公開しています。ぜひご覧ください。


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