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麻酔vs私 リベンジマッチ

麻酔との戦いで大敗を喫したのが約一ヶ月前。
因縁の相手と再び対峙する日がやってきました。


「次は麻酔に勝てるように頑張って」
聞いたことない激励の言葉をいただき、次の手術も楽しみにしていました。


お酒に強い人は麻酔にも強いと風の噂で聞き、一時退院期間中、ここぞとばかりに缶ビールのプルタプを気持ちよく開けました。

元々そんなに強くないうえに、約二ヶ月の間お酒を飲んでいないもんだから、余計弱くなっていた私は半分も飲んでいないうちに酔っ払いになるお酒弱いマンになってしまっていたので、この方法は今からでは間に合わないことを悟りました。


この時の私は、これからどんな手術を受けるか知りません。
呑気なままでいられなくなることを、この時の私はまだ知りませんでした。


一時退院して羽を伸ばしきり、また入院することをうっかり忘れてしまいそうになった水曜日、

入院前の検査を受ける予定のためまた病院に戻ってきて、そういえば靭帯切れっぱなしだったんだ、と思い出しました。 


レントゲンやら、MRIやら体の中をまたスケスケにされました。
年頃の女の子なのに恥ずかしいです。
いやもっと恥ずべきなのは事の発端、橋の上から飛び降りたことです。
⚠️橋の上?とここで疑問んが浮かんだ方は、ぜひこれの一つ前の投稿を読んでください。


そして、無事に検査も終わり、先生との問診で良い話と悪い話を聞きました。
怪我人に選ぶ権利はありませんので、良い方から教えてくれました。


良い話は、お風呂の時以外寝る時も肌身離さず付けていた愛着湧きすぎコルセットが8月の最初で外す許可が降りるかもしれない事。

悪い話は、次の手術は何だかとってもとっても痛そうなこと。
担当の先生から手術の話を聞いたというより
担当の現場監督から施工の話を聞いたという方が
何だかしっくりくるような説明でした。
ドリルで足の骨を削るんですってよ。
「部分麻酔もできるけど、自分の骨がドリルで削れて行く音聞くの嫌だよね。」
穏やかな声で先生に聞かれ、全力で首を縦に振りました。
ええいやです嫌すぎます耐えられません。 


ということで、めちゃめちゃ前言撤回です。

怖いです。楽しみとかいいませんもう。
お酒弱くなった私グッジョブ。よくやった。
麻酔、たくさん効いてくれ。

本来なら手術台の上に寝転がった後に麻酔がかかるんだけど、もういつ麻酔がかかったかも分からんようにしてくれ。とさえおもいました。
叶うことならコナンくん愛用の時計型麻酔銃で不意打ちして、気がついたら手術終わってたとかにしてくれ。

そんな非現実的なことを思ってる間にも手術までの日は刻一刻と近づいてくるのでした。


そして手術当日です。

ちょっと押してるという手術時間の緊張に耐えられず中華料理が美味しそうなドラマを見てお腹が減っていることを思い出し後悔したり、
すでに手術を終えてリハビリを始めている高校生に励まされちょっと元気になったりしているうちに、看護師さんから準備のお声がかかりました。

前と同じ、手術着にコルセットという出落ちコントスタイルでも全然笑えません。
だって怖いんだもん。
残念ながら自分の足で手術室に向かっている時も私のコナンくんは現れませんでした。


仕方がないので手術室に入り、自分で台の上に寝転がりました。
緊張を和らげようとしてくれてるのか、先生がコルセットジョークをかましてくれました。
大丈夫です。私は今、コルセットジョークで笑えています。
そして流れるような動作で点滴から麻酔を打たれます。
こんな緊張の覚醒状態で麻酔なんて効くのかよ。


「もう橋から飛び降りたことは恥ずかしいので言わないでくださいよ〜!!」


・・・
・・・
・・・


「起きてください!終わりましたよ!」

あっ、そうですか。

ん?終わっ?
え、私寝て?
寝れてた?
やったぁ、、、え?

私は、一体いつから眠っていたのでしょうか。


こうしてまた麻酔に惨敗し、手術後に混乱をしてしまうのでした。
デジャヴすぎる。

ありがたすぎる麻酔に抗おうとしていたことを再び反省して、痛い思いをさせないようにしてくれる麻酔に深く感謝をすると心に決めました。

ちなみに、術後一番痛かったのは足でも何でもなく、呼吸器を突っ込まれていた喉の奥でした。

美味しいトローチを処方してもらって無事治り、美味しくご飯が食べられているのは、また別の話。

怖くてもやってみると意外と大丈夫なんてことはきっと手術以外でもたくさんあるのかもしれません。

もし、痛くても、大丈夫です。
治るやつは治ります。
治らないやつには、慣れます。
慣れて、大丈夫な強い自分に成長するんだと私は思います。

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