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折々の1本 -2021年3月⑦-

写真は自然な形で日常生活と地続きの光景を撮っていけると素敵だよなぁ、と思います。

ですが生活光景を記録するためだけにカメラをたずさえているわけではないので色んな街を歩く時間を積極的につくっています。私にとって撮影は街を散策してオリジナルの地図をつくることでもあるからです。

眺めていて楽しい大きな地図をつくるには、継続することが1番大事だと分かっています。が、なかなか難しいです。

今まで見落としていた瞬間に気づける自分、何か受け入れられない現実に抵抗しようとするハングリーな自分、好きな人をにこにこさせちゃう手紙のように書こうとする自分。

こういう自分たちとの接点にいない限り、私は歩くことと写真を撮ることに魅力を感じなくなります。

カメラは「とにかく街に出て歩きましょう」と私に語りかけてくれます。

『こころ』や『ノルウェイの森』など日本で爆発的に売れた小説には、散歩シーンが多く、大事なことのほとんどが散歩を通して浮かび上がって来ます。

私がとにかく沢山歩くのは日本文学から受けた影響が大きいです。

歩いて撮るということを、他者や自分を肯定し、他者や自分を認める行為の積み重ねにしたいです。

転がる石のように一般道をゆっくり歩きながら非効率的に撮るのを私は好みます。

一般道に、他者や自分との向き合い方のヒントがちりばめられている気がするからです。

「この散策中に何がおこるか私は知らない」という状態が最高に贅沢でワクワクします。

最後まで読んで下さってどうもありがとうございます。

-追記-
色々と考えることがあってフィルム1本に言葉を添えるのは10本目までにする予定でいます。その後は、写真だけを載せるか、ある程度自分を抑制して書くか、note自体の更新をやめるか、検討中です。いつもこのnoteに反応してくださる方々に感謝しています。

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