見出し画像

折々の1本 -2021年3月①-

1本のフィルムに焼きつけた景色を目の前に積みあげ、実際にその景色の山を俯瞰し、日々つけてきた足跡を辿っていきます。

写真と文章で自分と景色との関係性を目で見えるように保存したいという気持ちもあります。

以前読んだ紀行文に、山形県の「遊佐(ゆざ)」という地名の漢字が美しく軽やかで楽しげでスマートだからその土地を旅の目的地にした、と書かれていたんです。

さすがに山形県には行けませんが、私も東京都内で駅名が1番美しくスマートな駅に行ってフィルムに景色を焼きつけてみようと思い立ちました。それからしばらく路線図と睨めっこしながら考えてみたんです。

御茶ノ水?神楽坂?ひばりヶ丘?

考えながら私はダーツを投げ、突き刺さった駅名は「上野」でした???

たまたま秋葉原の《にっしんカメラ》でフィルムカメラを購入したのでご近所の上野がスタート地点になっちゃいました...。近いうちに駅名が美しい聖蹟桜ヶ丘に行ってまいります。

〈よく2人で散歩をする。それは小さな旅行のようで、角を曲がるたびに、新しい風景に喜ぶ。〉
 
『もう、家に帰ろう』(藤代冥砂)から私は散歩撮影の楽しみかたを学びました。

角を曲がるたびに、新しい風景に喜びたいですし、喜ばせられる人でありたいです。

疲れること、くたびれることと引き換えに日常空間とつながって、しっかりと体感のある写真が撮れますように。

誰かと街を歩くとします。

喉が渇いたら喫茶店に入ってコーヒーを飲む、おのおのフィルム数本分の景色を写して現像に出しに行く、それだけで最高に贅沢だと、すっごく楽しかったと、そんなふうに思い思わせたいです。

そういう人になれるように、明日からも楽しみながら撮影し、誰かとつながろうとして文章を書きます。

最後まで読んで下さってありがとうございます。

この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?