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SNSの日常化が「読解力」を低下させる理由5つ。Youtubeの「面白い動画」の圧倒的多さと「分かりやすい解説動画」の圧倒的少なさが、読解力低下の原因になる。


はじめに:YoutubeやLINEは読解力を低下させる


熱心に勉強せず、YoutubeやLINEばかりに熱中する子供をイメージしてほしい。Youtubeは分かりやすく解説した動画や楽しく悪ふざけしたり、商品を紹介したりする動画が主だ。そう考えると、楽しく悪ふざけをしたり、商品を紹介したりする動画は、読解力の向上には寄与しないことは容易に分かるだろう。しかし、問題は、「分かりやすく解説した動画」の方だ。これは、確かに教材としては優れている。興味があることを分かりやすく紹介・解説することで、多少の読解力はつくし、もし、分からないことを掘り進めていけば、知識は増えていくだろう。しかし、読解力向上には妨げになる。しかも、読解力を低下させることにもなると思う。


なぜ、「Youtubeの分かりやすい解説動画」が読解力を低下させるか。5つの理由。


理由は5つ。

1つ目の理由は、「本当に分かりやすい解説動画」が実は非常に少ないこと。分かりやすい解説動画を作ることは実は非常に高度な技術が要求され、労力も使うために、実は、絶対数がそう多くない。

例えば、縄跳びの「二重跳びを跳べるようになるための解説動画」を想定してみてほしい。もちろん、実際にYoutubeで検索すればわかる。確かにいくつかあるが、核心的なものはない。二重跳びが跳べるようになるには、「手首」の使い方が重要だ。その細かい神経質な感覚を伝えることは容易ではない。実際に教えてみれば分かるだろう。人々は、自分が「なぜそれをできるのか」を客観的に説明することが苦手だ。「なんでできないんだ!」とカッとなってしまう経験は誰しもあるのではないか。

二重跳びの例を挙げたが、知識的なことについても同じだ。例えば、「This is a pen」は正しいが、「This is pen」が文法的に間違っていることを分かりやすく説明した動画があれば教えてほしい。冠詞の「a」の意味だけではなく、なぜ英語には冠詞があるのか、というところまで深堀しなければならない。そのような動画を作るのは非常に手間だ。

だから、Youtubeには「本当に分かりやすい解説動画」というのは非常に少ない。むしろ、一定程度の知識や読解力を前提とした上で動画が作られている。そのため、子供たちが「分かりやすい解説動画」をみても理解ができないのだ。

2つ目の理由は、子供は、「解説動画」よりも「面白い動画」を観たいからだ。当たり前のようだが、実は、これを深く理解できる大人は少ないだろう。1つ目の理由で説明した通り、子供は「分かりやすい解説動画」でさえ理解できないのだから、そのような解説動画は見ないだろう。なぜなら、理解できないからだ。理解できなければ、興味が持てないし、それに興味がもてなければ、違う「面白い動画」を観るだろう。

しかも、もっと悪いことに、勉強のための教材も「本当に分かりやすいもの」というのは、実はほとんどない。本来、アルファベットを覚えたばかりの子供に、「This is a pen」の文法を分かりやすく網羅的に説明するのには、何十時間もかかるはずだ。冠詞、代名詞、動詞、be動詞、名詞、ピリオドの意味、文頭を大文字にする意味、SVOという語順、などなど。これらを分かりやすく説明するのは容易ではない。だから、英語が苦手な人は、急に関係代名詞といわれても何が何だか分からなくなってしまう。そうすれば、英語を勉強することを放棄してしまうだろう。今やポケトークやグーグル翻訳があれば、英語など知らなくても生きていける。


3つ目の理由は、Youtubeという娯楽がある以上、興味分野は非常に狭まってしまうということだ。今までは、図鑑を観たり、自然の中で遊んだり、小説を読んだりすることで、子供たちは興味範囲を広げてきた。ある子供は魚に興味を持ち大学の教授になったろうし、ある子どもは宇宙に興味をもって宇宙飛行士になった。現在の子供はどうか。Youtubeには面白い動画があふれている。「分かりやすい解説動画」が皆無である一方、このような「面白い動画」は無尽蔵にある。現代の子供は、興味範囲を広げることなく、Youtubeというぬるま湯につかり続ける。これでは、新しい知識を得ようという意欲はでないだろう。統計をみれば分かるだろう。あなたは将来何になりたいですか、という質問に対してYoutuberが急浮上した。花屋でもなく、宇宙飛行士でもなく魚屋さんでもない。Youtuberだ。ここまで読んで下さった方には、Youtubeの恐ろしさが理解できるだろう。我々大人(20歳以上)には想像もできないほど、Youtubeが現代の子供たちに与える影響は大きい。しかも、特に、読解力という点からみれば、相当な害悪だといっても差し支えないだろう。興味範囲が広まらなければ、語彙が限定され、読解力は低下する。

4つ目の理由は、なぜ、興味範囲が狭まると読解力が低下するのか、ということに関して、専門的な人であっても他分野での読解力は実は低いということ。上で、子供は面白いYoutube動画しか観なくなり、興味範囲は狭くなる、と指摘した。以前は、自分の興味があるものは本を読んで探したりししたてきた訳だが、現在は、子供たちは簡単に答えを得ようとネットで検索するだろう。宇宙に興味がある子供は、ネットで色々調べてぺテルギウスの超新星爆発について知るだろう。見たいものだけ見れるというのは、良いことのようだが、興味範囲はどんどん狭まる。狭まって専門家になれればいいように思うが、専門家は確かに知識は多いが「読解力」があるとは限らない。むしろ、何かにのめり込むほど「読解力」は低下するだろう。なぜか。例えば、宇宙に興味がある子供は、宇宙に関する莫大な量の写真や動画を見て、ペテルギウスはこう、M76星雲はこう、というように単発的な知識を重層的に身に着けていくことになる。これは、確かに学習行程としては理想的はあるが、「読解力」とは無縁だ。例えば、「超新星爆発の仕組み」とか「ブラックホールの謎」とかそういうものをどんどん吸収していくうちに、宇宙に関する知識はとてつもないペースで増えていくが、馴染みのない言葉を含んだ少し複雑な文章を理解できなくなる。理解しなくても済むからだ。こうして、宇宙の専門家になれて、宇宙関連の論文を読むことができるようになっても、馴染みのない分野の少し複雑な説明文や小難しい話が理解できなくなってしまう。もちろん、宇宙の専門家を否定するわけではないし、そのような専門家は絶対的に必要だが、限られた分野の専門家になっても一般的な「読解力」は実はつかないのだ。

5つ目の理由として、先ほど、限られた分野の専門家になっても読解力はつかない、といったが、一方で、専門家にならない人はより一層読解力がつかないと指摘したい。興味範囲が狭まり、Youtubeのおもしろ動画ばかり見ていたら、読解力はつかない。ただ、それだけだ。しかし、ここで問題なのは、専門家は社会に必要とされるが、読解力も専門性もない人はどうなるか?と考えていただきたい。単純労働を強いられることになるだろう。それでもいいのなら否定はしないが、暗い人生が待ち受けているだけなので、おすすめはしない。この点については、「なぜAI時代に読解力が必要か」、という記事を読んでいただきたい。専門家と非専門家の格差は増す一方だろう。


Youtube以外のSNSはどうか?


Youtubeの面白い解説動画が子供の「読解力」向上に悪影響を及ぼす、ということを述べてきたが、同じことが、LINEやFacebook、Twitter、インスタグラムにも言える。読解力の必要のない面白い投稿であふれている。読解力を必要としない面白いコンテンツがあふれた社会が子供に与える影響は大きい。日本人の読解力は統計上も低下している。おそらく、スマホの普及した先進国すべてで相対的に低下しているのだろう。


その中でも日本が特に読解力が低下している?


真偽については定かではないが、日本人の読解力が他の国と比べて相対的に低下しているらしい。なぜか。日本の教育制度に問題があると思う。読解力う点に非常に盲目的になっているのだ。おそらく、現代文の学習時間をもっと増やした方がいい。


まとめ


SNSが読解力を低下させることについて述べてきた。Youtubeの「分かりやすい解説動画」が読解力を低下させる理由を5つ挙げた。

1つ目は、子供にとって「本当に」分かりやすい解説動画というのは実は非常に少なく、ほとんど皆無といっていい、ということ。

2つ目は、1つ目の理由から、子供たちは「面白いが読解力のつかない動画」を見てしまう、ということ。

3つ目の理由は興味範囲を狭めてしまうということ。

4つ目は専門家になってもその分野の読解力は優れていても、他の分野の読解力は限定されてしまう、ということだ。

5つ目の理由は、専門家にならない人が増える一方、そのような人は専門家よりももっと読解力がつかない、ということだ。

Youtubeと同じように、インスタグラムやLINE、Twitter、Facebookも同様に、面白いが読解力のつかないコンテンツだ。Noteにもその傾向はあるが、相対的には低いだろう。しかし、特に、タイトルしか観ずに、本文を読まない人は要注意ですよ。

きたるAI時代に「読解力」をつけていきましょう!使えない人間にならないように!


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