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自分でつくる「自分スタイルの環境」。。。:Aストーリー(中本 剛)2

会議室には、楽しそうな表情の佐倉とわくわくしている目をした中本が、対面で座って話をしている。

大学時代の友人の福本から教えられたコミュニティに参加した中本は、参加者の話やコミュニティの主催者である佐倉との話に、今まで感じたことのない感情の高ぶりを密かに感じていた。

福本が会社を辞め、「10年後の自分」を考えて、ベトナムへ渡り新しい仕事へ挑戦した話から、自分の将来「10年後の自分」という言葉が気になり、コミュニティの会合に参加した中本は、主催者の佐倉から「自分スタイルの環境」を作る事が大事だと話された。

「自分スタイルの環境」とは、どういうことなのか?自分のやり方で環境をつくるのか?何のための環境なのか?環境を作るとはどういうことなのか?頭の中はぐるぐると思考で堂々巡りになっていた。

剛(中本):佐倉さん、先ほどの「自分スタイルの環境を作る」ということについて、佐倉さんのお考えを聞かせて頂けませんか?言葉通りの意味は、分からないわけではないのですが。。。

佐倉:そうですね。まず最初に考えることは、人は環境により作られるということです。今までの人生において、出生から現在に至るまでの家族や社会の環境により今の自分が出来上がると考えてみて頂けませんか?
人それぞれの環境で、それぞれの個性が出来上がり、考え方のくせも出来上がっています。
誕生日とか血液型とかの占いの話ではなく、育ってきた環境で今の自分が作られていると考えてください。
裕福な家庭に育ったり、逆に貧困の家庭に育ったり、学生時代に出会った友人や先輩後輩、その時の社会の経済や世情だったり、色々な要素が自分に影響を与えている。
何が正しいとか、何が悪いとかではなく、今までの自分が生きてきた環境を考えてみる。
それで、自分は何ものか?を自分が認識する必要があります。
大事な事は、自分を理解することだと思います。

剛:おっしゃっていることは理解できますが、中々難しい感じがします。

佐倉:色々あるので、そう思ってしまいますが、ご自身のことです。ポイントは、言語化するということ。つまり、書き出してみることなんです。頭で考えているから難しいので、自由なスタイルで書き出してみると、その後整理しやすくなります。
ビジネスフレームワークや、心理分析とかでも行われています。ただ、書き出すだけからスタートすると取り組みやすいと思いますよ。
今の自分が分からねければ、将来の自分への思いや目標があっても、そのギャップを明確にできないからです。目的は、ギャップを明確にすることなんです。
今までは、自分で選択できなかった環境を今の自分は環境を作ることができるということです。もちろん自分で作れないものもありますが、ギャップを埋める為に自分の環境を選択していけることが可能だということなんです。


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佐倉が話始めたのは、ビジネスの話というより個人の話から始まった。中本は、佐倉の話を聞きながら、自分のこれまでの人生を振り返って子供のころや学生時代と思い出を巡らせていた。
今の時点での自分を理解する為に、これまでの環境で自分が作られて来たと考え自分がどういうものなのか、状況なのかを理解することが必要だと佐倉は熱く語っていた。
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剛:佐倉さんのお話しは、「自分スタイル」の自分を理解するということですよね。  確かに今までの環境に影響を受けて今の自分があることは、共感しますが、将来とのギャップを明確にするという部分が。。。。もう少しお話しを聞けますか?

佐倉:人それぞれ自分の中に目標や夢を持ち、そこに向かって進む努力をしています。そこにも回りの影響を受けているものもあるかと思います。そして、そこに向かうために必要だと判断したことを選択して行動に起こしていくと思うのです。しかしながら、人それぞれですよね。同じことが有効に働くとは限らないと思います。もちろん共通する部分も多くあるかもしれません。人の話の成功や失敗は、その人の環境とその人の判断で起こったことです。参考になるかもしれませんが、自分の環境や自分自身の判断や考えなどは違うんです。人の経験や思想から学ぶべきことは、多くあります。成功事例、失敗事例、HowTo的な方法論など、でもそれを自分流にする必要があると思うのです。そこで、自分の性格やこれまでの体験を整理して、自分のことを理解しておかないと、次のステップへ進むことに誤解をしてしまうことも多いと思います。

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佐倉は、色々な情報を集めたり聴講して得られるものもあるが、それをそのまま鵜のみにするのではなく、自分流に作って自分の環境や性格に合わせて行動する必要があると言う。
確かに、同じことをやれば成功するなら誰もが成功する。よく継続することが大事だと言われるが、何を継続して行うか、それを自分流に作ったから行動することだと話す。
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剛:佐倉さんのお話しは、大変分かりやすいです。自分を認識することの重要性は、とてもわかります。確かに、成功事例や方法論みたいなものは、私も書籍や動画配信を見て、気づかされたものも沢山ありました。それを、行動に移すかどうかも大事だと思っていましたが、その行動の移し方も自分なりのやり方を考えることが大事だと言う事なんですね。

佐倉:そうですね。難しく考えると混乱していきますので、シンプルに考えることが大事です。それで、思いついたことを書き出し言語化することがポイントとなります。言語化することで、自然と頭の中が整理されていきますので。。。

剛:佐倉さんが言われた「自分スタイル」というのは、自分流ということですが、その前に自分を認識しろと言う事ですね。

佐倉:そうなんです。この「自分スタイル」を誤解して、すぐに自分流と思って行動してします。自分のことを認識していないので、勝手に自分はこのスタイルが都合がよいとか、「俺流」(ちょっと昔に流行りましたが。。。)みたいに思ってします。スタートの方向(ベクトル)が間違うと、時間の経過や努力の経過に伴って補正したり修正したりすることが難しくなります。
「自分スタイル」とは、自分を認識した上での自分流である必要があります。そして、今置かれている環境でどの様に進めるかを決めることです。できることの時間的問題や課題、コストに対するお金の問題など様々な条件が個人によって異なります。そこが自分流であるべきです。
そして、自分の目標(ゴール地点)を決めると、そこから逆算して中間地点、その間の経過地点を設定して自分のペースを決めることです。マラソンと同じですね。途中経過を設定してそれを評価することが大事になります。

剛:なるほど、途中経過ですね。確かに、一度に目標達成できないですし、それまでのステップで行動の計画も立てることなんですね。目標を設定して、逆算して行動を決める。その目標が「10年後の自分」だったりするわけですね。

佐倉;中本さんの言われている通りだと思います。良く言われていることですが、これが実際にやるとできないことが多い。それは、計画して行動することの覚悟ができないと挫折したり、自分のいい様に解釈して自分を納得させたりします。私もいつもそんな自分と向き合ってます。

剛:佐倉さんもそうなんですか?てっきり、きっちりと計画と行動を繰り返しいわゆるPDCAみたいな感じで成功されて来たのかと思いました。

佐倉:私は成功者ではありませんし、自分は凄く弱い人間だと思います。すぐ誘惑に負けてしまいますので。。。ただ、そんな自分を認識しているので自分スタイルの環境を作ることができました。コミュニティもその一つです。コミュニティに参加してチャレンジしている人や同じ様な考えの人と会い、相談したりする環境をもっている。これは、これからの自分を作っていく環境としてとてもありがたいものだと思っています。

剛:なるほど。。。自分のことを理解しているから必要な環境を作れる。それが自分スタイルということなんですね。

実は、先日のコミュニティのイベントに参加した時に、お話しを聞いたほとんどの方が、何かわからなかったり、自分の事を佐倉さんに相談した方がいいよ。って言われたんです。必ず解決の方法や「みちしるべ」となってくれるからって。。。。

佐倉:いやいや、そんなことはできません。ただ、皆さんのお話しを聞きながら一緒に整理して一緒に考えることはできるかと思います。人は、自分ひとりで考える時間も必要ですが、人と会話すると話しながら自分の頭の中を整理できたりできると思います。私も中本さんと話すことで中本さんを通して自分を見つめ直す機会を頂いています。

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中本は、佐倉と話しながら自分の事を考えながら聞いたり、イベントで聞いた色々な経営者の事が頭に浮かんでいた。
あの人たちは、自分のことを理解しその上で目標や夢を明確に設定して、その為の計画や行動をしているのか。。。。
あの失敗してリベンジしたいと言った経営者も今の自分の環境を見つめて、今後のことを自分スタイルで作っていたので、あんなに生き生きした感じを受けたのかもしれない。
そんなことを考えていた。。。
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剛:佐倉さんのお話しに凄く感激してます。「自分スタイル」という言葉が理解できたとまではいきませんが、凄くイメージできました。それで、もう一つお聞かせ頂きたいのは、「環境」の部分です。自分スタイルで作る環境というのはどの様なことでしょうか?もちろん、目標や夢を設定して必要なことであることは、なんとなく分かりますが。。。

佐倉:そうですね。まず、自分が理解しても変化していくことが前提となるべきだと考えています。環境も変化しそれに影響されたり選択肢が決められたりすることもあります。コロナ禍によるパンデミックの問題や株や為替など、自分ではどうしようもない経済の変化が頻繁に起こりうる。それに応じて生活環境も影響されるので、常に変化することを前提にすることが大事だと思います。自分を分析して理解したつもりでも、行動すると上手くいかなかったり、挫折しそうになる心境も起こります。絶対なんてないと思いますから。

それが、前提であることが大事ですし、これが結構大事な要素だと思っています。

剛:確かに自分でどうしようもない環境の変化は、自然災害や温暖化も含め近頃は色々と話題になります。佐倉さんの話のようにその影響も生活環境に及ぼします。自分の事も分かっている様で、いざ行動すると挫折する。特に自分は、そんなことの繰り返しだった様に思います。

佐倉:中本さん。私もそうですし、そんな方は多いと思います。それで最初に前提としておくことが必要だと思います。決して言い訳を用意するということでなく。自分なりの前提を設定してそのための環境づくりを行うことが必要だと考えています。

剛:先ほど、「ギャップ」を埋めるために必要な環境をつくるとお話しされてましたが。。。

佐倉:はい、全てにおいて到達したい目標と現実のギャップを埋める為に行動するわけです。アスリートや資格取得や受験勉強、そして経営もそうですね。「ギャップ」が明確になってないと行動も決まらない。漠然としていると漠然とした行動しかならない、それでその評価も漠然としたものになる。だから結果も漠然としてしまってる。でも、これが普通だと思っています。それは、自分の物差しで判断しているからです。結果を出せる人たちは、別の物差しをもっているし、色々な人がもつ物差しを知り、自分の現状を認識しています。
ギャップを埋めるために、必要なことを明確にするために、最初に自分の環境を書き出したように必要と思うことを書き出してみることが重要です。
「環境が人をつくる」という話をさせていただきましたが、ギャップを埋める環境が、今後の自分を作ると考えてみられては如何でしょうか?

剛:なるほど。。。すると、仕事のことだけでなくプライベートなこと家族のことなんかもそこに関連するわけですよね。

佐倉:まさにそう思います。仕事は、人生の一部です。家族のことやプライベートなことが仕事に影響するし、逆もありますよね。そして、影響を受けて壁ができたり、壁を作ってしまったりします。その壁が課題であり、クリアするために用意されたものかもしれませんね。

剛:凄く難しいですね。色々と大変な感じがします。

佐倉:そうですね。覚悟は必要ですよね。何の為(WHY)がしっかりと自分にあって、それを実現するという覚悟が必要ですよね。

剛:なるほど、そうですよね。覚悟か~~!以前もWHYの重要性というのを社内でも研修で学びました。

佐倉:表現の仕方は様々でしょうが、目的達成への覚悟がないといくら方法論で行動しても上手くいかないと思います。確かに最初は、簡単なメソッドやフレームワークで上手くいっても達成できるかが目的ですからね~。私も、何度も繰り返して失敗していますが。。。

剛:え!佐倉さんもですか?謙遜されているんじゃないですか?

佐倉:いえいえ、今までの自分がそうだったんですね。環境が許してくれていたのかもしれませんし、私が勝手に許されることにしていたのでしょうね。今でも、覚悟を繰り返してますよ。ただ、大きな助けとなる環境作りができたのは、大きいかもしれません。

剛:ほ~~~!凄く興味あります。その助けとなった環境をお聞かせください。

佐倉:それは、仲間を作れたことです。今主催しているコミュニティもその一つです。仲間がいることで、相談したり刺激を貰ったり、時には弱音を吐いたりと、一緒に走る仲間を見つけたことは、大きな助けとなってます。

私は自分が弱い人間だと思っています。すぐ言い訳作ってあきらめるタイプの人間です。それで、仲間をつくることが必要だと考えました。それで、色々な業種で様々な考えを持った方とお話しできる場を作りたいと思いました。それが、主催するコミュニティになります。そこで、人と会い、話してみて、お互いの思いを共有したり批判を頂き学ぶことで自分の進むべき力となってきていると思います。

剛:人の力、コミュニティの力ですか~。確かに参加させて頂いた時も、凄く刺激を頂きました。

佐倉:そんな仲間と本音で話しができる関係をつくることが、自分のビジネス環境に必要だと思っています。もちろん、関係性の中から、各個人のノウハウや情報の提供もあったり、先人の教えて的な経験者のアドバイスも貰えます。最終判断は、自分の責任で自分が決断することですが、この環境を持つことは、大きな武器というか力になります。

剛:なるほど、最初に佐倉さんからお話し頂いた「ここは、コミュニティなので、情報も集まるし人も集まる。それをどう自分スタイルに利用するかは自分次第なんです」と言う事ですね。なんか、わくわくしてきました。

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中本は、佐倉の言う「環境」について、頭の中を整理してみた。自分に必要な環境とは、将来の自分に向かうために、自分に必要なものであり、そのために今の自分を認識する必要がある。そこには、自分の性格や経済状況、家族状況、ビジネス環境と様々な要素がある。また、今後の環境の変化や自分の環境の変化も進む中で変わることを前提にしながら必要なものを準備できるための環境作りも必要だということを考えた。
その上で、コミュニティに参加しいる人々がそれぞれの目的を持ち、その解決や情報の提供のために集まっているからこそ、楽しく素敵な時間を作れているのだと思った。
佐倉が主催しているコミュニティは、彼の主旨を理解している仲間の集まりだと思った。
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剛:佐倉さん、お願いがあります。私もコミュニティの参加メンバーに加えて頂けないですか?色々と勉強させて頂きたいのですが。。。

佐倉:もちろん大歓迎です。中本さんの勉強のためと言うより、皆さんとの情報の共有の為にもご参加下さい。中本さんのお持ちの情報や経験も皆さんの参考になることが沢山あると思います。それと実は、コミュニティの中にも仲間が主催する別のコミュニティもあって、そこにもコミュニティの目的に共感する仲間が集まったりしているので、参加されてみると面白いですよ。私も別の小さなコミュニティを幾つか主催しています。

剛:そうなんですか。。。何かわくわくしてきました。それが「自分スタイル」で環境を作っていくことに繋がっていくんですね。是非是非宜しくお願いします。


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中本は、佐倉が主催するコミュニティに正式な参加メンバーとなった。そこで、また新しい出会いがあり、彼の人生に影響を与える展開へと繋がっていくことだろう。中本の今後の展開を追ってみたいと思います。
中本のストーリーは「Aストーリー」として展開して行きますが、アナザーストーリーも今後展開されるので、そちらも合わせて見ていきたいと思います。
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