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コミュニティの仲間からチームでイノベーション!:Dストーリー(佐々木 信一郎)1

季節は、秋から冬へと移り変わろうとしている。最近は、日の沈むのも随分と早くなり、17時には外は暗くなり、街のネオンの明るさが目立つ様になってきた。
最近は、季節の変わり方が急な感じがする。衣替えのタイミングも難しくなり、今までのジャケットでは、朝夕は寒さを感じる様になった。
佐々木 信一郎 40歳は、そんなことを感じながら仕事終わりに、焼き鳥屋へ向かっていた。

佐々木は、地域でも中堅クラスの広告代理店の営業部長である。会社の方も様々な業種向けの広告デザインから作成までを一貫して行う会社で業績も悪くはない。しかし、状況も次第に変化しつつあり今後のビジネス展開についても新しい考え方を導入する必要があると思っている。

佐々木は、3年ほど前からある会員制のビジネスコミュニティへ参加をしている。地元(福岡)の経営者が中心に集まるコミュニティで、情報交換やマッチング、コラボレーションなど様々のビジネス関係を構築できる環境を用意してくれているコミュニティだ。

佐々木も、参加することで仕事の繋がりだけでなく、人間関係の構築からプライベートでも趣味を共有できる仲間を作っている。

今日は、佐々木が参加しているビジネスコミュニティの主催者である佐倉と会う約束をしており、いつもの焼き鳥屋に向かっていたのだ。彼とは定期的に情報交換や相談ごとで飲みに行っている。佐倉も佐々木のことを仲間として、色々な企画の意見を聞いたりして、とても仲良くしている関係である。
今日は、佐々木から誘って18時待ち合わせで約束していた。佐倉も佐々木に会わせたい人がいるとのことで、佐々木も少し楽しみにしていた。

佐々木が参加しているコミュニティは、会員制のシステムとなっており、ビジネス仲間が集まり情報交換の交流会やビジネススキルアップを目的とした研修会など色々なイベントを開催している。佐倉は、その主催者でイベント企画運営や会員の相談ごとに対応してくれている。

焼き鳥屋につくと、食欲をそそる煙が襲ってくる。これは、下手な広告よりも効果抜群だな。そんなことを思いながら暖簾をくぐった。

店に入って、予約の名前を告げると、個室に案内された。佐倉は、もう着いていてスマホを見ていた。
佐倉は、佐々木の10歳上で、仲間として気軽に付き合う関係になっていた。

(佐々木):佐倉さん、すいません。遅れました。

(佐倉):いやいや、佐々木君、俺も今しがた着いたところ。 
     何か飲み物頼もう。ビールでいい?

(佐々木):はい、ビールで。。。

(佐倉):どうですか?相変わらず忙しいでしょう。佐々木君は、クライアントが多いから。。。

(佐々木):そうですね。クライアントは多いのですが、最近の受注内容も変わって来て、受注量も減ってきているので、新しいクライアントを獲得するのにバタバタしてます。

(佐倉):へ~~、そうなんやね。それは、どんな感じ?

(佐々木):最近は、クライアントでも社内にデザイナーを雇ったりしていて、内製化も進んできてますので。。。。経費削減の影響も結構ありますね。

(佐倉):なるほど~。問題は、やり方よりも、目的とそのための効果だと思うけどね。

ビールとおとうしが運ばれきた。佐々木は、二人で乾杯から一気にビールを飲みほした
焼き鳥盛り合わせや冷ややっこ、きゅうりの浅漬けなど適当に注文をして、ビールの追加もお願いした。

(佐倉):相変わらず、飲みっぷりいいね~。まあ、最初の一杯は最高だからね。話していた、会わせたい人が、もう少ししたら来ると思う。

(佐々木):そうですか。どんな方なんですか?

(佐倉):フリーランスのWebのデザイナーとして活動している女性で、佐々木君とも仕事でからめないかな?と思ってね。彼女も最近コミュニティに参加したんよね。

(佐々木):そうなんですね。楽しみですね。仕事でも繋がるといいですね。

暫く二人で世間話をしていると、そこに坂本 美穂子(さかもと みほこ)が入って来た。

(坂本):佐倉さん、すいません。お待たせしました。あつ!初めまして、坂本と申します。

(佐倉):坂本さん、大丈夫ですよ。佐々木君と世間話しながら、美味いビール飲んでたんで。。。

(佐々木):初めまして、佐々木と申します。今日は、宜しくお願い致します。

坂本は、緊張しながらお店のスタッフにウーロン茶を頼んで席に着いた。

(佐倉):坂本さん、紹介するね。広告代理店の営業部長をしている佐々木君です。私とは、3年ぐらいの付き合いで、仲良くしてもらっている。時々一緒に飲んだりして、私のおもり役をしてくれているんだ(笑)

(佐々木):いやいや、私がいつも相談に乗ってもらっているんですよ。

(坂本):そうなんですね。お二人が仲がいいな~とすぐ分かりました。

坂本が頼んだウーロン茶も届き、三人で乾杯をして、一通りの紹介が終わったところで、佐倉が話を切り出してきた。

(佐倉):佐々木君は、Web広告の製作とか運営コンサルもやっているよね。

(佐々木):はい、最近は時代なのか、そちらの仕事にだいぶシフトしてきた感じがありますね。

(佐倉):なるほど。坂本さんは、女性向け通販なんかのページの製作とか企画提案をやっているんだけどさ。佐々木君ところで仕事で繋げてもらうことはできないかな?

(佐々木):いや、実は佐倉さんに相談しようと思っていたことがあって、できれば坂本さんにも聞いて貰っていいですか?仕事に絡めれば面白いと思っているんですよ。

(佐倉):そうなの。いいね~~。是非、聞かせてよ。

(坂本):是非是非、私も聞かせて欲しいです。

(佐々木):実は、コミュニティの中で何人かには話をしているのですが、紙媒体やWebなどの広告関連の業種とタッグを組める様な仕組みを作って、チームで広告支援サービスの仕組みを作れないかと考えているんです。もちろん、関連業種なので競合する部分は、多いと思うのですが、利益の問題もあるので、色々な検討は必要だと思っています。
現在は、先ほどお話しもしましたが、クライアントの中にも社内にデザイナーを雇用して広告の内製化を行っているところが増えてきました。ただ、そこにはノウハウ的なものも大事なんです。特にキャッチ―な文言やレイアウトなど、分析を行った上での広告展開となると、中々社内だけでは難しい現実もあります。
それで、その様な内製化している企業や内製化してなくても新規や改正を行う企業向けに戦略的な広告のコンサルティングができないかと思っているんです。

(坂本)素晴らしいです。私もそのチームに入りたいです。確かに単発的な対応でなく将来の見据えた支援体制は、経営者には相当魅力的な取り組みだと思います。

坂本は、自分が考えていた思いや方向性が佐々木から語られることに、身震いさえ覚えた。漠然と思っていたことが具体的な話として、目の前に登場した感じだった。

(佐倉)うん。そうだね。佐々木君の内容には、色々な可能性を感じる。それを具体的な形にしていく必要があるね。

(佐々木)そこで、佐倉さんのお力をお借りしたいと思っていたんです。

(佐倉)今日は、坂本さんに参加してもらって大正解!という感じかな?
 私の力というより、佐々木君のこれまでの仲間づくりからチーム作りはできると思うよ。大事なことは、「思いの共有」だし、具体的なビジネスモデルをつくることだと思うけど。。。

(佐々木)はい、佐倉さんから今まで教えてもらったことは、凄く参考になりますし、コミュニティの仲間の顔も浮かんでいるんです。

(佐倉)もう実は構想できているってことだと思ったけど。。。ビジネスモデルもある程度出来上がっているんじゃない?

(佐々木)さすが、佐倉さん。それを、佐倉さんに見てもらって意見を聞きたいと思ってました。

(坂本)え!そうなんですか?私も仲間に入れてもらえるなら、是非話を聞きたいです。私もWEBの戦略やコンテンツの展開など戦術的な部分では今まで仕事してきましたが、全体の戦略やそもそもクライアントが求めることを提案していくことは、私の理想なんです。

坂本は、佐倉と佐々木の言葉に驚いた。もう、構想までできているのか?具体的な実行計画までできているのでは?これは、自分も是非参加したいと思った。

(佐々木)坂本さん、是非仲間に入って下さい。具体的な話は、別途時間を作って説明させて頂きます。

(佐倉)例えば、今扱っている案件でも具体的な内容をサンプルにしてみて、収益モデルやそこに参加するチーム構成。そのチームプロジェクトのスケジューリングや成果とその評価方法などを実績をベースに作っていけば、具体的なモデルになると思うよ。必要なことは、具体性だから。。。
陥りやすいことは、こちらの思いや価値でモデル化することで、そうなるとモデル化する時に抜けや思込みや勘違いを起こす。そんな例は、今まで沢山見てきたからね。

(佐々木)なるほど、面白いですね。構想を具体的な見える化にするという。よく佐倉さんが話していることですね。
実績となった案件をビジネスモデルにあてはめながら、過不足を含め検討して行くということですね。そこで、必要な情報や人の問題も明らかになる。

(佐倉)ビジネスモデルや構想を組み立てる時に、より具体化する必要があると思うんよね。そんな時は、実例というか実績のある案件で検討すると、実際にお金の動きやその時の工数、期間も数字で明確に出るので、検討しやすいしチームでやった時の効率化やプラスαの提案とかがはっきりと見えてくる。すると、佐々木君が言った様に検討しやすいし、課題も明確になると思うよ。

(坂本が心の中で思ったこと):
佐倉さんは、色んな引き出しをもっているんだ。それに対応して話をする佐々木さんもすごい!!
確かに、コミュニティに参加した時に、佐倉さんに相談したらいいよ!と言われた。こういうことなのか?自分も仕事のことを自分なりに整理して、佐倉さんに相談してみるとヒントや具体的な方法をアドバイスしてくれるということなのか?

(佐々木):佐倉さん、ありがとうございました。相談しながら自分でもイメージが明確になってきました。それで、一度何人かに声かけて、話し合いをしたいのですが、佐倉さんも入ってもらえないですか?あっ!坂本さんも是非。。。

(佐倉)もちろん大歓迎だよ。ひょっとして、面白いイノベーションのチームができるかもね。楽しみだね。

(佐々木):佐倉さんが良く話している。強味の最小公倍数から最大化へ!という思いに繋がればいいと思っています。まずは、最小公倍数を作りたいと思っているんです。

(坂本が心の中で思ったこと):
 その話は、以前佐倉から聞いた。まさに、これは佐倉が話していたことを現実化することだ。

(坂本):私も佐倉さんからその話を聞きました。こういうことになっていくんですね。

(佐倉):ん~~~。確かに、方法の一つですね。あの最小公倍数の意味は、掛け算で考えいるので、別の意味への変換もあるんです。まあ、それは別の機会にでもお話ししますね。

(坂本):はい、是非もっとお話しを聞きたいです。私も、自分の仕事のことを整理してみます。また、ご相談させてもらっても宜しいですか?

(佐倉):もちろん、仲間の相談は自分の糧にもなり、アイデアにも繋がるので、私も楽しみです。

さて、この佐々木の発案で生まれるチームは、これからどの様な展開を見せるのか。また、経過報告を楽しみにしたいものだ。。。

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