君はアナザーストーリーズ、太宰治を観たか
NHKドキュメンタリー!素晴らしい!
そして、天下のNHK !この会社まだまだいい作品を作る人たちがいる(らしい)。まずはそこに感謝。
「太宰治~死に焦がれた作家の生き方~」
太宰の心中に連れ添った山崎富栄の生涯や、彼と関わった女たちを追いながら、太宰文学の終焉を探ってゆくのであるが、番組では定説を覆す新たな新説が開陳されたわけでもないけれど、それでも又吉直樹はじめ何人かの作家や研究者が独自の観点から意見を述べていて、それはそれで面白かった。
特に松本侑子が語っている書斎に注目。
猪瀬直樹においては書斎の太宰関連のコーナー、手にはピカレスクも添えられていて、なるほどと感心。
お二人の圧巻の書斎がね、すごいのよ。
「やっぱりこの人達、マジ読みこんでるわ!わしなど、太宰治を知った風な顔しとるが、アマチュアというよりホンの初心者やな」
それが正直な感想。恥ずかしい次第である。
さて、番組では普通は見ることの出来ない写真が何葉か披露されていてそれも興味を引いた。中でも心を打ったのは二人の遺体があがったらしき場所で、富栄の父がたたずむ姿。娘を失った直後の悲しさからか呆然としている父親の写真である。心が痛む。
他にも富栄の洋装写真や戦死した夫との結婚写真。上流階級なインテリジェントお嬢さんの風情を持っているのが知れて取れた。
僕は太宰治の作品をたくさん読んだけれど、彼を囲む女たちについては奥さんの美知子を除いて、余り関心の対象にはならなかったのだが、こうして上手にまとめられた番組をみると、特に富栄の心中に至るまでの葛藤も知る事ができ、太宰の作家としての終焉をどう迎えたのかが分かった。
僕から言わせると、死んで一番びっくりしたのは当の太宰治本人だったのだろう。「あ、いけね、死んじゃった、これじゃあ次の作品書けないじゃん」と言うわけだ。
ともあれ、発行部数1200万部「人間失格」を書いた稀有の大作家、太宰治の謦咳に触れることができ、一(いち)ファンとしては、この番組は永久保存に加えるに然る内容なのであった。
「みうらじゅん最後の講義」も相変わらずの調子だけど面白かったよ。「老いるショック」「自分らしさ、自分かしら」ね(笑)
映画「三島由紀夫vs 東大全共闘」も面白かったよ。
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特に当時の芥正彦が赤ん坊を肩車して登壇するに至って、それまでの単調な討論の空気を変えてしまったのが印象的だった。その後の二人の哲学論議は、僕には何の事やらさっぱり、天才同士の哲学論議は凡人には到底分からない。そこでは何人かが解説をしていて、それも何の事やら、そして現在の芥正彦の自身が語るコメントは、相変わらずの観念論を切り取ったような言葉使いはともかくも、他人を見下したような言いように、どうも好感を持って聞く事ができなかった。このインテリ演劇家、いけ好かない!
(上の写真はテレビ画面をスマホで撮ったものです。NHK著作権屋さん、オレの太宰治ラブの熱意に免じて許してね。ごめんね)
では皆さん、股!
グワシ!サバラ!