ヨコハマインターコンチネンタルで太宰治を読む
(飲み屋で悪口を言われた太宰が)家へ帰って、おそい夕ごはんを食べながら、あまり口惜しくて、ぐしゃと嗚咽が出て、とまらなくなり、お茶碗も箸も、手放して、おいおい男泣きに泣いてしまって、お給仕していた女房に向い、「ひとが、ひとが、こんな、いのちがけで必死で書いているのに、みんなが、軽いなぶりものにして、……あのひとたちは、先輩なんだ、僕より十も二十も上なんだ、それでいて、みんな力を合せて、僕を否定しようとしていて、……卑怯だよ、ずるいよ、……もう、いい、僕だってもう遠慮しない、先輩の悪口を公然と言う、たたかう、……あんまり、ひどいよ。」 などと、とりとめの無い事をつぶやきながら、いよいよ烈しく泣いて、女房は呆れた顔をして、「おやすみなさい、ね。」 と言い、私を寝床に連れて行きましたが、寝てからも、そのくやし泣きの嗚咽が、なかなか、とまりませんでした。
吟じます
「ベイビュールーム朝起きてビール飲みしま「美男子と煙草」読む」
全然ダメだ!
悪口言われて太宰はおいおいと泣いてしまうのね。
奥さんがやさしく、おやすみなさいね、と寝床へ連れて行ってくれるのね。
たまらんわ、太宰治!!