アリさんたち、ごめんなさい。
レンタル屋さんに行った。本当は夏帆主演の映画「ブルーアワーにぶっ飛ばす」を探しに行ったのだけど、まだレンタル開始されていなくて、やむなく廉価レンタルDVD を4枚借りてきた。
「永遠のゼロ」
「硫黄島からの手紙」
「野火」
そして僕の大好きな「地獄の黙示録」
隅の隅の方にそっとおいて貰っているとは言え、僕も一応男の子なので、ただ単純に戦争映画が好きなのであるーーーと公言すると、妻だけでなく、たぶん日本全国の女達はなべて、戦争映画が好き?え?と顔をしかめるのであるが、でも好きなんだから仕様がない。(↓下の写真)地獄の黙示録に主演していたマーティン・シーンがめっちゃカッコいいし、硫黄島からの手紙に主演していた渡辺謙もカッコいい。映画を観ていると、将軍や兵隊になりきっている自分がいる。昔、東映ヤクザ映画を観て映画館をあとにするおっさん達がみな目を細め強面の顔を作り、肩をいからせているのと同じだ。
以前にも書いたけど、戦争はいけない、それは分かっている。戦争をいたずらに美化する必要もないけれど、だからといって内実を理解しないまま単純に、頭ごなしに反戦を声だかに強要するのも、余りに短絡的で議論も何もない。でも戦争映画を観ている僕の目前の妻は、顔をしかめる。明らかに嫌がっている、何が面白いんだという顔をしている。「恋はつづくよどこまでも」のほうが100倍おもしろいじゃないかという顔をしている。日本の女達全員がキュン死してるからね。
まあ、戦争映画とは直接的に連関するわけではないけれど、私には男の子の孫がいる。一昨年のある日、私の妻と、つまりじいじ、ばあばと、この時4才くらいだった孫との三人で、近所のスポーツ公園で遊んでいたときのことだ。コンクリートの隙間を見ると、少し大きめの蟻が無数にいて、這い出たり地中の巣に戻ったりしているのが見えた。僕と孫は生意気なアリ君達を懲らしめてあげるべくつ何匹かをつぶしたりしてみた。
僕はアリの代弁者となって「○○くん(孫の名)、痛いよー、助けて、いじめないでくれよ、ちょっとの虫にも5分のたましいって言うだろ、(一寸の虫にも五分の魂)いてえよー、やめてくれよー」などど高い声色を駆使して遊んでいた。さあ、そこへ来た妻、つまりばあばたるや、何故か鬼の形相で怒るのである。
「やめなさい、虫を踏みつけて遊ぶなんて最低、だめです。ぷんぷん。あんた!変な遊び○○に教えないで」
おっしゃる通りなんですよ、虫にも魂があります。その通りです。でもお尋ねしますが、ねえ奥様!あなたのお宅のキッチンにある砂糖を求めて、アリたちがこぞって家庭訪問していたら、あなた、どうします?そこまで行かなくても、お宅の庭にアリたちが営巣をいくつも作っていたらどうします。ホームセンターに駆け込んで「アリの巣コロリ」買って、アリ一族を殲滅する作戦とるでしょ。
ここで僕がまだ小学生だった頃を思い出す。住んでいたのがド田舎で野原がそこかしこたくさんあったせいなのか、それともその時分、屋内室内での遊ぶ手段や玩具が少なかったせいなのか、男の子の遊びは外でという社会風潮が強かったのか、実は極少量の火薬をいれた「爆竹」も平気で売られていたし、2b弾と言ったかな、忘れてしまったけど丸い弾になっていて、投げつけると衝撃でパンと破裂する玩具も駄菓子屋に売っていた。僕らはわずかな小遣いが手に入ると、近所の男の子と一緒にそんな物を買ってきては、野原や雑木林に行ってパンパン破裂させて遊んでいたのだ。そこで僕自身が虫や小動物に投げつけたのかは憶えてはいないけれど、まあやってたんだろうなあ、なんともその頃の大人達は子供の遊びに寛容で、まあ一方では無関心で、気楽な時代があった事を思い出した。
今こうして、ばあばがキイキイと高い声をだし、孫のアリ潰しを手伝っている僕を怒りつけている様を思い出しては、いかに時代が窮屈になってきたのかを実感するとともに、全てが女目線、というか安全で何事も起こらない事が第一義である事が、理由抜きで優先させられている、そんな事をぼんやりと考えてみたりしたのだ。そうして戦争映画に顔をしかめ、なるべく遠ざけようとする女社会が、各家庭毎にできあがっている事を、うっすらとであるがダブって感じるのである。もちろん戦争はいけない、小動物や昆虫をむやみに殺すのもいけない、あの時の潰してしまったアリさんたちの供養をしなければとちょっと反省しつつも、「女ってなんだか好きになれないな」と心の中で小さく呟いたりするのである。
でも奥様!上のマーティンシーン、かっこよくないですか?僕が夏帆だったらなあ、こんな男を好きになっちゃうんだけど。ついでに奥様!テレビに連日登場する知事や市長のなかに若いイケメンが何人かいて、本来のニュースはそれはそれとして、彼らにキュンキュンしていませんか(笑)
さて、三連休!愛車を夏タイヤに履き替えて「三島由紀夫vs東大全共闘」見に行こうルンルン。