行政はコンサルがお好き

こんにちわ。些の件です。

 木下さんみたいな方が、”コンサル”への業務委託の危険性って、かなり前から指摘して警鐘を鳴らしてくれていると思うんですが、役所ってコンサル好きですよね。

 コロナ関連でも、国もどんどん委託に出す。これだけ野党やマスコミから指摘されているにも関わらず。
 今回みたいな緊急的な対応している時は、たぶん予算化する段階で、コンサルに見積もり頼んで、設計書も作ってもらって、その時点で何社かから見積取ってるかもしれないけど、見積・設計の段階で自社しかできないようにしておいて、予算通ったら予算見積り採用した会社の1社随意契約ってところまで準備されているのかなと想像します。
 だから、誰かから指摘されても、予算通過後は、もうコンサルに委託するしかない。

 今回のは緊急事態だったので、露骨に出てますが、国だけじゃなくて地方も似たようなもんですね。

 国家官僚にぶら下がって、新しい補助金できたら、その補助金が求める成果品を勉強しておいて「この補助金使えば、こんな事できますよ。」「先進自治体で手掛けたコンサルト知り合いで、同じことがあなたの自治体でもできますよ。」「補助申請書作成の段階から、お手伝いしますよ。」って地方自治体に営業かけて、予算通ったらもうコンサルタントのもんです。コンサルがウヨウヨしている大都市圏では、発注先も選択の余地がまだありますが、田舎には選択の余地がありません。

 

 なぜ、行政はコンサルが好きなのか。

①人的余裕がないから
 補助金もらったりしていると、当然予算額も事務量も増えます。年度末までに報告書も作らないといけません。公務員職場は職員が削減傾向にあるので人員ギリギリのところで普段から業務をしているので、新たに増える事務に対応しきれません。だから業務委託で出してしまうんです。
 予算と事務執行の確実性を求めるなら、予算の大枠をコンサルに委託してしまう方がベターなんです。

②知識・経験・ノウハウがない
 人員削減や財政縮小も影響ありますが、職員が若いうちから、補助事業や新規事業の仕事に関われる機会も減っています。本来なら、普段からの業務に関わることなので、職員にも一定の知識・経験・ノウハウがあって然るべきです。モデルにしたい先進自治体があれば、コンサル使わなくても調べられること、直接電話やメールで問い合わせること、視察に行くこともできるし、地域の現状把握などであれば、時の担当者が一番理解していなければいけないことですが、先進自治体とコンタクトをどう取っていいかわからない。有識者を呼んだことがない。住民アンケートやったことがない。住民集めてワークショップやったことがない。だから、委託してしまいます。

③議会・住民・補助事業所管官庁への説得力が増す
 要するに結論ありきなんです。住民から反対的な意見が出ても、業務の中で決まっている結論の方に持っていかないといけない。業務完了後に議会で失敗でしたと報告できない。予算を補助対象とするために、できれば好事例として全国に発信してもらうために、所管する官庁の期待する成果品にしたい。地域内でも意見が別れて収集がつかなくなる場合も想定される。そうなると田舎の公務員が説明したり報告書を作るより、都会から来て、他の自治体事例にも詳しい(らしい)コンサルに住民への説明責任も委ねます。
 コンサルが成果品(報告書)作れば、見た目のいいパース絵とか、かっこいいイメージ図とか作ってくれますから。「絵に描いた餅」は、おいしそうですからね。

④国も地方自治体が補助事業する場合は、コンサルを使う前提で補助事業要綱などを策定している
 国の複数年で補助金が出るような事業は特に、最初の年度に計画策定をする制度設計にしてあります。地域も国も認めた計画に載っていることであれば、翌年度以降のハード事業に対して補助金出しますっていう形の補助金が多いです。なので、最初の計画策定段階から、国も関与したいけど、当然全国津々浦々まで目が届かないので、自治体にはコンサルを使ってもらうことによってコントロールしようとしているのかなとも思います。
 利益誘導とか、そういった方に触れる話もあるのかないのかわかりませんが、そういう事を無視したとしても、国だって予算化したものを、適切に執行していきたいので、国も地方自治体にコンサル使ってもらい。



 行政側の立場からすると、コンサル使う理由があるにはありますが、予算を議会にあげるとこから、補助採択、業務委託発注までの一連の流れの中で、住民や地域の事業者の”声”っていうのは、ほぼ無視されています。
 コンサルが仕切って住民ワークショップ開いて、「自由に意見出してください」って言うんですが、せっかく住民が意見上げても、ほぼほぼ意味がない。だいたい結論も、成果品の中身もその時点で決まっているので。


 これでは、せっかく税金使って地域のことを地域で考える場ができても、何も地域のためにならない。せめて報告書は役場(所)職員が作れば、その職員の経験にもなるんですが、それさえもない。経験が地域に残る事が大事だと思うんですが、コンサルが計画作っても、その計画実行する時にはコンサルは居ないですからね。
 地域は、整備されてから絵に描いた餅だったことに気づくんです。
 炊飯釜も杵や臼も、作業する場所も、売る場所も整備し終わってから、お米を炊く人、つく人、アンコを包んで整形する人、売る人も買う人も地域に居ない。居るのは食べたいって思う人だけだったことを


 それでも、行政職員はコンサルに委託出すのが好きです。特に、昔ながらの公務員はその傾向が強いです。補助金引っ張ってきて自分の仕事の予算額が大きくなるところにステータスを感じている人。発注者としてコンサルに偉そうにできるし、住民・議会に対してやってます感も出しやすい。

 建築の設計とか、コンサル業の幅も広いので、コンサル全てがダメだとは思いませんが、気をつけないといけないですし、地方は多額のコンサル料がなくても地域活性できることを考えなくては。

 考えられるようにならなくては。

日本の片隅で公務員の経験を公務員じゃない立場で活かしていきたいです。過疎地域も元気になるお手伝いできればと思っているので、よろしければサポートお願いします。