没収。March 1, 2020
こんにちは!3度のメシより墓地が好きなサノ☆ユタカです。
海外で初めての場所に行くと墓地を探す。
墓地に行くと落ち着くからだ。なんでだろうか。
墓地は大抵の場合なんというか気の流れがいい。丘の上だったり海を望んでいたり山の麓にあったり。いろんな形の知らない人の墓石の間をただ歩く。飾られている花や墓石の名前を写真に撮ったりもする。本当は何にも理由なんてないのかもしれないけどただ墓地が好きなのだ。
さっき気がついたんだけどけっこうな数を撮りためた世界中の墓地の写真のファイルがゴッソリとPCの中からなくなっていた。スペインとかモロッコとかミューメキシコとかオーストラリアとか撮った写真でZINEとかカレンダーをつくったりしたこともあった。ショックだな。
カモちゃん、ことヘアメイクアーティスト加茂克也さんが亡くなった。歳はカモちゃんの方が上だけど俺と一つしか違わない。
カモちゃんとの出会いは30年近くむかし。サノ☆の名前はカタカナじゃなかったし☆も付いてなかったころになる。
出会ったばかりの頃に一緒に仕事したキューピーハーフのTVCMシリーズ。テレビのフレームは4:3だしCGは使わずに全て実写だ。スタイリストはソニア・パークでカメラマンは田島一成。ファッションの世界がいっさいわからない俺にカモちゃんを紹介してくれたのは田島だったと思う。
みんな20代だった。
田辺あゆみちゃんのエア・ボーリング姿を撮っていてなんか足りないねとカモちゃんは彼女の片手を銀色に塗った。
俺が最後にカモちゃんと仕事したのはまだ小学生だった中島セナちゃんをキャスティングして彼女を未来人というキャラクターにした中外製薬の企業CMシリーズ。
最初はオカッパで緑色の所謂宇宙人みたいな髪をクライアントに提案していたけどカモちゃんのアイディアで彼女の髪に謎の金属みたいな物質を塗り込んだ。
カモちゃんと何かを作れたコトが誇らしいっす。カモちゃんはきっと気の流れのいいいるだけで落ち着くようなところに行ったのだろう。
昨日は昨年死んた父の納骨があった。父の遺体は本人の希望で死んだあと慶應大学の医学部に献体に行っていたので3ヶ月遅れの納骨になった。バカみたいな晴空だった。もう春が来たんだな。
この墓は数年前に弟が死んだ時に俺が慌てて買ったんだけどあとでよくよく契約書的なモノを読んでみたら俺みたいに子供がいない場合最後に墓に入ったあとつまりそのあと面倒をみてくれる人がいない時点で骨は墓から出されて"骨マンション"みたいなところに移されて墓石と"場所"は没収になっちゃうんだって。
なんだか詐欺みたいな話でおもろいだろ。
とにかく早いもの勝ちで墓に入るしかねえな。まじで。