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「映画感想」キネマの神様


松竹映画100周年を記念して、数々の賞を受賞している人気作家 原田マハの原作を山田洋次監督がメガホンを取った作品。

丸山郷直(ゴウ) 沢田研二
若き日のゴウ  菅田将暉
丸山淑子    宮本信子
若き日の淑子  永野芽郁
桂園子     北川景子
丸山歩     寺島しのぶ
寺林新太郎(テラシン) 小林稔侍
若き日のテラシン 野田洋次郎

(主演 志村けんさん 死去)



山田洋次監督らしい映画だった。

主役は酒と博打に溺れ家族からも見放されたダメ親父 ゴウ。志村けんの代役として抜擢された沢田研二が、やり辛かっただろうに踏ん張った演技を見せる。
そして、いきなり舞台は現代から50年前に遡る。50年前と言えば、日本の映画全盛期だ。
そこでは映画の撮影現場で、生き生きと働く若き日のゴウが居る。
カメレオン俳優 菅田将暉が、ここでも凄い演技力を発揮している。
しかし一番驚いたのは淑子役の永野芽郁だ。脇を固めるベテラン俳優に負けない堂々とした演技で淑子を活き活きと生きている。魅力的だ(語彙力)これなら菅田将暉演じるゴウが惚れても無理はない。
特に監督役のリリー・フランキーを怒鳴りつけるシーンは圧巻だった。
とにかく美しかったのは北川景子だ!
彼女の知性ある美貌は、いつの時代においても通用するものだと私は信じて疑わないが、やはり明らかに他の追随を許さない。特に「モノクロ」のシーンなんて、女の私でも惚れ惚れしてしまう気品ある美しさだ。それなのに気さくさを覗かせるのが堪らなく本作品では良い。 
神々しくさえある存在感だ。

ああ、物語については多くを語らなくても、素晴らしいに決まっている。あの山田洋次監督が満を持して世に送り出したのだから、下手な作品を作ったら天国の志村けんさんに苦笑いされてしまう。

それにしても沢田研二は、途中、志村けん?と疑うほどキャラを志村けんに似せて演じてきっていた。それ故に尚更、本作品を「志村けんで観たかった」と思ったのは、私だけではなかっただろう。

コロナから始まりコロナで終演を迎えるこの映画は、まるで志村けんさんへのレクイエムそのものだ。
日本が誇る憎めない「ダメ親父」を是非、志村けんで観たかった。いや、だから「憎みきれないろくでなし」の沢田研二だったのか?(笑)

最後は涙が溢れそうになった。
映画が好きで映画に生きたゴウ、そんなダメ男を愛し支え続けた妻の淑子。
是非、エンドロールが終わるまで観て欲しい。

今回は観て欲しい映画なので、ネタバレは書かない。Amazonプライムで無料で観られる(地域によっては、違うかも)


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