「エッセイ」ロング・ラブレター好きで好きでたまらなかった男

突然ですが、私には好きで好きでたまらなかった男が居る。と言っても、主人が居た身で「不倫」や「浮気」をしていた訳ではない。

映画とテレビドラマの中の人。

「池袋ウエストゲートパーク」と言うかなり前のドラマをご存知だろうか？
主役のマコトを演じたのは元ジャニーズの長瀬智也だったが、私が好きだったのはキングを演じた窪塚洋介。

あのふにゃふにゃ感がたまらなく好きだった。現実で毎日、筋肉ムキムキのダーちゃんと生活しているせいなのか、私は見ている分には細身の弱々しい男が好きだったらしい。
彼が映画に出演するといえば「初日舞台挨拶」に駆け付け、前列でその小さな顔と細いしなやかな身体付きを堪能した（笑）
今でいうところの沼にハマった推し活だった。
日本アカデミー賞出演男優賞を受賞した「GO」、まだ無名だった頃の中村獅童と共演した「ピンポン」等のロケ地巡りもした。
今では懐かしい思い出だ。

そんな「推し」が、ある日マンションから飛び降りたというニュースが飛び込んできた。
もうその時既に、飽きっぽい私は彼に興味がなかった。
女という生きものは一度好きになると突っ走るが飽きると二度とその人に興味を示さない。
離婚をして前の女房に未練たらたらになるのは男で大抵の場合、女は生理的に清々するものだと私は思っている。

「推し」に対しても同様で、当時「大麻」が好きで、その良さを説いていた彼を勝手に危ないヤツになってしまったと思っていた。
だからマンションから飛び降りたと聞いた時は
「あぁ、妄想見ちゃったんだな～」
くらいにしか思わなかった。
これで助かっても、きっと警察に捕まるに違いないと冷たく思っていた訳だ。
結果として彼は奇跡的に一命を取り止め、大麻も使用していなかったのだが、私の「好き」が終わったことに変わりはなかった。

そう、私の人生の中で「終わった恋」を振り返るほど時間の無駄使いはないと思っていた(主人は抜かして)後ろを振り返っていたら、次の素敵な人は見つからない。

と、何十年も本気で思っていた、思っていたのだ。
ところが、ある日Amazonプライムで「ファースト・ラブ」を視聴した時、奇跡は起こった(いや、そんな大げさなものではない)
北川景子演じる弁護士が帰宅するとキッチンで料理を作る旦那さんが居た。
ポトフを覗き、つまみ食いをしようとする彼女を
「まだ美味しくないよ」
優しくたしなめた声に胸がキュンとした。

誰？この俳優？
「大好きかも！」
不覚にも私は好きで好きでたまらなかった男との何十年ぶりかの再会に気付かなかった。
ラストのテロップの文字に「窪塚洋介」と書いてあった。
あぁ、やっぱり私は、この俳優が好きなんだなと改めて気付いた。
彼は綺麗だった若き日の面影を残しながら、優しい大人の男に成長していた。

うん、こんな再会を現実でも果たしたいものだ。
しかし、元が良くなければ歳を重ねてから良くなる可能性は……語るのは辞めておこう。
女の方が経年劣化が著しいと言うのが、世の男共の口癖だ（苦笑）

と言う訳でTverで「ロングラブレター　漂流教室」を見つけて昨夜観てしまった（笑）
若き日の窪塚洋介は、やはり美しい。相手役の常盤貴子も美しい。しかしPRIORの威力は如何なものか？

風吹ジュンさん可愛い～

何十年ぶりかのキング！
声は歳を取ったが容姿は衰えていないと思ったのは私だけだろうか？
女性も気を付けて生きていかなくちゃね（苦笑）