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呪言(じゅごん)

言葉は呪いだ。

子供の頃に言われた言葉。
死にゆく人に言われた言葉。
周囲の人間たちから口々に言われる言葉。

何もかもが呪いのように自分を縛り付ける。

「お前は出来る子だから。」
「お前は自慢の孫だから。」
「○○さんは、なんでも出来る人だから。」

なにか一つでも出来ないと家族や友人、周囲の人たちから自分という存在を否定されたと認識してしまう。

自分の居場所が無くなってしまうことを恐れてしまう。

そんな現実が怖くて、いつの間にか何もかもから逃げるようになる。

逃げている間は出来ないことを証明することにはならないから。

そして、いつの間にか後戻りできない所まで追い込まれる。

逃げ道がなくなった人間がとる行動は、違う世界・次元に活路を見出す。

人間にとっての違う世界・次元とは、『死』であり『天国』だ。

子供の時に刷り込まれた「出来る子」という言葉が身体だけ成長した自分を呪い殺す。


言葉とは呪いだ。

呪いから逃れる術は一つ。

他人からの期待や嫉妬、妬み、僻み、羨望あらゆる感情が詰め込まれた言葉を聞き流し、自分の心の奥底には絶対に触れさせないこと。

この呪いは決して、言葉をかけた人間には祓えない。

呪いをかけた認識が一切ないのだから。

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